片想い
同じクラスの女子に、なかなか告白出来ない男子高校生。しかし、バレンタインデーに嬉しい展開が待っていた。
【CONTENTS】
- テーマからの発想
- 発想からのキーワード選出
- POINT1:タイトル
- POINT2:書き出し
- POINT3:ユーモア
- POINT4:前半のストーリー
- POINT5:展開〜オチ
- 総合的なポイント
- コラム/カメラアングル(前編)
テーマからの発想
『片想い』と言えば、ストレートに考えれば『恋愛』ですよね。ですが、私は恋愛モノが苦手だったりする訳で……。
でも、結局は『恋愛モノ』になってしまった訳ですけどね。
今回は学生さんが主人公ですが、これが中年だったり、もっと上の年齢層だったら、さらに面白い話も出来たのかなあと、今にして思えば、そんな気もします。
発想からのキーワード選出
片想い、恋愛、学生、相思相愛
キーワードは、どうも『学生』あるいは「若い人」と いうイメージになってしまいました。
初恋などは、結局実らせたいという心理が働いてしまい、平凡な作品になりかねません。
たとえば熟年の恋だとか、もっとひねって『ストーカー」あたりの話だと、それもある意味で片想いと言える訳で、違うイメージの話も書けそうです。ただ、こっちはちょっとデリケートな問題もあるので、工夫する必要があるでしょうけどね。
POINT1:タイトル
片想い
今回はストレートにタイトルを『片想い』としました。
私のタイトルの付け方は、基本的にシンプルなものにしようというのがあるのですが、これって何も考えてない訳ではありません。
既に作品を読んでいただいた方は分かるでしょうが、オチと深い関係があるので、このタイトルになった訳です。
私がタイトルをつける上で思う事は、
①作品全体を表している。
②伏線と深く関係がある。
③本編をバラさない。
④シンプルである。
⑤読後のイメージをタイトルと共に強く残す。
等々です。
POINT2:書き出し
僕が通う高校で、同じクラスにいるミヅキは、教室の中でほぼ真ん中あたりに座っている。でも、その存在感で言うと、ずいぶん端っこの方にいるって感じの、ミヅキはそんなおとなしい女子だった。
何だかもっさりとした文章だと思われませんか? もちろん意図的にこうしたんですけど、主人公はなかなか自分から行動が出来ない人なんですよ。だから、何かを表現する時だって、回りくどい感じになる。どこか男らしくないんですね。
読者の方が、じれったい思いを感じてくれたら狙い通りなんですがね。
POINT3:ユーモア
本文を読まれた方は既にお気付きかと思いますが、主人公は高校生なのですが、語りはもっと幼い感じにしています。
これは恋愛経験が少ないという設定で、高校生ですが、実は『初恋』という設定です。
先述の回りくどい話し方は、少し理屈っぽい性格というのも表現しています。色々考えすぎて行動できない人って結構いるもんですよね。
主人公が想いを寄せる女子も大人しいタイプなんですが、こちらは考えすぎる人ではなかったので、女子の方から行動に出た訳です。
POINT4:前半のストーリー
起
主人公の男子高校生は、同じクラスの大人しく目立たない女子に想いを寄せるが、必要に迫られて話すのがやっとで、告白する勇気が無かった。
承
主人公は、自分が何も行動を起こさなければ何も変わらないと思っている。告白するべきだとは思いながらも、結局なにも出来ないまま、頭で考えてばかりいた。
POINT5:展開〜オチ
転
バレンタインデーに主人公は、憧れていた女子から大きなチョコレートをもらい、相思相愛だった事に気付く。
結
主人公はホワイトデーにお返しをして、自分の想いを伝える準備をするが、女子が交通事故に逢い、結局は帰らぬ人となる。
想いを伝えられなかった主人公は『片想い』のままになってしまうと思うが、後に心の中で二人は繋がっていて、それは『両想い』なのだと自分に言い聞かせる。
総合的なポイント
高校生でありながら、どこかそれ以上に頼りない主人公を描きました。
大人しい男子と大人しい女子。二人の雰囲気をリンクさせる事で、余計にじれったい展開にしました。
読者をヤキモキさせる。だけども、似たとこがあったから惹かれ合った二人。行動力は実は女子の方にあって、良い展開になりそうな雰囲気です。
しかし、そうはならない。大人しく行動力の無い男子は、その現実に対し何を考えどう動くのか。
主人公らしい心の処理の仕方を描きました。
コラム/カメラアングル(前編)
今回は『カメラアングル』についてのお話なんですが、写真や映画ではなく小説のお話です。
私が個人的に感じるのは、映画などを観ていた時に、ハリウッド映画はこのカメラアングルが実に素晴らしいな、と言う事なんです。
私は時間の都合上、関係者の方には申し訳ないのですが、少々早回しで観る事があります。でも、ちゃんとストーリーは頭に入るんですよね。
それぞれの場面で、誰が何をしているのかが明確ですし、セリフも大体察しがつきます。これは『スランプからの脱出』の時にお話した、インプットと関係があるんですが、とにかく頭の中に沢山のストーリーを詰め込みたい時にこの方法を取る事があります。
色んな話を続けて観て、頭の中がごちゃごちゃになってもいいんです。とにかくいっぱい詰め込んでみます。そうする事で、複数の話がリンクしたり、突然関係のないアイデアが浮かんだりします。
だけど、邦画の場合ってもう少しカメラワークがおとなしく感じるんですね。これって予算の関係とかもあるかもしれませんが、定点カメラも結構ある気がします。
日本語は文字だけで感情の表現も出来てしまうので、我々も普段あまり身振り手振りを大きくする習慣がありません。このあたりも関係があるかもしれませんが、映像も少なからず影響があるように思います。
さらに詳しく、次回カメラアングル(後編)でお話したいと思います。
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