ショートショート作家 R・ヒラサワの〜Novelist's brain〜

小説の書き方ブログ。ショートショート作家 R・ヒラサワが自身の作品を用いて詳しく解説。新作随時公開中!

(解説から学ぶ小説書き方ブログ)今回の作品/優秀な新人、コラム/タイトルの付け方(前編)

今回の作品/優秀な新人

 

新人社員の研修担当だった主人公は、久々に手ごたえを感じた。中途採用の新人が、とても優秀だったのだ。出来るが故に湧き上がる『欲』。もっと成長して欲しいと願う先にあったものは……。

ショートショート『優秀な新人』の全文はこちら↓↓↓

rhirasawanb.hatenablog.com

 

【CONTENTS】

 

 


テーマからの発想

 
今回のテーマは『新人』です。新人と言えば、フレッシュで爽やかな印象です。特にそれが新入社員だった場合、どんな仕事も初めての事が多く、長年勤めた人達よりも何かに気付くタイミングが多かったりします。そして先輩達は、改めて『初心』の大事さを感じたりするんですよね。

 

  


発想からのキーワード選出

 
新入社員、フレッシュ、気付き、初心

 

 

 

POINT1:タイトル

 
タイトルは『優秀な新人』です。

既にオチを知っている方は、このタイトルが少し皮肉ったものであると、気付かれた事でしょう。この様にタイトルをつける際の手法として、同じ言葉を使って二つの意味を持たせるのは、よくある事です。そして多くの場合、それは物語の書き出しからスタートしていた意味が、オチの間近まで引っ張られて、最後に別の意味へと変わる。このパターンが定番でしょう。

 

 

 

POINT2:書き出し

 
ーそれにしても、今年の新人は優秀だなー

 新人社員の研修を進めていたナカニシは思った。自分との年齢差が開くほど、やりにくさを感じていた研修だったが、今回は少し事情が違っていた。期待できる新人がやって来たのだ。 


ここまでの段階で、主人公の立場や周辺の環境、その辺りが明らかになります。そして、これまでの簡単な経緯と主人公の心情など、可能な限り情報を明らかにします。

 

 

POINT3:ユーモア 

 

今回は作中に、あまりユーモア的な要素は入れていません。これはオチにも関係があるのですが、製造会社での真面目なやり取りの中に起きてくる問題。これが作品の主題である為、こういう流れにしました。

 

 

 

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POINT4:前半のストーリー

 


製造会社で新入社員の研修を担当していた主人公は、久々に手ごたえのある新人が入社して来たので、その事をとても喜んでいた。

 

  

新人は順調に成長していたが、それが優秀なだけに欲が生まれ、主人公は更なるステップアップを望むようになっていった。

 

 

  

POINT5:展開〜オチ

 


主人公は指導目的で、新人が居る検査工程に不良品を混入させ、それを発見出来るか試したが、結果それを見逃していた。

 



主人公が指導目的で、不良品を混入させたと言うのは口実で、上手く製品を抜き取ってネット販売するのが目的だった。優秀な新人はそれに気付き、工場長に報告する。

 


総合的なポイント 


今回の作品は、いかに上手くミスリードしながら、オチに向かうかがポイントです。主人公と新人は、あくまで真面目なやりとりを続け、新人の教育現場を描き続けます。そして急な展開。ギリギリまで主人公の視点で書き進めたのは、その効果にも関係するものです。

 

 

 

コラム/タイトルの付け方

 

小説に限らず、タイトルを必要とする文章は、それがとても大事です。

私が電子書籍を出版する以前に、いくつかの文芸誌に応募した事があったのですが、初めて雑誌に掲載された入選作のタイトルを、審査員の作家さんにとても褒めていただき、以降の作品もタイトルをとても意識して書くようになりました。

『タイトルが浮かばない』『無題にした』との話を耳にする事があります。『浮かばない』場合は、作品を読み返して『テーマ』や『伝えたかった事』などを、もう一度考えられた方が良いでしょう。

そして『無題』ですが、特殊な作品に対し『無題』という名のタイトルがベストだったと言う場合であれば、それもありかと思います。

 これまで私がブログ上で発表した作品の中で、特にタイトルに特徴のあったものについて、次回『タイトルの付け方』(後編)にてお話ししたいと思います。

 

 

 

 

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