ショートショート作家 R・ヒラサワの〜Novelist's brain〜

小説の書き方ブログ。ショートショート作家 R・ヒラサワが自身の作品を用いて詳しく解説。新作随時公開中!

(解説から学ぶ小説書き方ブログ)今回の作品/ミラクルパワーボール、コラム/作家を目指す方へ(前編)

今回の作品/ミラクルパワーボール

 

十年来の付き合いになる友人から、少し怪しい商品を紹介された主人公は、商品の事は疑いつつも、友人を信用して購入してしまう。商品を色々な方法で試すものの、全く効果が現れず、その結果友人を疑ってしまう事になるが……。

ショートショート『ミラクルパワーボール』の全文はこちら↓↓↓

rhirasawanb.hatenablog.com

 


【CONTENTS】

 

 


テーマからの発想

 


今回のテーマは『お勧めの品』です。

『お勧めの品』と言えば、勧めてくれた相手によって、その商品に対する信頼度が随分と変わってしまうものです。

別に悪い人では無いのだけれど、勧めてくれるものが、どうも頼りないと言うケースが時々あるものです。

 

 

 

発想からのキーワード選出

 


口コミ、美味しい店、ネットショッピング、健康食品、占い

 

 

 

POINT1:タイトル

 


タイトルは『ミラクルパワーボール』です。これは物語の中に出てくる、架空の商品名ですが、できるだけその効果をストレートに表現した名前にしました。

商品名からある程度、物語の内容を想像できるようにするためで、架空の商品等は特殊な名前をつけてしまうと、まるで察しがつかなくなってしまいます。

これまで、何度か触れた事がありますが、小説のタイトルはとても重要で、それは物語の一部であると言う事を意識して、名前をつけていただくのが良いと思います。

 

 

 

POINT2:書き出し

 


「これがいざっていう時に、人間が本来持っている数倍の力を出すことが出来るって言う製品なんだ」

 タナカは俺にそう言って、銀色にキラキラと光るボールを二つ手渡した。一個が掌の中にちょうど収まるサイズで、ミニチュアのミラーボールの様な製品は、効果が疑わしい美容器具を思わせた。

「これってさ、本当に力が出るんだ!」

 嘘の様な台詞を平然と吐くタナカの目は、真実に満ちていた。

 

いつものお話になりますが、登場人物ニ人の関係性と、現在この場所で何が起こっているのかという事を、できるだけ手短に書く必要があります。

 

 

 


POINT3:ユーモア

 


今回の作品でユーモア的な部分と言うと、やはり、ラストのオチの部分になります。

ショートショートの場合、基本的にラストが面白いという構造が多いのですが、それが全てという訳ではありません。作品の途中で、ユーモア的な要素を何箇所か用意する場合もあります。

今回の作品の場合、オチにユーモア的な要素が強く含まれていたので、あえて途中ではその辺を抑え目にした訳です。ラストのユーモアを強める方法はニつです。

 

❶他の部分でのユーモア的な要素を極力排除し、物語の後半で一気にオチへともってゆく。オチに強いユーモアを含める。

『ミラクルパワーボール』(今回の作品)

 


❷伏線などをうまく構成して、単純にラストのオチをインパクトを高める。

オチ以外での部分も、ユーモア的な要素を含める。

『ハロウィンの夜』など

 ショートショート『ハロウィンの夜』の全文はこちら↓↓↓

rhirasawanb.hatenablog.com

 

 

 

創作が上手く進まない……。そんな時、『もしも……』と、あてはめるだけ!

先ずは『試し読み』をどうぞ↓↓↓

 

 

POINT4:前半のストーリー

 


主人公は、真面目な友人から少し怪しげな商品を勧められる。乗り気ではなかったが、友人を信用して商品を購入する。

 


せっかく購入したので、その効果を試してみようと、主人公は色々とやってみるが、なかなか上手くいかない。

 

 

 

POINT5:展開〜オチ

 

主人公は、商品の効果があまりに出ない為、その事を友人に相談する。

 


友人から『商品の使い方が悪いのでは?』と言われた主人公は、その怒りの為に友人を殴ってしまうが、その時初めて商品の効果が現れ、友人は遥か彼方へ飛んでいってしまう。

 

 

 

総合的なポイント

 

今回の主人公と友人のやり取りは、実にシンプルです。実質、物語はそれだけで展開しています。この様なやり取りの場合、いかに主人公の心理的な変化を、読者の方が理解しやすく書くかがポイントになります。今回のオチは、主人公に感情的な変化が生まれる事によって成立する設定ですので。

 

 

 

コラム/作家を目指す方へ(前編)

 

どの時代にも、作家を目指す方は大勢いらっしゃる訳ですが、作家の世界に限らず、第一線で活躍するのはとても困難な事ですし、それを実現出来る人は、ほんの一握りです。どのレベルまでを目標とするのかは、もちろん個人差がありますし、どこまで頑張るかも個人の自由だと私は思います。

しかし、私はこれまで本格的に作家を目指したが故、実生活に支障をきたした人を身近に何人か見ています。正直なところ、これは良い事だとは思えません。

私自身も電子書籍出版後、良い編集者の方に恵まれたにも関わらず、結果を出せなかった人間です。ですから、一人でも多くの方にチャンスを掴んで欲しいと思っていますし、また方向転換を考える方には、指針となる材料を提供出来ればと思います。


 更に詳しい内容については、次回『コラム/作家を目指す方へ(後編)』にてお話ししたいと思います。

 

 

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