2021.07.06付けで発売となったショートショート作品集『美人妻の憂鬱』ですが、当初の予定をかなり下回る販売状況であった為、表紙の改善を行いました。
今回は、その改善内容と効果についてお話ししたいと思います。
【CONTENTS】
出版の準備
今回発売した書籍の一冊前、つまり三冊目にあたる『作家脳Vol.3』から丁度一ヶ月後ぐらいに作品集を発売しようと考えたのは、発売の三週間ほど前の事でした。
推敲や編集作業は急ピッチで行いましたが、これらの作業の中で『推敲』は指南書と作品集にあまり差が無いのですが、『編集』や『構成』は随分と簡単になります。
作品自体は内容を変更しないので『編集』の必要がありませんし、『構成』も作品の掲載順を入れ替えるだけなので、三週間と言う短い期間でも可能になるのです。
（指南書は原稿が出来上がっている状態で、編集等に約二カ月を要します）
表紙の問題
実は一点だけ問題があって、それは『表紙』の問題でした。作品集のタイトルは『美人妻の憂鬱』に早い段階から決まっていて、その理由はしばらく前に『Twitterで読めるショートショート』としてSNSで公開していたので認知度が高いと言う事と、タイトル的にも『面白い』と思ったからです。しかし、これは後に検索した時、同名タイトルでアダルトっぽいのがあって、少々困る事になったのですが……。
話を元に戻しますが、結局のところタイトルに合わせた『イラスト』を実は最初に用意したかったのですが、出版の日程が決まっていたため『文字のみ』の表紙での発表になったのです。それでも、ショートショート作品集の需要はそれなりにあって、先に発売している『作家脳』の効果もあって、それなりに販売数は伸びると考えていました。
伸びない販売数
発売当初の想定からすると、その販売数はとても低いものでした。そこでkindle本と言うか、ネットでの販売でとても重要である『表紙』の見直しをする事にしたのです。
こちらが発売当初の表紙です。個人的にはすっきりしていて嫌いではなかったのですが、Amazonの販売ページで検索した時、これをサムネイルで見るとタイトルは確認できるものの、ショートショート作品集である事も見落としてしまいます。
この直後、タイトルの背景の白い部分を広くし、『ショートショート作品集』の文字を赤く変更したものがあったのですが、これでも販売数に変化はありませんでした。
こちらが最終的なデザインのものです。おそらく反応は人によって様々だと思いますが、実はこのデザインになってから販売数に変化があったのです。この変更の翌日から販売数が増加しました。
【評論・文学研究カテゴリーの新着ランキングで変更の翌日に２８位】
デザイン的には表紙に作品全タイトルを入れたかったのと、あとは『美人妻』のイメージです。女性の顔が半分だけにしてあるのですが、『美人』なのかどうなのか、好みに関係なく『微妙』なラインのつもりで描いたのですが、これは勿論『オチ』に関係があるからですね。解像度も低くすることで『粗い画像』にしてあるのも意図があっての事ですが、あとは読者の方に上手く伝わる事を願うばかりでした。
いずれにせよ、こうした『表紙デザイン』はちゃんとした『意図』がある事が大事だと思いますし、もっと言うならば『発売前の完成』にするべきですね。その方が最初から売れる訳ですし、既にプロモーション済みの内容も変更せずに済むのですから。
そして最後に
kindle本の市場は、未だ手探りの部分があります。少なくとも私がデビュー作を出版した、今から約二十年ほど前とは全く違った世界です。参考となる情報は他にもっと詳しく書いていられる方が大勢いらっしゃるので、実際に出版をされた方は色々試されるのも良いかと思います。
ただ一つ、どの書籍に関しても共通なのは『読者の方に有益な本』になる事を意識して書いたものでなければ、『売れ続ける本』にならないという事だと思うのです。
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