ショートショート作家 R・ヒラサワの〜Novelist's brain〜

小説の書き方ブログ。ショートショート作家 R・ヒラサワが自身の作品を用いて詳しく解説。新作随時公開中!

(クレーム処理のプロが挑む、クレーマー対決!#ストレス解消)今回の作品/クレーマー・クレーマー

今回の作品/クレーマー・クレーマー

 

たまたま上手く対応出来た『クレーム処理』。主人公の男性はいつしか本格的な『クレーム担当』になっており、今日もクレーマーと対峙する。

しかし、今回は既に何度も店にクレームを入れてきている『強者』で、これまで毎回何らかの『損失』が発生している。さて、今回のクレームには、上手く対応する事が出来るのか?

ショートショート『クレーマー・クレーマー』の全文はこちら↓↓↓

rhirasawanb.hatenablog.com

 

【CONTENTS】

 

テーマからの発想

 

今回のテーマは『クレーム』です。かつて営業経験のある私にとって、この言葉はとても敏感に反応してしまうのですが、実はこのクレームについて、仕事の関係でその道の『プロ』にコツを教わる機会があって、それらを要約すると『お客に喋らせる』だそうです。
これは散々クレームを言った客は、ある程度その時点で気持ちが治って来ている事と、次々にエスカレートして話すうちに『矛盾点』が出てくる可能性が高いそうです。そして、それを遮らずに最後まで聞きながら、『ツッコミ所』を押さえておくのだそうです。
この様に、人生の中で知り合った人から得た知識などは、物語の『ヒント』となることが多く、様々な事柄を常に『心に留めておく』のが良いでしょう。それらはきっといつの日か、素晴らしい物語に成長するのです。

 

発想からのキーワード選出

 

『クレーム』『営業』『不具合』『リピート』

『クレーム』と聞くと、やはり『電話』でのものがイメージとして浮かびましたが、電話であれ直接であれ、お客さんが『文句』を言ってくる。それは店舗であれ訪問であれ、何かしらの『営業』が絡んでいます。

そして、要するに何かの『不具合』があった訳なのですが、一般的によく言われるのが、上手く対応すると、そのお客は『リピーター』になってくれる確率が高いとか。こんな要素を踏まえて、物語は作られるのでした。

 

 

POINT1:タイトル


タイトルは『クレーマー・クレーマー』です。今回、言葉を二回重ねたのは、そのイメージがより強くなることを狙っています。それと同時に少し『滑稽』な印象も生まれ、それは『オチ』にも関係するのです。

 

POINT2:書き出し

 

 スギヤマは今日もクレーマー対応をする羽目になった。なにも好んでこの業務を担当している訳ではない。十年ほど前に現れたクレーマーに、たまたま上手く対応出来ただけの事だった。
 しばらく経ったある日、上司から呼ばれた。向かった先には、新たなクレーマーが待っていて、結局上手く場を収めてしまった事で、『クレーマー対応』は、スギヤマの正式な担当となってしまった。

 

物語の『書き出し』として、良く言われる事が『殺人事件は、現場に先ず死体を転がす』で、どんな内容であっても主人公が置かれている状況が直ぐに把握出来て、尚且つ『事件現場』である事が重要です。
今回も主人公は『事件現場』に向かう部分からのスタートで、その後にもう少し詳しい状況を書いています。

 

 

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POINT3:ユーモア

 

彼女が担当する文具コーナーに向かうと、直ぐに異彩を放つ人物が目に飛び込んできた。問題の『クレーマー男』である。
 売場がいくら明るいとはいえ、あのドス黒いサングラスでは、商品さえ見えにくい筈だ。
 男が一歩、スギヤマに歩み寄る時、床のケーブルカバーにつまづきかけたが、それでも男はサングラスを外そうとはしなかった。

 

特に理由がない限り、私の書く作品には『ユーモア』を取り入れる様にしています。それは読書の『リズム』にも影響しますし、何より読む事が『楽しくなる』という理由です。そして『楽しさ』とは『興味』であり、興味のある事に取りかかる時、人は時間を忘れ、夢中になるのです。

 

POINT4:前半のストーリー



過去に『クレーム対応』が上手くこなせた事がきっかけで『クレーム担当』になってしまった主人公。今日もまた新たな『クレーマー』との戦いに挑む

 


今日の『クレーマー』は、過去に何度か来た事のある客で、店はこれまで何かしらのサービスをい強いられていた

 

POINT5:展開~オチ

 


『強者』と思われた『クレーマー』は、意外にもクレームは控えめで、そればかりか新製品の開発に有効なアイデアまで提供してくれて、それを上司に伝えると、見事に採用となり、主人公は会社から『手当』を複数回受け取る事となる。

 

『クレーマー』が提供してくれたアイデアは、全てどこかの企業の『特許侵害』となる内容で、主人公の会社は複数の訴訟を起こされる事となる。


総合的なポイント

今回の様な物語の場合、一般的に多いパターンとして何度かやって来たことのある『クレーマー』が新たな『クレーム』を用意して来て、主人公が一時はピンチになるが、上手くそれを切り抜けるタイプのものです。

しかし、実際に用意したのは一時は『好転』するかと思われた流れが、『更に悪化』すると言ったパターンです。

ショートショートにおける『オチ』は、可能な限り『落差』を大きく取るのがポイントですので、前者は解決に向けた方向性が同じなのに比べ、後者は方向性としては『真逆』となる為、こちらの方が『大きな落差』と言う結果になるのです。

 

創作が上手く進まない……。そんな時、『もしも……』と、あてはめるだけ!

先ずは『試し読み』をどうぞ↓↓↓

 

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