新生物
自分の子供ほども年齢差のある新人研究員。所長はその扱いに頭を悩ませる。その研究員は、なかなか成果が出せていなかったが、ある日偶然に世界の注目を集める程の新生物を発見するが……。
ショートショート『新生物』の全文はこちら↓↓↓
【CONTENTS】
- テーマからの発想
- 発想からのキーワード選出
- POINT1:タイトル
- POINT2:書き出し
- POINT3:ユーモア
- POINT4:前半のストーリー
- POINT5:展開〜オチ
- 総合的なポイント
- コラム/ネタの収集(前編)
テーマからの発想
テーマは前回と同じ『純情』です。今回も二作品投稿しました。
恋愛で奥手なイメージは、個人的に大人しい感じの新入社員、しかも細身の男性。何故か私はこんな人が浮かびます。
今回の作品ベースはこのイメージですが、少しアレンジしようと考えました。
かつての勤務先に入社してきた新人クンは、頭の回転も早く物知りだったのですが、周囲へのアピール方法や普段の言動によって、直ぐに敬遠される存在になりました。その新人クンの行動や言動をヒントに、新たなキャラクターを作り、登場人物としました。
それにしても新人クンは、良いネタを提供してくれたものですね。
発想からのキーワード選出
奥手、新人、プライド、ギャップ
POINT1:タイトル
タイトルは『新生物』です。これは、物語中に出てくる生き物を指していますが、他にも意味があります。
タイトルを付ける場合、通常は複数の意味を持たせています。作品全体を表す目的は勿論ですが、『タイトルは作品の一部』と考えると、その付け方にも随分と変化が出ると思います。特に『一部』といっても重要な位置ですから、それらを意識して付けるのが良いと思います。
POINT2:書き出し
「私にしてみれば、タチバナ君だって『新生物』の様なものだ」と、所長は心の中で思った。
所長である『私』と後輩、あるいは部下と思われる『タチバナ君』は、世代的に離れている、ような年齢差のある関係であると言うことがこの時点でわかります。
POINT3:ユーモア
タチバナの態度は明らかに大きくなっている。しかし、発見者は彼だ。我慢して話を聞くしかなかった。
「ど、どういう事かね?」
「この虫は特定の期間だけ食べるんですが……。ねえ所長、それっていつだと思います?」
研究員の若造は、こともあろうか所長に向かってクイズを出してきた。
若い研究員がある発見によって、態度が大きくなっていると言うだけではなく、世代的にフランクな対応してくる若い人に対する、主人公の困惑を描いています。
今回の作品は、親子ほど歳の離れた所長と研究員のやり取りを、出来るだけユーモラスに書こうと思いました。
POINT4:前半のストーリー
起
食品の原料となる植物の開発を行う研究所の所長は、自分の子供ほど歳の離れた研究員の扱いに困っていた。
承
普段からあまり成果の出せなかった研究員は、ある日偶然にもプラスチックを食べる『新生物』を発見し、その生物を増やす研究を始める。
POINT5:展開〜オチ
転
研究員がベストだと思った方法で『新生物』を増やそうとしたが、全く上手くいかない。
結
研究員の提案した方法で受精が上手くいかなかったのは、研究不足と思われたが、実は優秀な新生物も人間と同様に奥手で、求愛行動が出来なかった。
総合的なポイント
所長と研究員の年齢的なギャップと、研究者としてのベテランと新人の差と言った、それらを上手く対比させる事により、物語が面白くなります。
ストーリー的に、生意気な研究員をどうやって打ち負かすのか、またそれが失敗した場合、どういう風に読者の方を裏切るのが一番面白くなるか、という観点で色々と考えてみました。
コラム/ネタの収集(前編)
日常生活の中で、『アイデア』に至る前の小さな『カケラ』の様な物が目に止まり、そこから『アイデア』が生まれ、やがてザックリとした『ネタ』になると私は思います。
こうした『ネタ』の収集は、書く内容や書く人によって、その方法は様々だと思いますが、私は基本的に『目』や『耳』から入ってくる情報は、可能な限り集める事にしています。この時点で限定してしまうと、『偏り』が増してしまうと思うからです。
常に色んな事に興味を持ち、それを吸収してアレンジし、自分の物にする訳です。
詳しい内容は、次回『コラム/ネタの収集』でお話したいと思います。
『ショートショートの書き方』を、作家の視点で詳しく『超解説』‼
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