ショートショート作家 R・ヒラサワの〜Novelist's brain〜

小説の書き方ブログ。ショートショート作家 R・ヒラサワが自身の作品を用いて詳しく解説。新作随時公開中!

(解説から学ぶ小説書き方ブログ)今回の作品/サンタが来ない日、コラム/伏線の張り方(前編)

今回の作品/サンタが来ない日

 

 

クリスマス・イブの朝、プレゼントを楽しみにしていた娘の靴下の中には何も入っていなかった。主人公である父が、買っておいたプレゼントを置き忘れてきたのだ。

悲しそうに訴える娘。その怒りの矛先はやがて父へと向かい、気付けば話は意外な方向に向かってしまう……。

 

 

ショートショート『サンタが来ない日』の全文はこちら↓↓↓

rhirasawanb.hatenablog.com

 


【CONTENTS】

 

 

 

おかげ様で一周年

 

当ブログ『Novelist's brain』は、本日6月2日でちょうど1年となりました。

読者の皆様、ブログを読んでいただいたり、スターをつけていただいたり、ブックマークしてくださったり、コメントをいただいたりと、本当にありがとうございます。

1年前の開設日の2週間前に突然ブログを始めようと思い、右も左もわからないまま、先輩ブロガーさんの記事を参考に、スタートした訳ですが、何とか無事にこの日を迎える事が出来ました。

開設時からのテーマとして、主に小説を書き始めたばかりの方に向け、自身の作品を用いて小説の書き方に関する解説等、参考にしていただけそうな記事を、これからも書き続けたいと思いますので、今後ともどうぞよろしくお願い致します。

R・ヒラサワ

 


テーマからの発想

 

今回のテーマは『クリスマス』です。

クリスマスと言えば、サンタにトナカイ、それにプレゼント。随分とオーソドックスな発想しか出来ていませんが、今回はオチでそれをカバーしようと考えました。要は『意外な結末』ですね。ショートショート作品には、こう言うパターンはよくあるのですが、読者の方々の反応が楽しみなものです。

 

 

 

発想からのキーワード選出


サンタ、トナカイ、プレゼント、ケーキ

 

 

 

POINT1:タイトル


タイトルは『サンタが来ない日』です。

このタイトルを見た時、読者の方はどう思うでしょうか? サンタが出て来てますから、当然クリスマス前後の話ですよね。そして『なぜサンタが来ない』のだろう? そうです。タイトルでこの疑問を抱えたままスタートして欲しかったのです。

 

 

 

POINT2:書き出し

 

「ねえ、パパ。サンタさんは来ないの?」

 今年で五歳になる娘のアミが、朝から困った様子で私に尋ねてきた。こんな時の表情も、目元が私に似てとても可愛い。最近は大人の様に見える時があり、サンタを信じているかさえも疑わしく思う。

「うーん、それは……」

 私は困った。娘へのプレゼントを、行きつけのスナックに置き忘れてきたのだ。

 

主人公と娘の関係や物語の時期など、出来る限り情報を早く伝えます。

そして、娘を溺愛しているであろう事も伝え、更に『サンタを信じているかさえも疑わしく思う』は、さりげなく『伏線』となっています。

 

 

 

創作が上手く進まない……。そんな時、『もしも……』と、あてはめるだけ!

先ずは『試し読み』をどうぞ↓↓↓

 

 

POINT3:ユーモア

 

 再びママからメールが来たが、その申し出は全力で断わった。本来は今朝、娘の用意した大きな靴下の中にある筈のプレゼントを、昼間に厚化粧をした怪しい女が届けに来たら、娘は混乱するに違いない。妻への説明となると更に困難だ。

 

『主人公』と『娘』や『妻』との力関係や、主人公の普段の行動など、誰に対しても頭が上がらず、それでいていい加減な性格は、キャラクターとしてのユーモアを備えています。

これらも『伏線』の一種で、後に起こる問題など、少々設定的にいい加減な部分があるのですが、それらを物語として成立させる効果を持っています。

 

 

 

POINT4:前半のストーリー

 

クリスマス・イヴの朝、ツリーに下げた靴下にプレゼントが入っておらず、我が家にはサンタが来ないのかと、主人公に娘が訴えてきた。

 

クリスマス・イヴの前夜、会社の上司との飲み会の際、買っておいたプレゼントをスナックに置き忘れて来たが、妻には居酒屋に居たと説明していた為、後の対処に困っていた。

 

 

 

POINT5:展開〜オチ


サンタが来なかったのは、煙突を掃除しなかったからだと、娘は主人公を攻め出す。しかし、煙突など無いと主人公は返す。

 

実はプレゼントは毎年、主人公の弟がサンタの扮装で煙突から運んでいたが、二年前に誤って煙突内で事故死させており、事実を全て隠ぺいし、煙突や暖炉も使えなくしていた。

 

 

 

総合的なポイント


かわいい娘と、それを溺愛する主人公。この構図のまま、物語はどんどん先へと進み、その印象が強ければ強いほど、今回のオチは効果的になります。

この物語は、コンテストの応募用ではなかった為、創作の元になったのは『サンタさんは来ないの』という一言からです。ここからテーマをクリスマスと決め、徐々に構成を練っていきました。


創作期間は他の作品に比べ長い方になります。その間に修正なども数回繰り返し、個人的にはうまく構成できた方だと感じていて、読者の方からのコメントも多くいただける作品となりました。ショートショートはとても短い物語ですが、作品は出来る限り作り込んだ方が、良い結果に繋がると思います。


コンテストなどでは締切りがある為、創作に費やせる期間が限られてしまいます。その対処法として、日頃から途中まででも良いので、作品のストックを持たれる事をお勧めします。それによって、結果的に長い創作期間を設けたのと、同じ状態に出来るからです。

 

 

 

 コラム/伏線の張り方(前編)


伏線は大きく分けて二種類存在します。一つ目は、その物語のメインとなるオチに対する伏線で、基本的に作中に一つです。

そしてもう一つは、その物語の構成上、様々な仕掛けとして存在する伏線で、こちらは作中に複数存在する場合があります。

二つの伏線の違いや、それらを仕掛ける方法等についての、更に詳しいお話については、次回コラム/伏線の貼り方(後編)にてご説明したいと思います。

 

 

 

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