R・ヒラサワの〜Novelist's brain〜

小説・ショートショートの書き方ブログ

(解説から学ぶ小説書き方ブログ)今回の作品/落とし物の使い方、コラム/テーマからの発想方法(前編)

今回の作品/落とし物の使い方

 

給料日前、財布の中身が乏しかった男が何気なく路地に入ると路上に銀行の物と思しき封筒が落ちていた。幸いあたりに人影はなく、そのまま封筒を拾って中を確認すると、そこには現金が入っていたのだが……。 

ショートショート『落とし物の使い方』の全文はこちら↓↓↓

rhirasawanb.hatenablog.com

 

 


【CONTENTS】

 

 


テーマからの発想

 


今回のテーマは『落とし物』です。

『落とし物』と言えば、私が最近見た物ではハンカチや手帳、スマホのヘッドホンなどなどですね。財布などは、置き忘れた『忘れ物』の方が多く、コンビニで二回ほどレジに届けた事があります。

ショートショートのネタ的には、やはり『お金』あたりの方が展開がし易く、今回はその流れなのですが、あり得ない様な『落とし物』で考えると面白い物語が出来そうですね。

 

 


発想からのキーワード選出

 


ハンカチ、財布、現金、印鑑、届出、拝借

 

 

 

POINT1:タイトル

 


タイトルは『落とし物の使い方』です。

読者の方が小説を読む時、通常最初に目にするのが『タイトル』ですよね。『落とし物』と来た後に『使い方』となっていた場合、『ああ、拝借しちゃうんだ』ってなると思う訳です。

 

 

 

POINT2:書き出し

 


 男はその日、自分が路地に入った事をとても幸運だと思った。それは給料日を数日先に控えた日曜日、パチンコに負けた午後の事だった。

 路地には何気なく入った。繁華街を少しだけ離れた場所だったが、そこは驚くほど人通りが少なかった。

 路地に入ってすぐさま目に入ったのは、見覚えのある薄い緑色の封筒だった。それが銀行の物であるとすぐに分かったが、中身が入っている筈など無かった。

 

今回の書き出しは、あえて緩やかな展開にしてあります。これは構成上の問題なのですが、既にオチを知っている方はお分かりかと思いますが、かなり後半まで『ミスリード』が続きます。

主人公の男が遭遇した出来事について、徐々に、そして緩やかに展開してゆく様子は、あたかもこの流れの中に、何かしらの事件が起こりそうな雰囲気ですよね? そうです、狙いはそこにあるのです。読者の方に何かしらの期待を持たせつつ、『転句』を迎えて、ガラっと違う『オチ』へと繋ぐ訳ですね。


POINT3:ユーモア

 


給料日まであと三日。財布の中身は随分と寂しくなっていた。月の前半での無駄遣いが後々まで響き、ちょうど今日あたりに妻に前借りを打診してみるつもりだった。

『思わぬ臨時収入だな』と、男は思った。

 男はすっかり気が大きくなり、そのままパチンコ台の前に座った。自分の金では無いと言う意識が強かった為か、いつもより早いペースで金が吸い込まれていった。

 

思わぬ臨時収入があった時、どうも財布の紐が緩みがちです。前借りまで考えていたにも関わらず、たまたま入ったパチンコ店で、そのまま打ち始める。男の単純な行動パターンを表現しました。

 

 

 

 

 

POINT4:前半のストーリー

 

パチンコに負けた主人公が何気なく路地に入ると、道に銀行の封筒の様な物が落ちていた。

 

辺りに人の気配が無かったので、その封筒を拾って中身を確認すると、三万円入っていた。

 

 

 

POINT5:展開〜オチ

 

封筒の中身を確認したのがパチンコ店だったので、そのまま台に座ったが、直ぐに一万円を使ってしまったので、後は有効に使おうと、食事をした後ATMに向かい、貯金する事にした。

 

主人公の行動をずっと監視していた二人組の男達が、実は現金入りの封筒を用意した張本人で、現金は偽造紙幣だったので、その精度を確認する為の仕掛けだった。

 

 


総合的なポイント

 


今回の作品は、ミスリードが特に有効な作品です。最終的なオチは、主人公の本来の行動とは無関係なものです。

前半部分で、主人公が遭遇した状況に、いかに集中して読者の方に読んでいただくかと言うのが大きなポイントになります。そこから一気にオチへと進む訳ですね。

 

 

 

コラム/テーマからの発想方法(前編)

 

かつて、ショートショートを投稿サイトに送っていた時は、先ず『テーマ』がありきでの創作でした。現在は自分でテーマを設けてからの創作というスタイルに変えています。

以前の『人から与えられたテーマ』は、時に困難で、随分とアイデアを絞り出した事もあったものです。しかし、発想にはこの様な環境の方が刺激があって、新しい物を生み出すには向いているのかもしれません。

自分でテーマを考えると、どうしても都合の良い方向に向かってしまいそうなので、極力自分の思考とは無関係の物からテーマを探し出せる様、色々と工夫しながら執筆に取り組んでいます。

 更に詳しい内容については、次回のテーマからの発想方法(後編)にてお話ししたいと思います。

 

 

 


 

 

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