今回の作品/夢の続き
夢の中で見た光景は、かつて男が子供時代を過ごした小さな町だった。何度も見た事のある夢。いつも決まって同じタイミングで目が覚め、そこから先が気になっていた。ある日男は、夢に出てくる街を実際に訪ねてみるが……。
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【CONTENTS】
- テーマからの発想
- 発想からのキーワード選出
- POINT1:タイトル
- POINT2:書き出し
- POINT3:ユーモア
- POINT4:前半のストーリー
- POINT5:展開〜オチ
- 総合的なポイント
- コラム/作品内における『乗りツッコミ』(前編)
テーマからの発想
今回のテーマは『デジャヴ』です。
『デジャヴ』と言えば、比較的『夢』に絡んだお話が多いのですが、今回も例外ではありません。潜在意識の中で記憶にリンクすると言う意味では、構成しやすいからかもしれません。バリエーションを増やす意味では、こう言った比較的多いパターンのものを選んで、且つ違った流れに持ってゆくトレーニングなども良いかもしれませんね。
発想からのキーワード選出
正夢、記憶、繰り返し、思い込み
POINT1:タイトル
タイトルは『夢の続き』です。個人的に『タイトル』については、よくお話させて頂くのですが、今回の場合だと『夢』の様なタイトルをつける方も、おられるでしょう。決して悪くはないのですが、既に物語を読んだ方はお分かりだと思いますが、それでは少し『足りない』のです。
物語は主人公が『何度か見た事がある夢』の話で、『夢の続きがどうなるのか』がメインです。よくありがちなのが、『足りない』ではなく『余分』な方です。『夢の続きは〇〇』など。タイトルは『過不足なく』が一番です。
POINT2:書き出し
「この光景は、確かに見た事がある……」
男は見覚えのある街の中に居た。それはかつて、小学生時代を過ごした、小さな街に違いなかった。
記憶にある光景と比べると、ある程度変わった場所もあったが、特徴的な地形と当時からあるタバコ屋が、男の記憶の裏付けとなった。
『夢の中』というイメージで、この様な書き出しにしました。通常、人が夢の中で『夢を意識』する事は、あまり出来る訳ではありません。時としてそれは何となく、そして『不確かな意識』で行われるのです。
POINT3:ユーモア
今回は主人公と一緒に、スリルを味わってもらう意味で、特にユーモア的な要素は入れていません。
POINT4:前半のストーリー
起
見覚えのある光景を見ていた主人公は、やがてそれが『夢の中』であると気付くが、そこからどうにも自分の意思で動くことが出来なかった。
承
その夢を見た時はいつも大金手にするが、そこから進めず、先の展開を知りたい願望があった。
POINT5:展開〜オチ
転
夢の事が、あまりにも気になった男は、夢に登場する場所に行く事にした。現実世界でも、夢と同じ展開を期待して。
結
夢に出てきた場所では、少し違った展開だったが、店員が近付いて来た事で慌てて店を飛び出し、自分の上着に入れてあってボーナスごと置き忘れる。
総合的なポイント
この物語で主人公が『デジャヴ』となるのを期待していたのは、男が羽織ったジャケットに大金が入っている事だったのですが、オチでは『逆』の事が起こります。つまり、大金が入ったジャケットを置いていったのは、実は主人公だった、という事です。
小説の中で本来あるべき姿や、主人公が期待している事と『逆』の出来事が起こった時、それは『ユーモア』や『オチ』に繋げる事が出来るのです。
コラム/作品内における『乗りツッコミ』(前編)
物語の中での『ユーモア』ですが、私は極力作品内に取り込む事にしています。単に『ユーモア』として存在する事もありますが、文章にリズムを付けたり、緊張感を解いたりと、その役割は様々です。
タイトルで『乗りツッコミ』としていますが、単にユーモアだけを書く場合もあります。実際の作品を用いた詳しい内容については、次回のコラム/「作品内のおける『乗りツッコミ』(後編)」にてお話ししたいと思います。
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