R・ヒラサワの〜Novelist's brain〜

小説・ショートショート書き方の基本

(解説から学ぶ小説書き方のルール)今回の作品/リポート、コラム/ブラッシュアップの手順(前編)

リポート

 

ある日、友人から誘われた『焼肉』。本来なら直ぐにでも行きたい気持ちだったが、密かにダイエットを始めていた主人公は、その返事を先延ばししながらダイエットを進めるが……。

ショートショート『リポート』の全文はこちら↓↓↓

rhirasawanb.hatenablog.com

 


【CONTENTS】

 


テーマからの発想

 
今回のテーマは『食』です。『食』と言えば、もちろん食べることが最初に浮かんできます。それは食事であったり、グルメリポートだったり、いずれにしても食べることが中心になりました。

 


発想からのキーワード選出

 
食事、食卓、グルメリポート、お弁当

食べ放題、断食、ダイエット

 

 

 

POINT1:タイトル

 
タイトルは『リポート』です。

このタイトルだと、グルメリポートなどが思い浮かぶかもしれませんが、今回は少し違います。

通常、タイトルをつけるときは、おおよその話が分かるように付けるのですが、今回は異例です。

しかし、これ以上詳しいタイトルとなると、オチとの関係上問題が出てきます。

タイトルは確かに物語全体を表すためのものなのですが、場合によってはある程度の部分にとどめ、そこから先は見せないと言うのも必要な場合があります。

 

 

 

POINT2:書き出し

 
「ねえねえ、シオリ。こんなクーポンもらったんだけど、今度食べに行かない?」

 ムツミはどこかで割引クーポンをもらったようだ。

「うん。いいけど、何のクーポンなの?」

「や・き・に・く」

「焼肉かあ……」

「あれ? シオリって焼肉嫌いだっけ?」

「そ、そうじゃないんだけど……」

 シオリの脳裏に『モコ』の事が過った。

『モコ』は、最新型の人工知能を搭載したロボットで、先月から始めたダイエットコースの重要なアイテムだ。


今回は情報開示に少し文字数を使いました。先ずは女性二人の友人としての関係性、そして主人公の現在の環境についてです。

ここでは『ロボット』がダイエットのアイテムである事までが明らかになりますが、この先にもっと重要な問題が出てきます。

今回の物語は『崩れゆく友情』がメインのお話なので、友人関係を少しずつ明らかにすると共に、それを徐々に崩すという方法をとりました。

 

 

POINT3:ユーモア

 
 しかし、恋愛の相談はムツミに出来なかった。行動を共にする事が多せいか、体型がよく似ている。互いにモテない事もあって、『男性よりも友情』と言った雰囲気が二人の間にあったからだ。

 ダイエットコースの契約は簡単だった。担当者と共に『モコ』は、連絡した翌日にやって来た。

 

仲の良い友達同士が、こじれてしまう原因として、恋愛は比較的よくある事だと思います。最も分かりやすいのは、同じ人を好きになってしまう『三角関係』ですが、恋愛以外で意気投合していた内の一方が『抜け駆け』するパターンも、友情を壊してしまいがちです。

『抜け駆け』された側の心理としては『裏切り』や『嫉妬』が多いと思うのですが、何故か裏切られた側の人は、その事実を知っているのが自分だけだという錯覚を起こしがちです。

また『自分の裏切り』は許せても『相手の裏切り』は許せないと言う身勝手な人も居る様で、今回の物語もそういった背景を交えて書いてみました。

 

POINT4:前半のストーリー

 

 



仲の良い友人から、食事の誘いを受けるが、密かにダイエットを始めていた主人公は、事実を話せずその返事に困る。

 



友人への返事は保留のまま、主人公はダイエットメニューを消化し続ける。

 

 

POINT5:展開〜オチ

 


友人に内緒にしていたダイエットだったが、実は相手もダイエットを始めていた事実を知り、裏切られたと感じる。

 


友人の裏切りがストレスとなり、結果として過食となり、最終的にダイエットに失敗してしまう。

 

 

総合的なポイント

 
女友達の友情の崩れ方や、その理由。それらに注目した作品です。いかにしてそれが崩れていくのか、また、それがどう結末につながっていくのかがポイントでした。

ダイエットを試みる女性が大勢いる中、その身近な話題で、いかに面白い展開にするか、どう意外なオチを持って来るか。

今回の作品は、アレンジを変える事で別の展開、別の物語が作りやすい構造です。ショートショートを描き始めの方は、是非チャレンジしてみて下さい。

 

 

コラム/ブラッシュアップの手順(前編)

 

小説をある程度完成に近い状態まで仕上げた後に、通常私はブラッシュアップと言う作業を行っています。

これは、文字数制限がある場合、その数の調整なども行いますが、主に作品全体のバランスや、物語としての辻褄がちゃんと合っているかどうか、また扱っているテーマやエピソードの中で、確認が必要な場合など、見直すべき部分は多くあります。


ショートショートのように、かなり短い作品であっても、間違っている内容は正さなければなりませんし、一般常識やルールなどを考えた場合、それにそぐわないものはやはり修正が必要になります。

リアリティと言う点でも、例えば異質な世界を扱っていた場合、その世界の中にも一定のルールがあります。それに照らし合わせた場合の違和感などは、取り除く必要があるのです。


様々な視点で、作者ではなく読者としての目で、もう一度作品を読み返す事はとても重要です。

通常、修正や加筆などを含め大体十回以上は読み返すようにしています。しかし、それでも誤字や脱字、辻褄が合わなかった場合などもあり、今後も精度を高める様注意しなければなりません。


具体的な方法や、作品例などについては、次回『ブラッシュアップの手順(後編)』でお話ししたいと思います。

 

 

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