ショートショート作家 R・ヒラサワの〜Novelist's brain〜

小説の書き方ブログ。ショートショート作家 R・ヒラサワが自身の作品を用いて詳しく解説。新作随時公開中!

(小説・ショートショートの書き方)創作の動機/ハロウィンの夜

創作の動機/ハロウィンの夜

 

ショートショートの創作プロセスを、その『動機』に絞って公開するものです。深くそれを知ることで、ご自身の創作時のヒントにして頂きたいと思います。

今回の作品は『ハロウィンの夜』です。

 

 

 

【CONTENTS】

 

 

 

過去の出来事

 

私は殆ど毎日電車を利用するのですが、ある日の夕方、同じ車両に大学生と思しきグループが居ました。最初は全く気付かなかったのですが、よく見ると中央に立っている男性の頭が『チョンマゲ』だったのです。勿論、時代劇で見るようなリアルなものではありません。何処かの雑貨店で手に入れた様な、一見して『パーティグッズ』に見えるものでした。
この日はハロウィンとは全く無関係の時期で、大学で何かのイベントでもあったのでしょうか、きっとその『ノリ』のまま電車に乗り込んだのでしょう。もしかすると、こんな格好で乗ったら周囲の人々はどんな反応をするか、見たかったのかもしれません。彼らは私と同じ駅で降りたのですが、その後どうなったかは定かではありません。

今度は別の日でした。これは後で分かったのですが、その日はちょうど『ハロウィン』だった様です。
『仮装』と思しき女性を見ました。今度は繁華街ですが、腕に包帯を巻いた状態で顔には『血糊』のメイク。この『血糊』が一見して本物でないと分かったので、『ああ、アレか』とおもいました。私はハロウィンに全く興味がなく、身近にこの様なイベントに参加する人が居なかったので、時期にも内容にもまるで無関心だったのです。ただ、その頃から参加する人が増え、夜の問題行動などがニュースで報道される事があったので、何となく知っていた程度です。

前述のお話が二つ重なった事で、私の頭の中には強いイメージが残り、それは数年経って『物語』となりました。それが『ハロウィンの夜』です。
これらを単純に『仮装をした人を見た』と言うのは一般の方々の思考でしょう。何も問題はありません。しかし、作家は常に創作のヒントを探し続ける必要があります。何かを見た時、これを直ぐに活用しなくてもいいのですが、できる限り頭の隅に強いイメージとして残す、或いはヒントになり得るネタと感じたのであれば、『ネタ帳』などに書き留めるという習慣をつけるのが良いでしょう。手帳を持ち歩かない人は、おそらく多くの人が携帯電話を所持している筈ですので、『メモ』の様な機能を使って『記録』するのです。そして、これらのアプリは直ぐに使える様、セッティングだけはちゃんとやっておきましょう。

 


抽出されたネタ

 

【ハロウィン】【仮装と一般人】【リアルなメイク】

 

舞台は『ハロウィン』です。そして、仮装した人が一般人の集団に紛れているのも滑稽でした。パーティー中はいいかもしれないけど、一般人に紛れた時、きっと気まずいんだろうと思いますし、それが『一人』だったら尚更でしょう。
【これが『逆』だったら?】
一気に物語の予感がしますね。何かの発想を得ようとした時、オーソドックスですが『逆』は有効です。思考の途中で何度も寄り道する価値があるのが『逆の発想』。上下左右は勿論の事、立場や構造に色や形状。いくらでもアイデアは尽きません。
そしてリアルなメイク。こちらも『逆』で、本来メイクである筈のものが、『リアル』だったらどうなるのか?

 


創作の開始地点

 
現実世界で見た光景は、一般の人々に『仮装した人』が混じる事によって生まれる『違和感』。物語の中でそれらは『逆』になり、『仮装した人々』の中に『現実世界の一般人』が混じる。しかも、メイクではない『リアル』で。
ハロウィンの仮想パーティの会場の中に、ナイフで刺された『本物の怪我人』。周囲は気付かない。何故なら此処は『ハロウィンパーティの夜』だから……。
とってもリアルな『血糊のメイク』。リアルな筈だよね、だって本物なんだから。冷や汗までかいてる感じ。表情もすっごく『リアル』。だって本物だもん!
誰も気づかない、気付かない……。あっ、でも救急車がやって来た! 誰かが気付いて呼んでくれたんだ! ストレッチャーに乗せられ、これできっと助かる!
でもね、救急隊も仮装だったんだよね……。さて、この後どうなるんだろう……。
 
 ショートショート『ハロウィンの夜』の全文はこちら↓↓↓

rhirasawanb.hatenablog.com

 

 

 

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