今回の作品/拳銃をどうぞ
新年、明けましておめでとうございます。2021年最初の記事となります。
本年も当ブログ『R・ヒラサワの~Novelist's brain~』を、どうぞよろしくお願いいたします。
ギャンブルが原因で膨れ上がった『借金』。それを返すための手段として、主人公の男が選んだのは『銀行強盗』だった。練りに練った計画の末、押し入った信用金庫で待ち受けていたものは……。
ショートショート『拳銃をどうぞ』の全文はこちら↓↓↓
【CONTENTS】
- テーマからの発想
- 発想からのキーワード選出
- POINT1:タイトル
- POINT2:書き出し
- POINT3:ユーモア
- POINT4:前半のストーリー
- POINT5:展開〜オチ
- 総合的なポイント
- コラム/余計な文章(前編)
テーマからの発想
テーマは『銀行』です。『銀行』と言えば、やはりネタ的には『銀行強盗』になってしまいますかね。これは単純に展開の範囲が広いと言う事なのですが、この場合はいかに過去に無い様な作品を書けるかがポイントになってきます。
反対に展開の範囲が狭いと思われるネタの場合、どうやってそこから上手く展開をさせるか。いずれの場合も、常にチャレンジ精神が必要なのだと言うことですね。
発想からのキーワード選出
銀行強盗、貯金、融資、ローン、返済、転勤、信用金庫
POINT1:タイトル
タイトルは『拳銃をどうぞ』です。私がブログ上で公開した作品の中では、比較的インパクトの強いタイトルの作品になります。
タイトルにおける『インパクト』は個人的に強い方が好きですが、単にそれが強ければ良いというものではなく、作品にマッチし、オチに対する重要な役割を果たさなくてはならないのです。
POINT2:書き出し
ー拳銃をどうぞー
確かに目の前の銀行員の男は、そう言った。オレの聞き間違いではない筈だ。キリリとした目は、とても冗談を言っている時のそれではなかった。歯切れのいい口調は、この場において、むしろ不気味でさえあった。
銀行強盗に入った主人公に対して、行員が『拳銃をどうぞ』と、武器を差し出してくる。先ずは異常な世界からの出発です。その後、主人公は今回の計画や銀行側が意図しているであろう様々な事について思いを巡らせます。突然の出来事に対して、主人公の思考がついていかない状況を表現している訳ですね。
POINT3:ユーモア
『三十日間金利ゼロには絶対乗るな』と言うのは、過去に失敗を重ねた先輩達から、代々受け継がれるアドバイスの言葉だった。
半分の十五日、いや十日ほどで返すつもりだった。新たに触れた『無人契約機』は、余計な説教などせず、黙ってオレに金を貸してくれた。
強盗を企てる人の心理は実際には分かりませんが、何かしらお金に困るエピソードがある筈で、今回はギャンブルがその原因であるとの設定です。この設定は比較的オーソドックスで、過去の事件でも動機になっている場合が多いのも事実ですね。
ユーモアと言う点で、今回はあえて先輩からのアドバイスをエピソードとして入れています。
kindle unlimitedで1日に1000頁以上読まれた人気の指南書です。
POINT4:前半のストーリー
起
主人公が強盗目的で銀行に押し入ると、行員から『どうぞ』と、拳銃をわたされる。
承
主人公は何が起こったか把握出来ず、とりあえずこれまでの企てについて、頭の中で整理しようとした。
POINT5:展開〜オチ
転
行員から拳銃を渡された理由について考えを巡らせたが、ついに答えが見つけ出せず、ストレートに行員に尋ねてみた。
結
押し入った銀行は経営状態が悪く、何とか預金者を呼び戻すための対策として近所の大手銀行が襲われて信用がなくなることを望んでいた。
総合的なポイント
今回の作品はオチに至るまで、ほとんど主人公の思考がメインになっています。この様な書き方をする場合、思考の巡る道中でいかに多くのエピソードやユーモアを盛り込めるかがポイントとなります。しかし、その場合にあまり不自然な話の流れになってしまうと、『違和感』や『間延び』のイメージが強くなってしまうので、注意が必要です。
コラム/余計な文章(前編)
小説において、全ての文章が必要と言う訳ではなく、中には不要と言うか、要するに『省略できる文章』も存在する訳です。実際の作品を用いて、どの様な場合に必要で、どのような場合に不要なのかを、次回の『コラム/余計な文章(後編)』にてお話ししたいと思います。
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