創作の動機/白い壁
ショートショートの創作プロセスを、その『動機』に絞って公開するものです。深くそれを知ることで、ご自身の創作時のヒントにして頂きたいと思います。
今回の作品は『白い壁』です。
ショートショート『白い壁』の全文はこちら↓↓↓
【CONTENTS】
過去の出来事
以前にも触れた事があるかもしれませんが、私が小学生だった頃に担任の女性教師から聞かされた『怪談』が『白い壁』だったのです。当時住んでいた借家は本当に『白い壁』があって、それが異様に『白かった』のを覚えています。
実は夜にトイレに行くのが怖く、直ぐ近くに家族が居るのに、何故かそこは特別に『隔離された空間』の様に感じて、いつも急いでトイレに行っていました。
そんなある日、例の『怪談』を聞いてしまったのです。借家のトイレに続く廊下には、本当に『ガラス窓』があって、これが小学生の私にしてはとても『大きかった』のです。外の『暗さ』と『自分の影』。これらが同時に映るガラス窓は、私にとって『恐怖』意外の何者でもありませんでした。
窓を見なくていい様にと、頼りにしていた『白い壁』。『怪談』を聞いた日を境に、恐怖の対象は完全に『白い壁』になってしまったのです。しかも、その『恐怖』は今までとは比べ物にならないほど大きなものとなって私に襲いかかって来ました。
『担任教師』を恨みましたね、本当に。『なんて事をしてくれたんだった!』って。
転んでも『ただでは起きないタイプ』の私は、長い年月をかけて、これを『ネタ』にしたのでありました。
創作が上手く進まない……。そんな時、『もしも……』と、あてはめるだけ!
先ずは『試し読み』をどうぞ↓↓↓
抽出されたネタ
【白い壁】【教師】【事件】
『白い壁』を元に『教師』と結びつけた時、『借家』に絡んだ『事件』があると面白いと思いました。それを子供の頃の『恐怖』と結びつけるのです。
問題となるのは『教師』です。『借家』と『白い壁』。怪談の中では『壁から聞こえる女性の声』の話が出てきます。『壁の中』にいる『女性』が恨むのは誰なのか。そこのは『男性』の存在の方がしっくりくると思い、教師は『男性』としました。
創作の開始地点
トイレに行くのが怖かった子供の頃の記憶。単純に『怖がり』であった主人公に対して『追い討ち』をかける様な出来事。それは担任であった男性教師の『怪談』。主人公が子供の頃に暮らしていた借家と共通する怪談の中の出来事。
増幅する『恐怖』。怪談を語った教師の事を、恨めしいと感じる主人公。しかし、その先には、更なる『恐怖』が待っていた。
『作家脳シリーズ』の Vol.1~Vol.3 のショートショート作品と新作4編の計35編の作品集です。『作家脳』をまだご覧になられていない、或いはショートショート作品のみを楽しみたい読者の方におススメの一冊です。
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