ショートショート作家 R・ヒラサワの〜Novelist's brain〜

小説の書き方ブログ。ショートショート作家 R・ヒラサワが自身の作品を用いて詳しく解説。新作随時公開中!

(解説から学ぶ小説書き方ブログ)今回の作品/消去ボタン、コラム/小説はどの様に完成するのか❸(前編)【伏線とオチ編】

今回の作品/消去ボタン

真夏の昼間、ファミリーレストランの奥の席には、上下黒づくめの男が二人。周囲から浮いた存在である二人は、怪しげな装置を挟んで密談をしているようだが……。

 

 

ショートショート『消去ボタン』の全文はこちら↓↓↓

rhirasawanb.hatenablog.com


【CONTENTS】

 

 


テーマからの発想

 

今回のテーマは『話を聞かない人』です。『話し上手の聞き上手』って言いますが、一方的に話す人って、先ず相手の話を聞かない分、本人の話も繰り返しが多かったり退屈だったりと、要は相手とのコミュニケーションが上手くないイメージですね。それでいて、本人は周囲の人と上手くいっているつもりで居る。だから、知らない間に周囲から反感を買ってたり……。結局、その辺りの話になりました。

 

 

発想からのキーワード選出


お喋り、自己中心的、ボス、早とちり

 

 

 

POINT1:タイトル


タイトルは『消去ボタン』です。珍しくテーマに直結しないタイトルになりました。今回はある程度、事前にアイデアが浮かんでいた事が関係しています。

このパターンのタイトルの場合、極力早めにテーマや物語との関連性を明らかにする必要があります。

 

 

POINT2:書き出し


ファミリーレストランの一番奥にある喫煙席で、今日この場所に最もふさわしくないと思われる二人組の男が座っていた。

 初夏だと言うのに、外は既に真夏の日差しで、毎年最高気温を記録する地域では、去年の記録を塗り替えるほどの暑さだった。

 その為、世間の人々は半袖姿で過ごす中、上下黒ずくめのスーツ姿の二人は、明らかに周囲から浮いている存在だった。

 

今回は場面設定に、少し多めの文字数を使っています。これは何故でしょうか?

それは、今回の登場人物が漫画のようなキャラクターに設定してあるからです。


現実世界とかけ離れた設定の場合、まずは読者の方を、その世界に案内しなければなりません。書き出しの文章については、その設定の前準備と言う事が言えます。

 

 

 

POINT3:ユーモア

 

「ええ。それは構いませんが、今回の手柄で来月から給料上げてもらえるんでしょうね」

「給料だと? 大体、その言い方が気に入らねえな。一般企業じゃあるまいし」

 

この人達って、ギャングのような設定な訳ですね。ですから、当然のように毎月決まった『給料』の様な物がある訳ではありません。(実はあるかもしれませんが)

この後、ボスも同じ様に返す場面があるのですが、こう言ったやり取りも文章に緩急をつける要素になる訳ですね。

 

 

 

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POINT4:前半のストーリー

 

ファミリーレストランの奥の席で、怪しげな男二人が何やら打ち合わせのような事をしている。

 

 

 二人の内、子分の方が研究所の中に潜り込み、人を消す事が出来る装置を手に入れる。

 

 

 

POINT5:展開〜オチ

 

子分は手に入れた装置の説明をしようとするが、ボスは全く話を聞こうとせず、その装置をいきなり操作してしまう。

 

 

使用方法を誤ったボスが、結局その装置によって消えてしまう。

 

 

 


総合的なポイント

 

今回は全体的にコミカルな雰囲気で進めました。漫画のような世界の中の話なので、その中に出てくる装置類の設定も、自由度が増す訳です。

その中で、いかにナンセンスなエピソードを作るかが、この物語の重要な部分でした。

 

 

 

 


コラム/小説はどの様に完成するのか❸(前編【伏線とオチ編】

 


❷の『構成編』では、おおよその物語の流れを想定して、エピソードごとに配置が固定なのか移動が可能なのかを確認し、最も良い物語組立て方について考えました。

本格的な配置は、今回の『伏線』と『オチ』によって決まります。『構成』との関連も強く、とても重要な部分です。


詳しい内容については、次回コラム/小説はどのように完成するのか❸(後編)【伏線とオチ編】にてお話ししたいと思います。

 

 

 

 

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