異音
妻と二人で出かけたドライブ。夫の運転が気いらなかった妻は自分で車を運転する事にした。再び走り出した車。しかし、その時何か異変を感じる妻。車はそのまま山中へと向かい、ドライブを続ける二人だったが……。
ショートショート『異音』の全文はこちら↓↓↓
【CONTENTS】
- テーマからの発想
- 発想からのキーワード選出
- POINT1:タイトル
- POINT2:書き出し
- POINT3:ユーモア
- POINT4:前半のストーリー
- POINT5:展開〜オチ
- 総合的なポイント
- コラム/言葉の選択(前編)
テーマからの発想
今回のテーマは『音』です。
音と言えば、まずは音楽や楽器、雑音や騒音、声なんかも浮かびました。このテーマは結構色々な話が出来そうで、比較的書きやすい方でした。
発想からのキーワード選出
音楽、騒音、雑音、楽器、異音
POINT1:タイトル
タイトルは『異音』です。これは普段鳴ってはいけない音ですよね。機械類なら故障も考えられます。要するに日常生活でこの音がすると良くない訳で、今回のオチとも深く関係しています。
POINT2:書き出し
「なんだか変だわ」
運転席のミホは、そう言って路肩に車を停めた。
「何が変なんだい?」
マコトは声をかけたが、あまり心配していなかった。ミホは機嫌が悪い時も同じ台詞を吐く事があるからだ。
二人で外に出ると些細な事から喧嘩になる事が多かった。何事も無く一日が終わる事の方が珍しい。
夫婦が車で一緒に出かけていますが、その関係性はあまり良くありません。
POINT3:ユーモア
仲の良くない夫婦を、できるだけユーモラスに描こうと思いました。そして、ここでのやりとりが楽しければ楽しいほど、オチへの効果が増すので、その辺を特に意識して書きました。
POINT4:前半のストーリー
起
夫婦でドライブに出かけたが、途中で運転していた妻が、何か変だと言って路肩に車を停めた。出かけた時は夫が運転していた車だったが、その運転が気に入らないからと、妻が運転することになっていた。
承
行き先は急遽山のほうに向かう事になった。妻は気まぐれな性格なので、いつもの事だった。そんな妻との良くない関係から、魔が差した夫には若い浮気相手の存在があった。
POINT5:展開〜オチ
転
妻が運転する車の中で、疲れていた夫は居眠りをしてしまい、気づけば車は山中に来ていた。
やはり変な音がするからと、斜面に少し乗り上げる形で車を停め、夫はその下に潜り込み状態を確認していた。
結
斜面に停めていた車が突然動き始め、夫は下敷きになった。落ち着いた様子の妻は直ぐに救急車呼ばず、夫の浮気について語り始める。
今回の事故は、夫への復讐を妻が計画したものだった。
総合的なポイント
仲の良くない夫婦。その冷めた関係の中で、夫に生まれた浮気心。妻は密かにそれに気付き、復讐を企てる。
この様なストーリーを普通に書くと、サスペンス的な雰囲気が冒頭から出てしまいます。今回は、いかに前半でユーモラスに書くかがポイントでした。単に仲の良くない夫婦で、夫が妻のマイペースぶりを少しずつ語る。場合によっては、これはコメディにもなりうる話なのですが、ここから一気に恐怖へとシフトさせる。その落差が大きいほど物語は面白くなり、これこそが『ショートショート』の醍醐味なのです。
コラム/言葉の選択(前編)
小説を書く上で、言葉の選択はとても重要な要素です。これはもちろん小説だけに限った事ではありません。
すべての文章において、選択した言葉が何であったかと言う事により、その印象は大きく変わりますし、読んだ人に与えるイメージや、そこに沸き起こる感情など、色々な事に影響を及ぼします。
私が書くショートショートの場合、物語によっては一般的には選択しない言葉を選ぶ場合もあります。これはもちろん、後々のオチなどと深く関係があるからです。
余談ですが、最近私はTwitter上で面白い、またはかわいい動画を見つけると、コメントを書かせてもらっています。これはその動画や画像からイメージした、いわば究極の言葉の選択になるからです。
そしてこれは何か文章を書く上で、イメージを膨らませる為の良いトレーニングになると考えています。一つの画を見ても、浮かぶイメージは人それぞれで、そこに付け加える言葉となると、さらに範囲が広がる訳ですね。
そして私は、出来るだけ独自の切り口で添えられる言葉をと、常に考えるようにしています。
更に詳しい内容については、次回『コラム/言葉の選択(後編)』でお話したいと思います。
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