ショートショート作家 R・ヒラサワの〜Novelist's brain〜

小説の書き方ブログ。ショートショート作家 R・ヒラサワが自身の作品を用いて詳しく解説。新作随時公開中!

(解説から学ぶ小説書き方ブログ)今回の作品/ANSWER、コラム/小説キャラクターの作り方(前編)

ANSWER

月に一回ペースのショッピングセンター通いは、夫との離婚がきっかけだった。近所では買えない雑貨の購入や、気分転換が目的だったのだが……。

 

rhirasawanb.hatenablog.com

 

【CONTENTS】

 

テーマからの発想

 

 今回のテーマは正直難しかったですね。『伏字』って言ってもねえ……。

普通に考えて『伏字』は『伏字』な訳でして、意味からして『隠語』あたりのネタですかね?

これは週刊誌などの記事で、実際の企業名をはっきり書けないけど、読者にはそれをこっそり伝える。まあ平凡ですが、その辺の案が浮かんできましたね。

他にはパソコンなどで暗証番号や、パスワードに関するネタ。画面上で表示されなくなってますよね。ちなみに、この案は一応途中まで書きかけて、『作成中』フォルダに収めてます。たとえ長期間眠りそうなネタでも、必ずここに収める事にしてますが……。


発想からのキーワード選出

 

伏字、黒丸、暗号、隠語、パスワード

 

 

POINT1:タイトル

 
ANSWER

 

タイトルは『ANSWER』です。子供が伏字に関するクイズを出し、それに対して答える意味が一つです。

そして、それに答えた事によって、主人公が今後の人生をどう生きて行くのかと言う、別の意味の答えが導き出されます。それらを総合して『ANSWER』と付けました。


POINT2:書き出し

 
アキコが二十歳ぐらいから知るショッピングセンターは、オープンから既に三十年は経つだろう。ここにはしばらく来なかったが、最近また利用するようになったのは、十年以上連れ添った夫と別れた事がきっかけだった。

 

ショッピングセンターの歴史を語りつつ、主人公の年齢も明らかにしています。

今回の作品では、どちらも大まかに年数が分かればよかったので、このような表現にしています。


POINT3:ユーモア

 
「『よふかし』? 『よふかし』ってなあに?」

 この子は夜更かしと言う言葉を知らなかった。

「あのね、『よふかし』って言うのは、夜に寝ないで遅くまで起きてる事よ」

「なーんだ。それなら大丈夫。ぼく、いつも八時に寝てるもん。だけど答えは不正解」

 

夜更かしと言う言葉すら知らなかった子供は、自分の無知に関して、実にあっさり受け流しています。

しかし、相手が正解しなかった事に関しては、ばっさりと切り捨てる。言いたい事を遠慮なく、はっきりと言うタイプの子供であるという性格付けが狙いで、このようなやり取りを入れた訳です。

 

 

POINT4:前半のストーリー

 

主人公は若い時から利用しているショッピングセンターに月に一回通っている。雑貨などを見て気分転換をするのが目的だった。

 

買い物を終えてベンチで休憩していると、子供が話しかけてきて、クイズを出し始めた。

 

 

POINT5:展開〜オチ

 

 

ショッピングセンターに来ていた目的は、実は万引きであったが、その現場を子供に見られたのではないかと不安になる。それは子供がクイズの答えとして、それを用意していると思ったからだ。

 

 

子供は万引きの事は全く知らず、別の答えを用意していた。しかし主人公は、自身の行動をとがめられた気がして、これをやめるきっかけにしたいと考え始める。

 

総合的なポイント

作品の後半まで、主人公がショッピングセンターに来た理由は、あくまで普通の買い物です。しかし、子供の登場で事情が変わってきます。

ただ、ここでそのまま進むのではなく、更にもうひと展開用意しました。

ラストは、はっきりとした結果を用意をするのではなく、読者の方に考えてもらうパターンで終えました。

 


コラム/小説キャラクターの作り方

作品内でのキャラクター作りですが、私は普段有名人や知人をベースにアレンジしています。それに加えてキャラクターに付けた名前でイメージを膨らませています。

 

名前については姓名判断を参考にしたり、個人的なイメージで大体の性格を決める様にしています。

 

モデルとなる人物が決まると、後の作業が随分と楽になります。架空ではありますが、そこに人物像がある訳ですから、この人ならこんな時にどういう行動をとり、どんな台詞を言うかなんて事が、ある程度想定出来ますよね。

 

物語の中でキャラクターが勝手に動いたり話したりって、こういう風に設定すると、頭の中で本当にそういう事が起こるんです。

 

更に詳しいキャラクター作りについては、次回小説キャラクターの作り方(後編)でお話ししたいと思います。

 

 

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