R・ヒラサワの〜Novelist's brain〜

小説の創作プロセスを公開しています

(初心者必見! 小説の書き方は作品から学ぼう!)ストレスシートからの物語(2)

物語(2)

前回に引き続き、ストレスシートからの物語です。今回は第二回目です。

物語の元ネタとなっているストレスシートについてはこちら ↓

rhirasawanb.hatenablog.com

 

【CONTENTS】

 

 

責任の所在

 

ミスを他人のせいにする人』

 


「ここのネジを締めるのは、君の仕事だよね?」

「ええ、そうですが……」

「昨日お客さんに届けた製品に、そのネジが付いてなかったそうだ」

「でも私の能力では、百パーセント完璧な作業は無理だからと、貴方が抜けをチェックする為に、そのポジションに付いてもらったのでは?」

「キミ! 先輩であるボクに対して、何て口のきき方をするんだ!」

「先輩って言われても……。仕事って結果が大事なんじゃないですか? 私は上司から言われた仕事を、ちゃんとこなしている訳で……」

「な、何を言う!」

「今回の件で言うと、ミスは貴方の責任だと思いますがね。もう先輩達のやり方は時代遅れだと思いますよ」

「何だと! 私達が居たからこそ、今の君があるんじゃないのかね!」

「さあ、どうでしょう? 私は貴方達から何かを受け継いだと言う訳ではなく、最初から優れた能力を備えていたから、この会社に採用されたのです!」

「新入りのくせに生意気な!」

 言い争いが続く中、工場長がやって来た。今回のミスについて詳しく調べている様だ。争っていた者は、共にその行方を見守った。

「ああ、こいつが原因みたいだなあ。部品チェック用のロボットも、随分精度が落ちたもんだ。旧型でもそのくらいは大丈夫だと思ったんだが……。直ぐに最新型と入れ替えるとするか」

 

 

 

タイトルと書き出し

 
『責任の所在』

 工場での流れ作業など、複数の作業者が居ると何かしらトラブルになる事があります。そこには『責任』と言う言葉もよく飛び交います。

今回はオチとの関係もあって、あえてこのタイトルにしました。

 

 

「ここのネジを締めるのは、君の仕事だよね?」

「ええ、そうですが」

「昨日お客さんに届けた製品に、そのネジが付いてなかったそうだ」

この時点で、既にトラブルの予感ですね。少なくとも最初に話した人(ロボット)は、ミスの責任が自分に無い様な言い回しをしています。

しかし、わざわざ前もって誰の作業か確認しているのは、自分にも責任の可能性があると思っているからです。

 

 

ユーモアとポイント

 

仕事はイマイチだけどプライドの高い先輩と、仕事が出来る生意気な後輩と言う構図です。言葉の掛け合いは、こう言った関係性が面白いと思いますし、他にも組み合わせは色々あるでしょう。

 

ポイントは、お互いに何か欠けてる部分があって、それは双方違う場所で、なおかつ対照的なのがベストだと思います。

その組み合わせだと、ずっと言い合ってもきっと答えが出ないですよね?

 

 

 

 

爆喰い男

 『試食を爆食いする人』

 

 

「ちょっと店長。例の人、また来たんですよ」

「ああ、あの『爆喰い男』の事か……。でも試食で出してる以上、こちらとしても文句が言えないからなあ」

「だって一度も買った事無いんですよ、あの人。おまけに全商品を爆喰い! 食べるのが目的に決まってます。試食を出すの、やめちゃいけませんか?」

「他にもお客さんが居るからね。味を確かめてもらう必要があるんだ。だから試食を無しにするというのは無理だよ」

「あの人食べるだけじゃなくって、これの中身は何だとか、調理方法はどうかとか、色々聞いてくるんですよ!」

「それでも、やっぱり買わないんだろ?」

「ええ、そうです」

「うーむ、困ったもんだなあ。じゃあ説明は適当で構わないから、とっとと帰らせて、次のお客さんに力を注いでくれないかな」

「わかりました。でも、試食はどうします?」

「そうだな……。そうそう、製造過程で失敗作があっただろ。あれを男に食わせればいい」

「でもあれは材料とのバランスが崩れてますから、随分と味が落ちるんじゃ……」

「構わないさ。だって、その男は何種類も口に入れて一緒に食べるんだろう? 味なんて分かってないさ」

「そ、そうですよね! 次からそうします!」

 その後も『爆喰い男』は何度か現れた。

 そして今日もやって来て、いつもの様に試食品を爆喰いして去っていく。

 少し離れた場所で、試食を爆喰いした男が言った。

「一定期間、フランチャイズ店の調査をしてきたが、あの店舗は全くなってないな! 味は不安定だし、販売員の説明も適当で、社員教育が出来ているとは到底思えない。契約解除の方向で話を進めるとしよう!」

 

タイトルと書き出し

 

シンプルに『爆喰い男』としました。このタイプの話の場合、タイトルに情報を盛り込み過ぎると、ネタバレになる可能性が高くなると思います。

このぐらい短い方が読者の方に『一体何だろう?』と思ってもらえるのではないでしょうか。

  


ユーモアとポイント

 

『爆喰い男』がとても迷惑な存在だと、店員側に同情心が芽生えると思います。そうなると、その人への対処法もある程度までは許せる気持ちになる筈です。


対処法が酷ければ酷いほど、オチが分かった時の面白さが、ぐっと増す効果がある訳です。

 

次回は、ストレスシートからの物語(3)の公開です。

 

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