GIFT
平日の夕刻に宅配便で夫宛の荷物が届いた。送り主は妻が名を知る女。冷めかけた夫婦関係の中、真面目だった筈の夫に突如湧いた浮気の疑惑。妻はある行動に出るが……。
ショートショート『GIFT』全文はこちら↓↓↓
【CONTENTS】
- テーマからの発想
- 発想からのキーワード選出
- POINT1:タイトル
- POINT2:書き出し
- POINT3:ユーモア
- POINT4:前半のストーリー
- POINT5:展開〜オチ
- 総合的なポイント
- コラム/ショートショートのタイプ(前編)
テーマからの発想
今回のテーマは『贈り物』です。
贈り物と言えば、ストレートにお歳暮やお中元、または誕生日のプレゼントなどが思い浮かびます。
ちょっとひねりをきかせて、宅配便で何か怖いものを送ると言うような話も面白いかもしれません。
発想からのキーワード選出
プレゼント、贈答品、お中元、お歳暮、宅配便
POINT1:タイトル
タイトルは『GIFT』です。シンプルですが、実は深い意味があります。
POINT2:書き出し
見覚えのある女の名で夫あての荷物が届いたのは、火曜日の夕方の事だった。アサミはその事が無ければ、今日が何の日か気付かなかった。夫であるタツヤの誕生日だ。
冒頭から何やら怪しい雰囲気でスタートさせました。この時点で、すでに夫婦仲があまり良くないと言うことを表しています。
POINT3:ユーモア
夫にまるで興味のない妻と、そうでもない夫と言う構図で物語を描いています。
この話の展開としては、これ以降の夫に対する妻の変化してゆく対応が伏線になっているのですが、そのあたりを楽しんでいただけるのではないかと思います。
POINT4:前半のストーリー
起
宅配便で夫宛に、見覚えのある名前の女から荷物が送られてくる。
承
女からのプレゼントがネクタイだとわかるが、夫はそのネクタイを次の会議の時に付けていくと言う。妻は夫と女との浮気を疑い始める。
POINT5:展開〜オチ
転
夫に対し既に興味を無くしかけていた妻だったが、浮気相手と思しき女の出現によって、夫を奪われまいと巻き返しを図ろうとする。
結
妻の冷めつつある態度に気付いていた夫は、なんとか二人の仲を元に戻そうと、知人の女性社長と共謀し、妻に嫉妬心を抱かせるよう仕掛けた。
総合的なポイント
今回の作品でオチとも密接な関係があるのですが、この夫婦がスタート段階でどのような状態なのか、先に読者の方に伝えておく必要があります。
最初の時点であまり良くなかった夫婦関係が、更に悪化するかのような物語の進め方が必要です。それが悪い方向であればある程、オチの効果が現れる訳です。
コラム/ショートショートのタイプ(前編)
ショートショートには色々なタイプがあります。それは主に展開の部分についてなのですが、実際の物語を例にご説明したいと思います。
【一人で展開するタイプ】
主人公によって展開します。物語が現在であれば、主人公が動く事によって他の登場人物を描写する形になります。又、物語が過去であれば、主人公の回想なども含めた描写になります。視点などの問題から、場合によっては他の登場人物が描きにくく、構成を工夫する必要があります。
作品例(カメラがある時)
【二人の掛け合いが主なタイプ】
主人公を含む主要の二人によって展開するタイプです。他の登場人物は主に二人の掛け合いによって描写されます。
伏線は二人の内、一人がミスリードするパターンが書きやすいでしょう。
作品例(ハロウィンの夜)
【三人以上の人物で展開するタイプ】
主人公を含む主要の二人以上の人物が登場します。広い範囲での展開が可能な分、視点を含めた描写は、読者の方が混乱しない様、理解しやすく書く必要があります。推敲の際は、『分かりやすさ』に重点を置いた方が良いと思います。
作品例(あなろぐ)
さらに詳しい方法については、 次回、ショートショートのタイプ(後編)でお話したいと思います。
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