R・ヒラサワの〜Novelist's brain〜

小説・ショートショートの書き方ブログ

(『別れ話』がテーマの作品例)新作ショートショート(14)/別れの理由

新作ショートショート(14)/テーマ(別れ話)

 

 

 

 


別れの理由

 

 

 

―絶対アイツに復讐してやるんだから―
 ミナコはそう決心すると、国内で最も評判のいい美容整形外科に向かった。
「先生! 手術代は高くってもいいの。とにかく女優のアリサそっくりにして!」
 ミナコが自分の貯金をはたいてでも整形手術をしたくなったのは、全て元カレのコウスケの口から出た『別れの理由』が原因だった。
「オレってさあ、女優のアリサの事すっげえ好きじゃん。で、付き合い始めたときってオマエの髪型とか、ちょっと似てたじゃない? でも最近思ったのね、やっぱ『似てないなあ』って。だからそういう訳で、別れたいんだけど」
「はあ?」
 それが二人の最後の会話になった。結末はあっけなく、そして一方的にやって来た。
 コウスケの言葉に呆れて声も出なかった。それ以上に付き合った時の理由が単純過ぎて、こちらの方が大きなショックだった。
ー私の存在って、一体何だったのー
 コウスケは常にミナコの外見しか見ていなかった。正確には、髪型だけだったかもしれない。二年間も付き合っていながら、今さら『似ていない』と言う理由も、腹立たしい限りだった。
 コウスケに未練は無かった。しかし、ミナコの中に残った復讐心は燃え上がる一方で、その勢いを止める事は出来なかった。
 復讐の方法は至って簡単であった。コウスケが好きだと言っていたアリサそっくりの顔になって近付き、夢中にさせた挙句にフってしまうという計画だ。
 もちろんその時のセリフだって用意してある。
「アンタ、私が好きな俳優のユタカに髪型が似てたから、しばらく一緒に居たけど、やっぱ顔が似てないから付き合えないわ」
 ニヶ月後、ミナコの整形手術は無事に終わった。その結果は、実に完璧なものだった。
 街を歩けば男女を問わず、多くの人々が振り返る。
「あれ、女優のアリサじゃない?」
 そんな囁き声を、何度耳にしたか分からない。
「あのー。女優のアリサさんでしょ! ファンなんです、サインしてください!」
 時には直接、声をかけて来る人も居た。しかしミナコのセリフは決まってこうだ。
「よく似てるって言われるんだけど人違いよ……。ごめんなさい」
 気分は最高に良かった。女優のアリサを知る人は、必ず本人だと思っている様だし、アリサを知らない人々も、外見の可愛さに、思わず振り返ってしまうのだった。
 ミナコの周りの環境は激変した。すっかり有名人気取りで、少なくとも男選びに対する心の余裕は、随分と大きなものになった。残るは、コウスケへの復讐のみとなった。
 ミナコはコウスケがよく現れるバーに通った。三度目で会う事が出来たが、それまでに声をかけて来た男は、既に何人か居た。
 ミナコはさりげなく、コウスケの隣の席に着く。
「あれ? キミ女優のアリサちゃんによく似てるね」
 コウスケは、いきなり声をかけて来た。かつて二人が初めて出会った、あの時と全く同じセリフだった。
 コウスケは、相手がどれだけ似ていようとも、決して『本人でしょ?』とは言わない。
 中途半端に持ち上げて、相手の心をじらすのだ。コウスケの行動パターンは、すっかり学習済みだ。
 ミナコも急な接近は避け、コウスケの様子を伺いながら距離を詰める事にした。
 しばらく話をしながら、一緒に飲んだ。帰る間際コウスケに聞かれたので、少しじらした後、新しい携帯番号を渡した。
 連絡は忙しい事を理由に、最小限に絞った。頻繁なやり取りは危険だと思った。
 その後二回程会って、三度目となるデートは本格的なものになった。この辺りでは一番大きなテーマパークを指定して来たのだ。ミナコに『付き合おう』と言って来たのは、正にこの場所だった。
 ミナコには確信のようなものがあった。きっと彼は今日のデートで告白してくるに違いないと。
 二人は色んなアトラクションをまわり、その日はとても盛り上がった。夕方近くになるとお決まりの観覧車に誘われた。
―ここで告白するつもりなのね―
 ゆっくりと回り始めた大きな観覧車は、中に入ると以外にその速度は早く、ミナコの鼓動は一気に高まった。
 ミナコの意識は既に観覧車の頂点にあった。コウスケが告白して来るのは、きっとそのタイミングだ。ミナコはその時、用意しておいたセリフを吐くのだ。何度も何度も練習しておいた、あのセリフを。
 観覧車がついに頂点に達しようとした時、ミナコの予想通りコウスケはゆっくりと立ち上がった。
 ミナコはコウスケの告白を一蹴すべく、準備を既に整えていた。そしてコウスケが口を開く。
「やっぱりキミとは付き合えないよ」
「え?」
 コウスケの予想外の言葉にミナコは耳を疑った。
「ど、どうして? あなた女優のアリサの事が好きで、そのアリサにそっくりな私を好きになったんじゃないの?」
「ああ、その事? 確かにキミはそっくりだったよ……。本人と見間違うほどね」
「じゃ、じゃあ何で……」
「アリサにそっくりのキミとしばらく一緒にいて、改めて思ったんだ。人はやっぱり外見じゃないんだって……」

 

 

 

 

痩せるインナー

 

 

 

 

にほんブログ村 小説ブログ ショートショートへ
にほんブログ村

↑↑↑ブログランキングに参加しています。面白かった方は応援お願いします。

 

R・ヒラサワの〜Novelist's brain〜 - にほんブログ村

↑↑↑読者登録はこちらからお願いします。

 


ショートショートランキング

↑↑↑最新のランキングチェックはこちら!

(売れる小説を書く為に重要なのはタイトルです)気になるタイトル(2)

気になるタイトル(2)

 

 


最近、私が書店で見かけた『気になるタイトル』の本です。

小説やショートショートを書く上で、とても重要なのは『タイトル』です、と言うお話は何度も書かせていただいているのですが、まあ、どんな書き物についても重要である事は言うまでもありません。

最近気になったタイトル。今回は結構インパクトの強いものが含まれてますね。

 

 

【CONTENTS】

 

 

 

 

怖い間取り

 

芸人の『松原タニシ』さんが、実際に『事故物件』に住んだ時のお話で映画化もされていて、何かとブームになっています。

実は私も十年以上前に住んでいたマンション、不動産屋さんの紹介で見に行った時の事ですが、窓には黒いビニールシートがかかっていて、おまけに家賃がこの地域の同じ条件の物件よりもかなり安かったんですね。しかも、『入居者が少ないので家賃を下げたんで、他の部屋の方と家賃の話はしないでください』との事。結局三年ほど住みましたが、今のところ私は『無事』ですよ。

 

 

 

 

赤ずきん、旅の途中で死体と出会う

 

童話をベースにしたミステリー。なかなか着眼点が面白いですね。私はタイトルで一気に興味が湧きました。

 

 

 

 

パン屋ではおにぎりを売れ

 

 『アイデア』を練ったりする時、はやり『思考』は大事ですよね。しかし、人々は似たようなルーティンワークを繰り返すうち、どうしても思考がかたまりがちです。視点を変えて『思考法』を変える事により、様々なアイデアが生まれます。これはそんな考え方に気付く事が出来る一冊です。

 

 

そして最後に

 

私は時々『書店』に立ち寄ります。今はネットで家に居ながら、いくらでも本を探せる時代ですが、フロア内を見渡すというのは実店舗ならではの光景です。そして、その光景の中に『光るもの』がいつもあって、私はそれを探しに行くのです。

せっかく時間をかけて書き上げた原稿。それには『光るタイトル』を、是非とも付けたいものですね。

 


 

 

にほんブログ村 小説ブログ ショートショートへ
にほんブログ村

↑↑↑ブログランキングに参加しています。面白かった方は応援お願いします。

 

R・ヒラサワの〜Novelist's brain〜 - にほんブログ村

↑↑↑読者登録はこちらからお願いします。

 


ショートショートランキング

↑↑↑最新のランキングチェックはこちら!

(小説・ショートショートの書き方ブログ)今回の作品/バロメーターリング、コラム/文章に変化を付ける方法(前編)

今回の作品/バロメーターリング

 

若年層の晩婚化は、結婚相談所にとっては悩ましい問題だった。婚活パーティーやマッチングサービスに加え、新商品として交際中の相手の気持ちを測る事が出来ると言う『バロメーターリング』を販売。口コミで売り上げは右肩上がりだったが、一方で購入者からは疑惑の声が……。

 ショートショートバロメーターリング』の全文はこちら↓↓↓

rhirasawanb.hatenablog.com

 


【CONTENTS】

 

 


テーマからの発想


テーマは『婚活』です。婚活と言えば、その昔は『お見合い』でしたが、今ではネットも含め様々な形があるようです。普段の生活の中、自然な流れで恋人が出来るのも、一種の婚活でしょうけど、積極的にとなるとパーティーの様な感じになるんでしょうかね。そんな思考の中、今回は間接的な題材を扱ってみました。

 


発想からのキーワード選出

 

婚活アプリ、結婚相談所、お見合いパーティー、焦り、マッチング

 

 

POINT1:タイトル


タイトルはバロメーターリング』です。これは単純に、付き合っている相手の気持ちを測る物と言う意味で付けたのですが、アイデアが広げていったのも、今回はタイトルからでした。

私が普段作品を書く場合、『タイトル』→『オチ』というパターンが結構多く、今回もその流れでした。ブログで何度も書いていますが、タイトルは非常に重要なもので、個人的には作品の五十パーセント近くを占めるものまであります。あくまでこれはイメージ的なウェイトのお話ですが、とにかくこだわるに越したことはないと思います。

 

 

 

POINT2:書き出し

 
 年々増加する傾向にある夫婦の離婚率。これについては新聞や雑誌、そしてテレビやネットで幾度も取り上げられ、結婚を考える若年層を晩婚化させる要因となっていた。


今回は珍しく、ここまでで物語の背景しか書いていません。普段は『情報開示は早めに』といっていりにも関わらず、何故でしょう? これには理由があるのです。

この物語は、書き始めから四分の一あたりぐらいまでは、以前からあるサービスについて書いています。本題はそれ以降で、そこから通常通りの書き方にしています。こうする事で、前半に少しもたつきが出るのです。

以前からのサービスは、ある程度結果が出ていたものの、満足は出来ておらず、次の商品こそ問題を解消出来る筈だと言う、そう言った期待感を出す為のものです。

物語の『流れ』は常に一定ではなく、通常は変化があるものです。しかし、これは作者が意識しなくてはなりません。そしてその意識の中で、どの様なリズムでどう書くか。それによってスピードをコントロールするのです。

 

 

 

POINT3:ユーモア


 既に購入した男性達の間では、『誰が最初に違った色のリングを見るか』と言う、本来の目的とは違った意味での競争も密かなブームとなっていた。

 

個人的な意見ですが、最近の若い方は特に『ドライ』な方が多いように思います。無関心と言うかあっさりしてると言うか、例えば今回の様に、買った商品が本来の効果を発揮しなかったら、メーカーに問い合わせるなどの考えもある筈なんですが、案外そのまま使ってたり、予想外の流れが出来ると、そっちに夢中になったり……。そんな様子を今回は入れてみました。

 

 

POINT4:前半のストーリー


若年層の晩婚化を嘆いていた結婚相談所は、お見合いパーティーの開催や、ネットのマッチングサービスなど、活性化に向け様々な対策を講じていた。


新たに口コミだけで販売を進めていた『バロメーターリング』。マッチングに至る前段階のお客を対象に、相談や問合せがあった時に勧めていたが、販売数は順調に伸びていた。

 

 

POINT5:展開〜オチ

好調な売れ行きの商品だったが、購入者の間では、商品の効果を見た人が居ないとの噂が広まっていた。


実は商品の効果は無く、リングの内側の刻印によって相手の交際人数が分かる仕組みになっていた。

 

 

 

総合的なポイント

 

結婚相談所が晩婚化に対応すべく、新商品を開発してゆく流れ、要は相談所に置かれた視点から始まった物語ですが、その先は特に固定した視点は置かずに書かれた、いわゆる『神様視点』の書き方です。書き出しからラストまで、常に俯瞰的に見た状態で書いています。今回は作中、特に誰かの心理描写が必要ではないので、この書き方は比較的書きやすい方法と言えます。

しかし、物語の構成や展開を考えた時、それが不向きと思われる場合は、視点の置き方から全て変える必要性が出る場合もあるのです。

 

 


コラム/文章に変化を付ける方法

 

今回の記事中にも出ていましたが、本来文章のリズムは一定ではありません。しかし、これを意識せずに書いてしまうと、一定な、つまりは単調なつまらない文章になってしまいます。これらを避けるためにリズムに変化を付ける訳ですが、その方法は様々なのです。 更に詳しい内容については、次回のコラム/文章に変化を付ける方法(後編)にてお話ししたいと思います。

 

 

 

「冷感マスク」大手量販店でもご好評!20万個突破!

 

 

 

 

にほんブログ村 小説ブログ ショートショートへ
にほんブログ村

↑↑↑ブログランキングに参加しています。面白かった方は応援お願いします。

 

R・ヒラサワの〜Novelist's brain〜 - にほんブログ村

↑↑↑読者登録はこちらからお願いします。

 


ショートショートランキング

↑↑↑最新のランキングチェックはこちら!

(『ネットニュース』がテーマの作品例)新作ショートショート(13)/ごくありふれた殺人

 新作ショートショート(13)/テーマ(ネットニュース)

 

 

 

ごくありふれた殺人 

 

 

 

 スマートフォンの検索サイトを開くと、自動的に流れるネットニュース。ワタナベが何気なく読んでいた記事を、会社の同僚であるコジマが横からすうっと覗き込んで来た。
「どうした? 何か面白いニュース?」
「いいや、よくある事件だよ。マンションの部屋の中で人が殺されていたのを、会社の人が訪ねてきて見つけたってやつ」
「ああ、よくあるね。だから、どれがどの事件の事だか、後で聞いても分からない時があるよ」
「そうなんだ。最近は殺人事件が多すぎるから……」
 仕事帰りの電車の中、二人の会話は周囲のそれに紛れている事だろう。だからと言って、ワタナベはあまり物騒な話を電車の中でするのは気が進まなかった。
「でも、赤の他人にとってはどれも同じ事件の様に思えるかもしれないけど、家族や親戚にとっては特別な事件だよね。当たり前の話だけど」
 尚もコジマは話を続ける。仕方なくワタナベは、その話に付き合う。
「ああ、もちろんそうだろう。だって自分の大事な人が殺されたんだ。特別に決まってるだろうね……」
「そうだよなあ。君はさあ、もし自分の大事な人が殺されたとしたら、どんな気持ちになる?」
 コジマが話題を掘り下げてくる。この手の話が苦手なワタナベは、何とか流れを変えようと考える。
「なあ、あまり物騒な話、やめにしないか? ほら、ここって電車の中だし……」
「別に誰も聞いてやしないよ。いいから続けよう」
「いや、俺はもういいよ。あんまりしたくないんだ、こう言う話」
 コジマの目をじっと見ながら、ワタナベは言った。そしてコジマは黙った。
 コジマはワタナベより一年ほど後に入社した後輩だが、年齢は三つほど上だった。しかし、どこか幼い部分もあって、普段の会話は同い年の友人の様だ。
 部署が違ったので、仕事上のやり取りはないが、家からの最寄り駅がたまたま同じだったので、電車で乗り合わせる事があり、自然と話す様になった。声をかけて来たのはコジマの方だ。
 コジマは時々、周りの空気が読めない事がある。自分が興味のある話になると、まるで周囲が見えなくなるのだ。その影響もあってか、友達も殆どいない様子だった。
 実はワタナベにも、似た様な部分がある。何かに没頭する傾向があって、特に女性関係は苦手だった。
 自分の事をするのに精一杯で、相手の気持ちに対して鈍い部分がある。ルックス的には女性受けする方だったが、いつも決まって長続きしなかった。プライドの高さも邪魔をしていたに違いない。
 ワタナベ自身も、今の会社に特別親しい友人は居なかった。自宅の方向がコジマを除く周囲の人達と、まるで離れた場所にあったし、そもそも人付き合いが苦手だった。
 もしもコジマが声をかけてこなかったら、二人の関係も無かったに違いない。
 コジマは電車の中で、例の話題に触れてこなかった。言葉数が急に少なくなった。もしかしたらワタナベの態度に、少し気を悪くしたのかもしれない。
 ほどなくして、二人が降りる駅に着いた。ここの改札を抜けると、コジマとは駅で別れて、互いに反対の方向に向かうのだ。いつも通りワタナベが南に向かうと、コジマも後に続いた。
「あれ? どうしたんだい?」
 いつもと違うコジマの行動に、ワタナベが尋ねる。
「今日はこっちに用があるんだ」
「へえ、そうなの?」
「買いたい物があってね」
 コジマが名を挙げたコンビニは、北側には無かった。今日はそこで限定スイーツを買うそうだ。
「男なのに『スイーツ』かよ」
「ああ……」
 この辺りは未だ田んぼや畑が幾つかあって、コンビニまでの道のりは薄暗い。
「妹がさあ……。好きだったんだよ。『スイーツ』」
 次の瞬間、コジマがワタナベの首を締めつけてきた。
「やっと掴んだんだ。妹を殺った犯人の証拠!」
 ワタナベは薄れゆく意識の中、当時の出来事を思い返した。
 隣街に住んでいた時、偶然電車で見かけた女性に心を奪われ、同じ駅で降りた。普段は降りないこの場所で、不慣れな女性の誘い方は相手を警戒させ、結果的に大声を上げられた。
 慌てて黙らせようと、夢中で口を押さえた。気付けば女性はぐったりしていた。ワタナベは気を失っただけだと思い、その隙に逃げた。
 次の日、ネットニュースで女性が死んだ事を知った。
ーコジマの妹だったと言う事かー
 女性とワタナベには接点が無く、事件は未解決のままだった。
 コジマは更に強くワタナベの首を圧迫してくる。
 ワタナベが殺された場合、コジマとは繋がったとしても、その妹とは繋がらない。
 今日、新たに起こりつつある『ごくありふれた殺人』は、後日溢れ返るネットニュースの中を、静かに流れてゆくに違いない。

 

 

 

 

家電・デジタル家電の宅配買取なら「NETOFF家電」!

 

 

 

 

 

にほんブログ村 小説ブログ ショートショートへ
にほんブログ村

↑↑↑ブログランキングに参加しています。面白かった方は応援お願いします。

 

R・ヒラサワの〜Novelist's brain〜 - にほんブログ村

↑↑↑読者登録はこちらからお願いします。

 


ショートショートランキング

↑↑↑最新のランキングチェックはこちら!

(小説・ショートショート書き方のコツ)コラム/計画的な展開(後編)

コラム/計画的な展開(後編)

 

 

小説における『展開』が、『計画的』である事は勿論なのですが、作品によってそれなりの『構成上の準備』が必要な場合があります。

今回は、どんな場面でどの様な事が必要で、どう準備したのか。作品を用いて解説したいと思います。

【ご注意!】

以降の解説には『オチ』の『ネタバレ』を含んだ箇所があります。まだ作品を読んでいない方、本来のショートショートとして楽しみたい方は、先にリンク先『全文』をお読みになられる事を、お勧めします。

 

【CONTENTS】 

 

 

『私の庭』の場合

 

ショートショート『私の庭』の全文はこちら↓↓↓

rhirasawanb.hatenablog.com

主人公が離婚後に、偶然かつての『夫』と『我が家』を目にする事になるが、それは共に『変わり果てた姿』となっていた。

 

【書き出し→オチ】

●離婚した主人公が、かつての『我が家』が『ゴミ屋敷化』しているのを知る。

→●元夫が意外にも『弱く』なっているのを知り、主人公は『自分が必要なのでは?』と考える。


【必要なエピソード等】

●主人公が離婚後に、かつて住んでいた家の現状を知る。

●主人公はやむを得ず離婚した。

●元夫の現状を知る出来事。

●主人公の心を動かす元夫の変化。

●主人公が現在の心境を遠回しに伝える事が出来るアイテム。


【計画的な展開】

●かつての家の現状を、テレビの放送で知る。

→朝の情報番組を観る習慣

●愛情はあるが、将来に不安を感じる

→突然の独立の申し出と高齢の母

●周辺にモザイクがあるが、判別出来るアイテムがあり家が特定出来る。

→外国製の特徴的な鍋を使っていた

●元夫に、かつて無かった弱さが見える。

→一人で何でも出来そうだったが、実際はそうではなかった

●かつての主人公の所有物で、現状もそこに残っているもの。

→主人公が少しずつ花を植えて作った庭が残っている

 

 

 

『未来から来た男』の場合

ショートショート『未来から来た男』の全文はこちら↓↓↓

rhirasawanb.hatenablog.com

主人公が生まれる半年前に両親は離婚した。母と再婚する筈だった男は、多額の借金を残して姿消した。主人公はその男を恨んでいた。

 


【書き出し→オチ】

●母と再婚予定だった男が借金を残して姿を消した事で、その男を主人公はとても恨んでおり、復讐を考えていた。

→●姿を消したのは、実は主人公の実の父で、過去で男を殺す事で、主人公の存在も消える。


【必要なエピソード等】

●主人公が恨みを持つ男の存在と母への想い。

●主人公の誕生と男の出現の微妙なタイミング。

●主人公が復讐可能な環境。

●主人公と男が出会える条件。

 
【計画的な展開】

●再婚予定だった男の失踪と、残された借金。それを懸命に返す母。

→主人公が学生時代時代に母が他界した為、強い想いが残る

●父親が失踪した男と考えにくいタイミング。離婚前からの関係との設定。

→微妙なタイミングとして『半年』に設定

パラドックス等の問題はあるが、条件付きでのタイムマシンの存在。

→可能な方法として『タイムマシン』だが安易には使用しない

●行きつけのバーで、絞り込みが可能。少しの質問で本人と特定出来る。

→簡単なやり取りで特定した後、犯行に及ぶ

 

 

 

『優秀な新人』の場合

 

ショートショート『優秀な新人』の全文はこちら↓↓↓

rhirasawanb.hatenablog.com

研修担当だった主人公は、年々新人に対しジェネレーションギャップを感じていたが、久々に手ごたえのある新人の入社に期待を寄せていた。

 

 

【書き出し→オチ】

●研修担当だった主人公は、期待している新人の成長に満足しつつも、未だ物足りなさを感じていた。

→●作業工程にイレギュラーな流れを作って、研修の一環としていたが、実は製品を抜き取って、ネットで販売していた。

 

【必要なエピソード等】

●主人公が工場内で、自分の研修プログラムを組める権限。

●研修時の作業の必要性。

●異常を察知できる新人の能力。

●研修中に疑問を呈する新人の態度。

●不正が可能な工場内の環境。


【必要な展開】

●年齢の若い管理職。

→主人公の勤務先を零細企業とし、複数の業務を担当の設定

●主人公が製品を抜き取る場面

→新人は優秀だが、更なるレベルアップの為に試練を与える名目

●新人は勘が鋭い人物。

→作業のルーティンを自分で決め、ミスを出さない自信がある

●主人公と新人の間に理不尽なやり取り。

→そのようなミスは出ない筈だと返す場面

●少人数の会社である為、主人公に一任されている。

→主人公は独自に研修プログラムを組み実行している

 

 

 

そして最後に

 

ショートショート作品は文字数が少なく短い物語ですが、一見何気なく書かれているように見える部分も、実は多くの理由を含んで構成が組まれ、計画的な展開に沿って文章は書かれています。

作品の作り方は書き手によって様々で、実にシンプルな書き方をされている場合もありますが、私は出来るだけ練り上げて作る様、心がけています。エンタテイメントは、人に楽しんでもらうための物です。だから私は出来る限り時間を費やし、その時のそのネタで、可能な限り最高の作品に仕上がる様、努力をするのです。

 

 

 

人事領域特化型の転職エージェント。リクルート楽天、国内最大手リサーチ会社等での人事経験者が在籍しており、人事領域の転職支援に強みを持っております。

 

 

 

 

にほんブログ村 小説ブログ ショートショートへ
にほんブログ村

↑↑↑ブログランキングに参加しています。面白かった方は応援お願いします。

 

R・ヒラサワの〜Novelist's brain〜 - にほんブログ村

↑↑↑読者登録はこちらからお願いします。

 


ショートショートランキング

↑↑↑最新のランキングチェックはこちら!

ドラマ『竜の道』に見る『構成術』/小説・ショートショート書き方ブログ番外編

ドラマ『竜の道』に見る『構成術』

 


休日のまだ明るい時間帯に、私はたまたまこのドラマを見る機会がありました。放送中のドラマの再放送だった様で、前回分のものでした。私が観たのは『第二回』。しかも途中からです。しかし、数分で『面白い』と感じました。普段の放送時間、私はテレビを観ていないので、とりあえず毎週録画する様、予約を入れました。

小説における構成については、ドラマや映画などがとても参考になり、国内の作品において、個人的には『映画』よりも『ドラマ』を参考にさせて頂く事が多いと思います。それでは今回のドラマですが、実際に私が参考になったと思う部分について解説したいと思います。


【ご注意!】

以降の内容にはドラマの『ネタバレ』を含んだ箇所があります。まだドラマをご覧でない方は、ご了解の上でお願いします。

 

【CONTENTS】

 

 


登場人物の相関関係

 

まずは登場人物の相関関係ですが、これらはもちろん物語のベースになり、小説に活かせる部分です。しかし、私が書いているショートショートのような場合、基本的には二千文字前後を想定して書いていますので、なかなか多くの人物を登場させるのは難しいお話です。

 


小説への活用

 

今回は本来の相関図ではなく、そこから抜粋したポイントをいくつか挙げさせていただきたいと思います。

今回の主役はニ人です。俗に言うダブル主演と言うパターンなると思いますが、これは特に珍しいものではありません。通常の主役が一人に物語の場合も、準主役と言う位置関係の人がおり、その人が同じような役割を果たしています。

二千文字のショートショートの場合、脇役を何人も登場させるのは難しくなります。

 

【例外的に脇役が複数登場したショートショート作品/あなろぐ】

ショートショート『あなろぐ』の全文はこちら↓↓↓

rhirasawanb.hatenablog.com

ショートショート『あなろぐ』のキャスティング

【主役・準主役】

❶カナコ(主役)

❷工場長(準主役:勤務先の工場長)


【脇役】

ヤマキ(主役の顧客)

❸社長(主役の勤務先の社長)

❹スズキ(主役の先輩)

❺カジワラ(主役の後輩)

❻主任(取引先の社員)


通常、ショートショートの基本形は、主役、準主役、そして脇役が居たり居なかったりと言うキャスティングになります。

 

 

主役の周辺事情

 

今回のドラマの場合、主役が二人居ます。そして、それぞれその主役の周りに世界があります。そこには小さな別々の物語があり、それぞれ問題を抱えながら、同時進行しているのです。

そしてこの二人は、ある部分で繋がっています。『妹』という『線』ですね。一見すると『穏やか』に見えていた『線』ですが、実はそうではありません。これこそが、先々二人の主役に大きな影響を与え、そして問題を引き起こす『種』となるのです。

 

ショートショートでは構成上難しくなりますが、複数の場所で起こる別々の問題。これらは通常、一つの『キー』で結ばれ、そして誰かが自ら危険な場所に飛び込んでいく様な行動は、違った場所から発生した『必然』によって引き起こされるものです。そうする事によって、辻褄のあった流れが出来るのですね。

 

 

ドラマの原作

 

このドラマの原作は同名タイトル『竜の道』で、作者は『白川道』さんです。

 

 

 

 

 

そして最後に 

ドラマや映画は小説を書く上で、とても参考になります。特に今回、私が感じたように、一部分だけを観て『面白い』と感じられる作品。これは優れた構成を意味しています。普段目にしている作品で、この様な感覚になった時は、是非ともその構成に注目してみて下さい。

 

 

 

 

にほんブログ村 小説ブログ ショートショートへ
にほんブログ村

↑↑↑ブログランキングに参加しています。面白かった方は応援お願いします。

 

R・ヒラサワの〜Novelist's brain〜 - にほんブログ村

↑↑↑読者登録はこちらからお願いします。

 


ショートショートランキング

↑↑↑最新のランキングチェックはこちら!

(小説・ショートショートの書き方ブログ)今回の作品/空が光った夜、コラム/計画的な展開(前編)

今回の作品/空が光った夜

 

 

真夏の寝苦しい夜、破裂音と共に空が光った。だが、周辺の住人に慌てた様子はなく、まるでいつもと変わらない夜の様に思えた。しかし翌朝になって、主人公は部屋の中で自分にそっくりの『生き物』を見つけるのだが……。


ショートショート『空が光った夜』の全文はこちら↓↓↓

rhirasawanb.hatenablog.com

 


【CONTENTS】

 


テーマからの発想

 

今回のテーマは『光』です。光と言えば、かなり書ける範囲が広いですね。例えば希望を表す『光』であったり、レーザーなどの『光線』または『光る物』、そして『光った』と言う『現象』を取り上げたものなどです。

 

 

発想からのキーワード選出

 

電球、LED、太陽、希望、光線、レーザー、UFO、フラッシュ

 

 

 

POINT1:タイトル

 

タイトルは『空が光った夜』です。

タイトルを付ける場合、『◯◯な△△』とした時、一方は状態がハッキリしたもの、残るもう一方を状態が曖昧なものにすると、興味をそそり易いタイトルになります。

 

『夜』はそのまま『夜』なので、何であるかがハッキリとしています。しかし『空が光った』の所は、曖昧な部分を含んでいます。『空』も『光』もわかりやすいものですが、『空が光った』となると、『どう光った』のかであったり、『何故光った』のか等、『どの様に?』や『何故?』と、疑問に繋がる訳ですね。そうする事で、タイトルで疑問を抱いた読者の方は、その『答え』を『知りたい』と思うからです。

 

POINT2:書き出し

 

 寝苦しい夏の夜の事だった。破裂音のようなものと共に一瞬、空が青く光ったのだ。

 それが現実のものだったか夢だったのか、区別がつかなかった。家の外に出てみても、誰かが右往左往している気配もないし、何より、いつも見ている夜の光景と何ら変わらなかったのだから。

 

『書き出し』で読者の方に、先ず疑問を持っていただく手法として、現状で起こっている出来事の、一部分だけを明らかにするのも有効な方法です。上記の文章をかなり大まかに言ってしまうと、分かっているのは『夜に空が光った』と言う事だけです。他には大した情報がありません。この様に書く事によって、『何が光ったのか?』『何故光ったのか?』と言う疑問に繋がるのですね。

 

 


POINT3:ユーモア

 

 その生き物は、動きも私とそっくりだった。細かい癖もそうだし、何より、こちらが頭に思った事を上手く読み取り、絶妙なタイミングでサポートしてくれるのだ。まるで長年コンビを組んでいる相方の『アドリブ・ボケ』へのツッコミの様だった。


小説内での例え方ですが、私はこんな感じが好きです。比較的真面目な話でも、可能な限りこの様な表現を入れる様にしています。緊張感ある中にユーモアを盛り込む事で、更に他の部分を引き締める効果を狙ったものです。

 

 

 

 

話題の電気自動車が月々9,800円~【電気自動車専門Navi】

 

 

 


POINT4:前半のストーリー

 

夏の夜に突然破裂音がしたので、主人公は家の周辺を確認してみたが、特に何も変化が無かった。翌朝になると、部屋の中に自分とそっくりの『生き物』がいる事に気がつく。

 

『生き物』の事を誰にも話せずそのまま過ごしていると、『生き物』は色々主人公をサポートしてくれたので、特に問題なく過ごせた。

 

 

POINT5:展開〜オチ

 

『生き物』が家に来てから一週間が過ぎ、主人公は久々の訪問となる友人宅に向かったが、道中で『生き物』について話すべきかを迷う。

 

友人宅に着くと、いつもと違うぎこちない対応だった。玄関先に集まる友人の家族。気付けば友人宅にも、家族と同じ人数の『生き物』が増えていた。

 

 

 

総合的なポイント


今回のお話は『空が光った』事によって、主人公はずっと自分の家にだけ変化が起こったと思いながら生活している、と言う点です。そして、最初は変な生き物が登場して、大変な事態になると思われたのに、意外にも普通に暮らせそうだと思い始める流れ。

ショートショートの場合、『オチ』に向かって徐々に『伏線』を積み重ねてゆくのが一般的ですが、今回は一旦状態を引き戻す手法をとっています。こうする事で、直前までの展開とオチに大きな落差が生まれ、面白さが増幅される訳ですね。

 

 

 

コラム/計画的な展開(前編)

 

小説の中でも、ショートショートは展開がとても重要です。それは文字数に限りがある為、展開方法にある程度限りがある為です。作品によっては構成上、もう少し展開に余裕を持たせたい場合もあります。しかし、それが無理な場合は工夫が必要です。

 更に詳しい内容については、次回のコラム/計画的な展開(後編)にてお話ししたいと思います。

 

 

 

就活生向けキャリアイベント実施中【dodaキャンパス】

 

  

 

 

にほんブログ村 小説ブログ ショートショートへ
にほんブログ村

↑↑↑ブログランキングに参加しています。面白かった方は応援お願いします。

 

R・ヒラサワの〜Novelist's brain〜 - にほんブログ村

↑↑↑読者登録はこちらからお願いします。

 


ショートショートランキング

↑↑↑最新のランキングチェックはこちら!