R・ヒラサワの〜Novelist's brain〜

小説・ショートショートの書き方ブログ

(『再会』がテーマの作品例/ネット講座から生まれた物語)新作ショートショート(8)/青い目の人

ネット講座から生まれた物語

 

【CONTENTS】

 

 

 

今回の執筆について 


前回のネット講座❶〜❹にて、読者の方に向け、テーマと共に執筆のご案内を進めた訳ですが、一回遅れで私自身もテーマを決めて課題に取り組みました。

講座❶更新直後、テーマを選んで書き始めたので、正直なところ大変でした。

『100記事達成』の五月十二日からテーマをもとにアイデアを練り始め、実際の執筆作業は、ネット講座❷を更新した五月十五日からになります。

スタートから完成まで約二週間、そのうち執筆期間は十日間とちょっとで、今回のペースは通常より少し早い方で、長い時は全体で約1ヵ月ほどかかる事もあります。

 

今回一番苦労したのは、❶の『アイデア』から❷の『構成』あたりに進んだ段階で、その後に『伏線』の要素を加えると、大きく話が変わる事がある為です。

しかし、今回は『アイデア』も『構成』も既にブログの方で公表している為、出来るだけその流れに合った物語を考える必要がありました。

普段はこれらの作業を全て頭の中で処理しているため、実際どこかに書き出したりと言う事は殆どありません。実質的な作業としては、思いついたところや書けるところから少しずつ進めていくと言う感じです。

 

小説を書き始めたけれど上手く書けない、又はこれから小説を書いてみたいと言う方は、これまでのネット講習❶から❹と、今回出来上がった物語を順番に読んでいただけると、色々と参考になる部分があるのではないかと思います。

 

 

 

作品の元になったネット講座 

 

rhirasawanb.hatenablog.com

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★★★【以降ショートショート作品】★★★

 

 

新作ショートショート(8)/テーマ(再会)

 

 

青い目の人

 

  

 ミキコは十二月生まれだった。誕生月と言えば、外は冬の冷たい風が吹き、ただでさえ人恋しくなる時期だ。

 恋人もいないと言うのに、クリスマスはやって来るし、その数日後には自分の誕生日が待っている。その事が、焦る気持ちに追い討ちをかけているのは言うまでもない。誕生日が来れば、ミキコは三十歳だ。二十代でいられる日は、あと一ヶ月ほどしか残っていなかった。

「やはり行動を起こすべきだわ」

 ミキコは思った。待っていても幸せは向こうからやって来ない。自分から掴みに行くしかないだろう。

 ミキコは街に出る事にした。メイクはいつもより、少しナチュラルにしておいた。これまでのものより、もっと自然な方がいいと思ったのだ。

 ミキコもこれまでの人生で、それなりに良い恋愛はしてきたつもりだ。楽しい時期もある程度あって、中には真剣に結婚を考えた相手もいた。しかし実らなかった。いつもあと少しのところで上手くいかなくなる。それには一つ大きな問題があった。それは、常に相手には恋人が居たと言う事だ。

ー他人のものが欲しくなるー

 ミキコの中に潜んでいる、静かな思いなのかもしれないが、フリーの男性以上に魅力を感じるのは確かだった。

 最近では『ときめき』も随分と減ったと思う。年齢のせいにしたくはないけれど、少なくとも要因の一つであるのは間違いないだろう。

「そう言えば……」

 二年ほど前に『ときめき』らしい感情を持った事があった。偶然出会った『青い目』の男性だ。

 今にして思うと、少しの恋愛感情があったのかもしれないが、その時のミキコにとって、相手は真面目すぎたのだ。

 その男性の『青い目』とは、外国人の様に瞳が青いのではなく、澄んだ青い目の事だ。

 当時のミキコと言えば、今より少し生活が荒れていた。出会ったのは、そのお陰もあったのだが、もうその男性と会う事はないだろう。そう、会ってはいけない相手なのだから。

 ミキコは最近、職場での環境も良くなかった。新しい上司とウマが合わない。それが原因で同僚とも不仲になってしまった。ストレスは結局、仕事の成果にも影響を及ぼし、ミスも増えた。全てが悪い循環をし始めている。

ー今度こそはー

 ミキコのストレス解消法は、街に出る事だった。今日こそ狙った相手を見つけるのだ。ミキコは大きな期待と共に、胸が弾む思いがした。

 視線の先には、スラリとした長身の男性がいた。勇気を出して近付いてゆく。

 男性とすれ違いざま、ミキコの肩が相手に触れた。

「ごめんなさい」

 その言葉をミキコが口にした直後、別の男性に腕を掴まれた。

「一緒に来てもらえますか」

 腕を掴んだ男性に連れられ、特別な部屋へと入った。ここに来るのは二度目だった。奥には見覚えのある『青い目』の男性が座っていた。

 ミキコを見たのは、相変わらず澄んだ綺麗な目だった。

「またキミか。もうやめたんじゃ……」

 スリの現行犯。二年前は初犯で実刑には至らなかった。鉄道警察隊である青い目の男性は、ミキコの事を覚えていた。

 家を出る時には間違いなく、異性との出会いを求めていた筈だ。しかし、街を歩くにつれ、思い出す職場のストレス。今年に至っては恋人の居ない焦りの方が大きかった。

 挙げ句の果てには、周囲の男性達は、自分に興味が無いのでは、という被害妄想まで湧き上がり、気付けば犯行に及んでいた。

 ミキコが自分なりの動機を話すと、青い目の男性は時折、深く頷いた。

「今度は実刑かもしれないね……」

 残念そうにミキコを見た時の目も、やはり青く澄んでいた。

 一通りの手続きが終わった後、ミキコは少し冷静になって考えてみた。

「もう人の物は奪ったりしない。次こそは、この人の様に真面目に生きなければ」

 そう思いながら『青い目』を見つめていた視線を少し落とすと、その左手に指輪は無かった。

 ミキコは思った。次はこの『青い目の男性』の心を奪うのだと。

 

 

 

 

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