今回の作品/安全装置
仕事中に起こした事故がトラウマとなり、運転に対する恐怖心を抱えた男は、還暦を前に世界最高水準とされる安全装置を搭載した自動車と出会い、直ぐに購入を決める。その性能はうわさ通りで、快適なドライブを続ける中で気を良くした男は、ついに高速道路での走行にチャレンジするが……。
ショートショート『安全装置』の全文はこちら↓↓↓
【CONTENTS】
- テーマからの発想
- 発想からのキーワード選出
- POINT1:タイトル
- POINT2:書き出し
- POINT3:ユーモア
- POINT4:前半のストーリー
- 総合的なポイント
- コラム/ストーリーの作り方(前編)
テーマからの発想
今回のテーマは『自動運転』です。かつて人間の『アシスト』だった自動運転も、今ではどんどん『人間』に近づいてきて、まあありがちなんですが、技術の進歩も発展しすぎたり、その方向性が『ズレ』たらどうなるのか? こういうのは『ネタ』にしやすいので、可能な限りアイデアを出しておいて、ちょっと方向性が違ネタは応用する為にストックするのがいいと思います。
発想からのキーワード選出
自動運転、AI、誤動作、安全、危険、楽、技術の進歩
POINT1:タイトル
タイトルは『安全装置』です。もちろん、『オチ』に対する『伏線』の意味も含んでいます。
POINT2:書き出し
例えば自動車がセンターラインを越えて対向車線にはみ出た場合、そこに相手の自動車があれば、それは正面衝突になる。その場合、双方の出していた速度が合計されるため、相当な衝撃が人体に加わる。事故の中でも正面衝突は死亡率が高い。
各国の自動車メーカーも安全装置を装備した車種が増えており、衝突を避けるものや車間を一定以上保つものなど様々だった。そんな中、世界で最も安全性が高いと評される車種が登場した。それは、我らが日本のメーカーだった。
今回『書き出し』は、いつもより『長め』にしています。それはまるで真面目なドキュメンタリー番組のオープニングの如く。
これは勿論、オチとの落差をつける為の『仕掛け』なのです。
POINT3:ユーモア
この作品のユーモアは、やはり
『書き出し』→『オチ』への部分ですが、営業マンのつまらないセールストーク
『キングコングでも開けれないドア』と『マンモスに踏まれても大丈夫なフレーム』
も、その一つです。この作品で大事なのは、このセールストークが『仕掛け』である事です。このくだりはオチの少し前に再登場しますが、勿論オチの効果を増幅させる『装置』なんですよね。
POINT4:前半のストーリー
起
過去の事故がトラウマとなっていた主人公は、最高水準の安全装置搭載と評される大衆車の発売を知り、還暦を前にトラウマを克服すべく車を購入する。
承
慣らし運転の為に、近所のホームセンターに向かう。道中で試してみた車の安全性に感動して、思わず声をあげる。
POINT5:展開〜オチ
転
すっかり調子づいた主人公は、滅多に乗らない高速道路で快適に過ごしていたが、後ろから猛スピードで追い抜いて来たスポーツカーが事故を起こし、主人公も巻き込まれる。
結
前方の事故現場に突っ込んだ車から投げ出された主人公は、宙を舞い『死』を覚悟したが、実は車の『脱出装置』が作動して、安全な場所へと運ばれていた。
総合的なポイント
物語の冒頭、少しかための文章でスタートしますが、それは主人公が過去の事故によるトラウマを克服しようとする場面があるからです。
一度恐怖を感じた運転から、高速道路に向かうまでの流れをスムーズにする為、上手く主人公の心理を描く必要があります。
コラム/ストーリーの作り方(前編)
ショートショートにおけるストーリーの作り方です。普段は創作プロセス公開で簡単にご説明していますが、実際の作業はもう少々複雑です。実際のショートショート作品を用いた解説は、次回のストーリーの作り方(後編)でのお話となります。
kindle unlimitedで1日に1000頁以上読まれた人気の指南書です。
↑↑↑ブログランキングに参加しています。面白かった方は応援お願いします。
↑↑↑読者登録はこちらからお願いします。
↑↑↑最新のランキングチェックはこちら!