ショートショート作家 R・ヒラサワの〜Novelist's brain〜

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(小説での『夢』の扱い方)番外編/『夢』の話

番外編/『夢』の話

 

 

ショートショートの『オチ』として避けるべく『夢』。扱い方はデリケートですが、使い方によって大きな『武器』にもなり得ます。今回は、そんな『夢』についてのお話です。

 

 

【CONTENTS】

 

 

 『オチ』には使えない

 

小説の世界で『夢』は、その扱いが少しデリケートです。ショートショートなどでは『オチに使わない』言うのが一般的で、要するに作中で起こった様々な出来事の原因が『夢だった』と言う事にしてしまうと、簡単に解決できる『魔法のツール』だからです。これを使ってしまうと、大抵の読者はシラケてしまうのです。

 


一般的に『ご都合主義』と言われるのは、作者が思う様な都合の良い方向に流れを持ってゆく事で、『夢』の場合は既に他界した人が当たり前の様に登場していても違和感がなかったりと、実際にあり得ない事がまかり通ってしまう世界なので、やはり『オチ』には使えないのですね。

 

 

 

『夢』は小説に使えないのか

 

では、小説の中で『夢』を扱ってはいけないのかと言うと、そうではありません。『オチ』に使わなければいいのですから。もっと言うと、それは使いようによってはとても便利なアイテムになり得るのです。

 

 

 

『アイデア』の原点

 

小説を書くとき、なかなかアイデアが出ない時があります。普段同じ様な生活パターンで、ルーティン的な事を繰り返していると、なかなか突拍子もない事を思いつきません。しかし、その可能性は『夢』には大いにあるのです。ですから、夢で得た事をヒントに その世界を広げ、物語を作る。時としてとても面白い作品に繋がります。

 

 

『夢』の記録

 

朝、目が覚めた時に覚えていた夢でも、時間と共にその記憶は薄れ、場合によっては一瞬で忘れてしまう事もあります。私の場合、以前であれば枕元辺りに常時メモとボールペンを置いていました。現在はそれに変わってスマートフォンがあります。メモ機能を使って直ぐに書き留めたり、音声入力を使ったりと、とにかくいいネタは必ず残す様にしています。私の経験上、一度忘れたネタを再び思い出す可能性は殆どゼロに近いものでしたので、是非とも『記録』出来る環境を用意される事をお勧めします。

 

 

 

『最近』の夢

 

私が最近見た夢です。『夢』は実際のところ毎日見ているのかもしれませんが、起きた時にはっきりと覚えていた事が最近少なかったので、今回のお話の夢は印象的で、また内容にとてもインパクトがあったので、先々『ネタ』にする予定です。

さて、それはどんな話しか? 果たして『ネタ』になり得るのか?

 

 

 

『夢』の内容

 

その日は普段よりも一時間程度早起きする日でした。前日の仕事もそれなりに遅かったので、寝付きはあまり良くありませんでした。そして当日、起きる時間よりもずっと早い早朝から何度も目覚め、結局本来起きる時間まで四回も目覚めてしまいました。

眠りが浅かったのかもしれません。

 

『夢』の話です。

オフィス街の一角に、ちょっとした公園の様なスペースがあって、なぜか私はそこで手に『缶詰』を持っています。近くに居るのは私の知人なのですが、何故かそれが人気芸人さんで、しかも大御所の方です。

『缶詰』は薄いのですが異常に長く、ちょうど『ウナギの蒲焼』が入るぐらいの大きさ。開けると中には透明の液体があって、これはどうやら『スープ』らしいのです。具材は少なく、貝の身の様なものと他に……。

私は一般的な食べ物なら、殆ど好き嫌いがありません。しかし、あまりグロテスクな物や、姿がはっきりし過ぎたものは苦手なのです。

中には『ゴカイ』の様な生き物が入っていて、泳いでいます。先ずはそれを思い切って口の中へ。全く味はしませんでした。

缶詰の端の方には、『岩』のミニチュアの様なものと、『藻』まであって、今度は『亀』が泳いで来ました。名前は分かりませんが気性が荒そうなそれを『食べる』って事らしいのですが……。

『亀』と一瞬目が合いました。直ぐに『食べない』と言う選択肢になりました。日本には居なそうな亀を、『生態系』が崩れるのではとの不安を抱えたまま、逃がす事にしたのです。その公園の様な場所にある、とても小さな池に。そんな所に逃がして、亀がその先、生きていけるのどうかわかりませんが、とにかく逃がしました。

亀は私を一瞬見て、そのまま泳いで行きました。『ありがとう』と言った気持ちは微塵も無かったようですが。

あの『缶詰』は一体何だったのか? そして『スープ』は? この夢の意味は? 様々な疑問を抱えたまま、私の頭を過ったのは『この夢のオチは?』でした。職業病でしょうかね? それは目覚める直前にやって来ました。

それまで静かに私の行動を見守っていた、何故か私の知人と言う設定である大御所の芸人さんが一言。

『よう、あんなもん食うとるな!』

 

 

 

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