R・ヒラサワの〜Novelist's brain〜

小説・ショートショート書き方の基本

(解説から学ぶ小説書き方のルール)今回の作品/鍋奉行、コラム/セリフの掛け合い(前編)

今回の作品/鍋奉行

 

妻と二人で鍋を挟んでの食事。楽しいひとときだった筈が、妻が漏らし始めた日頃からの不満によって、良くない方向へと進み始めた……。

ショートショート鍋奉行』の全文はこちら↓↓↓

rhirasawanb.hatenablog.com


【CONTENTS】

 


テーマからの発想

 

今回のテーマは『鍋』です。

『鍋』と言えば忘年会など、人がワイワイと言いながら囲んでいる、そんなイメージです。普通の家庭では一家団欒のような、そういったイメージが浮かびました。

 


発想からのキーワード選出


忘年会、宴会、一家団欒、鍋パーティー鍋奉行

 

 

 

POINT1:タイトル

 

タイトルは鍋奉行です。

忘年会の席などに、よく居る『お奉行様』ですね。私はこの言葉を初めて聞いた時から、ずっと『ネタ』にしてみたいと思っていました。

短いワードで、しかも周囲の人が理解しやすく、楽しめる言葉は、ショートショートでは特に『使いたい』『作りたい』と思うのです。そこから新たに何かを展開するトレーニングは、様々な分野に利用出来ますよね。

 

 

POINT2:書き出し

 

「あなたって典型的な鍋奉行よね」

 鍋の向こう側から、溜め息混じりに妻の声が聞こえた。俺が顔を上げると、こちらをじっと見たまま妙な角度で箸を止めている。

「肉が先だの野菜がどうだのって、会社の中でもそんな風にちゃんと段取り考えて、誰かに指示とか出したりしてるわけ?」

 

『鍋』を挟んでの食事の表現として、『鍋の向こう側から……』と書いています。文字数を節約する方法として、同様の書き方は有効です。イメージ的には、ちょうど今回の様に中間にある物に触れつつ、その先の物を描く感じです。

 

 

 

POINT3:ユーモア

 

気の強い端と、頼りなく子供っぽい夫のやりとり。2人の会話により物語が展開して行き、その中にユーモアを含めています。

しかし、ここで重要なのは単に面白みのあるやりとりだけではなく、妻の口撃により徐々に変化してゆく夫の心理。その辺をうまく描くなければなりません。

頼りない分、穏やかに見える夫。しかし、そこには触れられたくない何か、つまり許しがたい言葉が存在するのです。

 

 

 

 

 

POINT4:前半のストーリー


鍋を挟んでの夫婦2人の食事。楽しいはずの食卓だったが、妻はつい日常の夫への不満を漏らしてしまう。

 

夫が妻の言葉に、静かに応戦する。妻の言葉は一向に止まらず、夫は言い訳を繰り返す。

 

POINT5:展開〜オチ


夫婦間での言い合いが続く中、妻が放った『話すのが時間の無駄』との言葉に夫は静かに『キレて』しまう。

 

夫は本当に妻を『さばいて』しまう。

 

 


総合的なポイント

 
物語の舞台が移動せず、定点となる場合、登場人物たちの会話などで、読者の方を楽しませなければなりません。

言葉の掛け合いは、キャラクターを明確にする目的は、会話を面白くするために、できるだけ対照的な人物同士を対話させるのが良いでしょう。

今回の物語のように、静かに登場人物の中に怒りを湧き起こさせる場合、会話の中でのやりとりやそこに至るまでのシチュエーションといった部分は、特に工夫が必要です。

結果として何かの事件が起こってしまった場合、それが読者の方に納得してもらえるような流れを作らなければなりません。

 

 

 

コラム/セリフの掛け合い

 

小説内におけるセリフの掛け合いとは、とても重要なものです。説明的にならない様、状況を読者の方に伝えたり、登場人物の内面描写をしたり、それぞれの人や物同士の関係性を表現したりと、その役割の範囲は非常に広いものです。

そしてそれは、単に人物同士が会話すれば成り立つかと言えば、決してそうではありません。そこには様々な手法があるのです。

 

 実際の作品を用いた、更に詳しい内容については次回『セリフの掛け合い(後編)』

にてお話ししたいと思います。

 

 

 

 

 

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