コラム/気になるタイトル(後編)
【CONTENTS】
マイナスワードから入るタイトル
『帰れない』
(初心者必見! 小説の書き方のルール)番外編/投稿済み作品集(1) - R・ヒラサワの〜Novelist's brain〜
『家』という言葉は入っていませんが、ストレートに考えると『誰かが何処かに帰れない』と言うイメージが湧きます。例えば、このイメージが一般的なもので、オチが意外なものであった場合、この先行するイメージ自体が『ミスリード』となります。
『サンタが来ない日』
(初心者必見! 小説の書き方は作品から学ぼう!)新作ショートショート(2)/サンタが来ない日 - R・ヒラサワの〜Novelist's brain〜
子供目線で考えた場合、本来『サンタは来る』のが正常な状態で、今回は『来ない』訳です。そうすると、読者の方には『何故?』というイメージが先行して出来上がりますよね。この物語の場合ミスリードとして、途中に答えらしきエピソードを挟んでいますが、勿論これは正解ではありません。『オチ』で再び『裏切る』事でショートショートは面白くなる訳ですね。
【このタイプで気になったタイトルの本】
ざんねんな収納
5つの項目に分けて収納について解説。
多くの事例を挙げて、苦手な人でも収納出来る様にとの内容なのですが、『ざんねんな』とのフレーズが、読者に興味を湧かせます。
分かり易いワードを含むタイトル
『ハロウィンの夜』
(初心者必見! 小説の書き方のルール)番外編/創作プロセス公開済み作品集(1) - R・ヒラサワの〜Novelist's brain〜
『ハロウィン』と聞けば、誰しもある程度のイメージがあると思いますが、その先が何もありません。この場合、物語のスタート地点は、あえて離れた所からの方が効果的で、今回の場合は『事件現場』からです。そして、徐々にハロウィンの夜に何があったか明らかになってゆき、やがてオチへと展開する訳です。
『カメラがある時』
(初心者必見! 小説の書き方のルール)番外編/創作プロセス公開済み作品集(4) - R・ヒラサワの〜Novelist's brain〜
『ビデオ』か『スチル』、『デジタル』か『銀塩』、どのようなタイプか分かりませんが、とにかく『カメラ』があるんですね。そして、そこにカメラがあると、一体何が起こるのか?
物語は主人公の妙な語り口から始まり、読者の方の最初の疑問は、その後も延々と続いてゆき、やがてオチへと展開します。
【このタイプで気になったタイトルの本】
ねこのおみやげ〜サクラというねこのお話〜
女優の『杉本彩さん』原作の『サクラ』というネコとのお話です。色々と考えさせられる深い内容ですが、『おみやげ』というフレーズに興味が惹かれます。
意外な組合せのタイトル
『落とし物の使い方』
( 小説の書き方は作品から学ぼう!)小説投稿サイト時空モノガタリ未発表作品(8)/落し物の使い方 - R・ヒラサワの〜Novelist's brain〜
『落とし物』を拾った場合『届ける』べきで、決して『使う』という行為は、いけない事ですよね。しかし、ここでは使います。こう書く事によって、読者の方は、一体何をどういう風に使うのだろうか、と言う疑問を抱きます。
そして、『ああ、色々と使っちゃってるよ』と思ったら先に、オチが待っている訳ですね。
『美人妻の憂鬱』
(初心者必見! 小説の書き方は作品から学ぼう!)新作ショートショート(1)/美人妻の憂鬱 - R・ヒラサワの〜Novelist's brain〜
『美人妻』と聞くと、ご主人には愛され、周囲の男性達からは、チヤホヤされながら、何処かに出かけた時でも、何やらいいことがありそうな、そんなイメージを抱いてしまいます。ところが、この物語では、何故か憂鬱になっています。『何故この人は憂鬱なんだろう?』そんな疑問が湧く筈です。
そして今回も、『美人も色々苦労する事があるんだな』と言う流れがあって、その先にオチが待っている訳です。
【このタイプで気になったタイトルの本】
本当の自由を手に入れる お金の大学
『貯める、稼ぐ、増やす、守る、使う』というお金との付き合いで最も大事な5つの力についてのガイドブックなのですが、『大学』というフレーズがイイですね。
この5つって、基本であり分かっている筈なのですが、なかなか上手くいかないですよね。常々、そんな思いがあるから興味が惹かれる訳ですよ。
R・ヒラサワの本
kindle unlimitedで1日に1000頁以上読まれた人気の指南書です。
そして最後に
今回は特にショートショート作品の方で、『タイトル』と『本文』の関係性を説明させていただきました。以前にも書かせていただいたのですが、タイトルは作品の一部です。そして、とても重要な役割を持っています。
ショートショート作品のように、文字数が限られたタイプの小説の場合は、特に上手くタイトルを考えて、作品に活かしていただくのが良いと思います。
次回は、ショートショート『さじ加減』の創作プロセス公開です。
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