ショートショート作家 R・ヒラサワの〜Novelist's brain〜

ショートショート作家 R・ヒラサワが多方面から小説の書き方を解説。新作随時公開中!

(小説家になりたいと思う人の書き方・手法)コラム/ショートショート・オチの作り方(後編)

コラム/ショートショート・オチの作り方(後編)

 


ショートショート作品で『オチ』を作る場合、『面白い結果』である事は勿論ですが、先ずは物語に対する『結果』がベストなのかと言う事に加え、『見せ方』は最高の状態になっているかが重要です。少なくとも『公開時』にはご自身の中で『最高の状態』に仕上げなくてはなりません。

 
矢印(⬆️)は主人公の状況や気分の状態を表しています。

基本的には、下げ・下げ、上げ・上げ、大下げです。


【ご注意!】

以降の解説には『オチ』の『ネタバレ』を含んだ箇所があります。まだ作品を読んでいない方、本来のショートショートとして楽しみたい方は、先にリンク先『全文』をお読みになられる事を、お勧めします。

 

【CONTENTS】

 

 


狙いとは逆の効果【空振りバット】

 

この物語は、主人公が高校生時代に同級生に抱いていた『劣等感』を、社会人になって再会した時にまで感じる事になり、なんとか立場を逆転させようと企てるお話です。

ショートショート『空振りバット』の全文はこちら↓↓↓

rhirasawanb.hatenablog.com

 

 
❶【何でも出来る同級生に感じる劣等感】

   ↓ ⬇️

❷【社会人になって再び感じる劣等感】

   ↓ ⬇️⬇️

❸【同級生の失敗を誘発する企て】

   ↓ ⬆️

❹【企ての一時的な成功】

   ↓ ⬆️⬆️

❺【企てが仇となり更なる劣等感】

      ⬇️⬇️⬇️

 

❶❷

主人公の同級生に対する劣等感は、社会人になって薄れるかと思いきや、再び感じる事によって、より強いものになります。

 

❸❹
細工したバットの企てで、主人公の気持ちが上昇し始め、その成功によって最高の状態を迎えます。

 


オチで再び底辺に下降しますが、これまでの事が加わって、

【最高→最低】の流れが出来るのです。

 

 

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他者による意志の誘導【秘密】


この物語は、四十半ばの主人公が忘年会で急接近した事務員と不倫関係になり、やがて本妻との別れを決意するお話です。

ショートショート『秘密』の全文はこちら↓↓↓

rhirasawanb.hatenablog.com

 
❶【半年前に入社した事務員と急接近し、やがて不倫関係になる】

   ↓ ⬇️

❷【本妻とは結婚して十五年経っており、既に倦怠期を迎えている】

   ↓ ⬇️⬇️

❸【事務員も夫との関係が良くない事を聞かされる】

   ↓ ⬆️

❹【主人公は事務員に心を奪われ、本妻との別れを決意。離婚を切し、無事に成立】

   ↓ ⬆️⬆️

❺【本妻と離婚後、事務員との関係を続けるが、その後破局となる。事務員は本妻が依頼した『別れさせ屋』だった】

      ⬇️⬇️⬇️

 

この作品での矢印は、主人公と本妻の関係を表していますが、背景に『事務員』の存在が加わっています。

 

❶❷

事務員の出現により、本妻との関係の悪さが目立ち始め、より気持ちが動き始める事によって、夫婦間の倦怠期を強く意識する事になります。

 


不倫相手だった事務員も、夫との関係が良くない事を聞き、互いに別れる方向性が視野に入ってくる事で、気持ちが上昇し始めます。

 


そして、主人公にとっての最難関である本妻との離婚話が、思いの外スムーズに成立する事で、気分が最高の状態に達します。

 

事務員がいずれ離婚すると期待して、本格的に交際を始めた主人公は、結果的に事務員とも破局になり、全て失う事で

【最高→最低】の流れが出来るのです。

 

 

推測と異なる背景【ゼロ円サービス】

 

この物語は、主人公の元に届いた案内葉書の通り、無料サービスを受けに行きますが、その間ずっと怪しげな勧誘を受けるのではと疑いますが、結局なにも問題なく家に帰る事が出来た、と言うお話です。

ショートショート『秘密』の全文はこちら↓↓↓

rhirasawanb.hatenablog.com

 


❶【主人公の元に無料サービスの案内葉書が届く】

   ↓ ⬇️

❷【慎重な主人公が妻に相談すると、行く事を促す返答】

   ↓ ⬇️⬇️

❸【実際にサービスを受けながら質問を繰り返すが、本当に無料なのだと納得する】

   ↓ ⬆️

❹【無料である事に安心し、主人公は気に入った担当者に、日頃の愚痴を聞いてもらう】

   ↓ ⬆️⬆️

❺【主人公には内緒だったが、実は妻が申し込んだ新手の『愚痴聞きサービス』だった】

      ⬇️⬇️⬇️

 

この作品での矢印は、主人公の『無料サービス』に対する不信感を表しています。


❶❷

疑り深い主人公は妻に相談し、サービスを受ける事を促されますが、不信感は増すばかりです。


サービスを受ける最中、何度も繰り返す質問に答える担当者を見て、『無料』である事を徐々に信頼し始めます。


無料である事をすっかり信じた主人公は、担当者に好感を持ち、安心感から日頃の愚痴まで聞いてもらい、信頼・気分共に、最高の位置に達します。


主人公にとっては最高の気分でお話は終わりますが、これは妻が依頼した新手の『愚痴聞きサービス』だったので、いわゆるショートショートのオチとしては

【最高→最低】

と言う流れになります。

 

 

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そして最後に

 

ショートショートのオチは、落差をつけるのに単に上げてから下げるではなく、

一旦下げて、最高の位置まで上げて、最低の位置まで下げる。この構成が確立された時に最高の面白さを発揮出来るのです。

 

 

次回は、ショートショート『安全装置』の創作プロセス公開です。

 

 

 

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