ショートショート作家 R・ヒラサワの〜Novelist's brain〜

小説の書き方ブログ。ショートショート作家 R・ヒラサワが自身の作品を用いて詳しく解説。新作随時公開中!

(未来を彩るAIの物語 #人工知能 #プロット)今回の作品/AIプラス

今回の作品/AIプラス

 

ショートショート『AIプラス』の全文はこちら↓↓↓

rhirasawanb.hatenablog.com

 

【CONTENTS】

 

テーマからの発想


今回のテーマは人工知能です。『人工知能』と言っても、そのサポート範囲は様々で、確かに『学習』する事に違いはありませんが、近年では本当に『人間』に近いものまであって、技術の進歩も凄いものです。そして勿論ですが、この辺りのお話って、とても小説の『ネタ』にしやすいんですよね。

 

発想からのキーワード選出


人工知能』『学習』『個体差』

キーワードは比較的オーソドックスなものですが、この中でも注目したのが『個体差』ですね。これは一般的には『製品ごとの差』となると思いますが、私が考えたのは、同じ製品でも学習方法やベースとなる『人物』が異なると、習得した内容に大きく変化が出るだろうなと思った訳です。
身近なところではネットの『検索』。これは履歴によって検索画面で『候補』がユーザー毎に異なっていたり、ネットショッピングでは『おすすめ商品』や『広告』の出かたも違いますよね。これがもっと精密な『ロボット』だったら面白いだろうなって、そんなところからの発想です。

 

POINT1:タイトル


タイトルは『AIプラス』です。『プラス』を付けたのは、少なくともこの物語を書いた時点でのAIについて、作中の内容ほどの進歩はしていないと思ったので、現状よりも『先を行っている研究』と言う設定にしたためです。

 

POINT2:書き出し

 

 人工知能である『AI』。例えばロボットなどに搭載されている場合であれば、予めプログラミングされた動作に対し、新たに経験した事を『学習』し、更にレベルアップした動作ができる様にするものだ。最近では随分と進歩はしているが、まだまだ人間に近いとは言い難い。特に初期段階のプログラミングに博士は問題を感じていた。

 

通常の書き出しであれば、この時点でもう少し周辺の情報を入れる段階ですが、今回は『AI』についてある程度説明が必要であった為、この様な書き出しにしています。これはどの作品にも言える事ですが、作者と読者の間にある『知識』について、そのギャップを先ずは埋める必要があります。
そして、次に場面設定。これは単に作者がこれから描く世界について予め設定を明らかにしておかなければ、読者はその作品世界に入って来るのが遅くなってしまいます。特にショートショートの様に文字数の少ない作品の場合、可能な限り『後者』は早く済ませる必要があります。それがあまりに遅いと極端な話、物語を読み終える頃にやっとその世界に『入れた』といった状況になる事もあるのです。

 

POINT3:ユーモア

 

 博士のイメージでは、このロボットが上手く『成長』した時には自分の『可愛い助手』にしたいと考えていた。その為のモデルの候補が二人いて、これは行きつけの飲み屋の女性だった。

 

『飲み屋の女性』についてのくだりは他にも出てきますが、この辺りはユーモラスに書くようにしています。これは単に『笑い』のためだけでなく、今回の作品では大事な『伏線』になっています。
伏線について、その張り方は色々とありますが、読者に気付かれない様する為に、本筋を外して恐る恐る書くのではなく、この作品の様に『ユーモア』を含めるのもテクニックの一つです。何故なら、作中に『ユーモア』を取り入れる為に、時として本筋とは『無関係』と思われる内容を含める事もよくありますので、伏線が本筋と少し『離れた場所』にあるものである場合、特にこの方法が効果を発揮するのです。

 

創作が上手く進まない……。そんな時、『もしも……』と、あてはめるだけ!

先ずは『試し読み』をどうぞ↓↓↓

 

POINT4:前半のストーリー


人口知能の研究をしている主人公の博士は、現状の『AIロボット』の初期段階の学習について問題を感じていた。それはベースとなる学習段階が不十分であると言う事だ。

 

主人公は初期段階の知能のプログラミングに、実際のモデルとなる人物の脳をスキャンする事によって、学習させる方法と装置を考案しており、その『モデル』には行きつけのスナックの女性から選出する事を考えた。

 

POINT5:展開~オチ


先々を考えAIロボットの初期プログラミングのモデルは『女性的』な人物を選んだが、細かい気配りが出来る反面、『容姿』に対して神経質な面があり、主人公は少し仕事への支障を気にしていた。

 

体の汚れが気になったAIロボットは、それを綺麗にしようとシャワーを浴び、ショートして『スクラップ』になる羽目になった。

 

総合的なポイント

 

今回、物語のオチ自体にはあまり『捻り』がありませんが、それらをカバーするのは『ユーモア』です。主人公である博士は、少し『女好き』の雰囲気を持っており、『女性に甘い』部分もあります。『オチ』への『伏線』となっているのは、主人公の『女好き』が関係しており、これによって『初期プログラミング』でモデルとなる女性の『選択ミス』をして、これが最終的に時間をかけて成長させた『AIロボット』を『スクラップ』にさせてしまう原因た訳です。これらをユーモラスに描く事によって、それを『伏線』である事に『気付かせない効果』が生まれるのです。

 

 

コラム/小説の『切り口』(前編)

 

『動画』は、その中に『構成』や『ストーリー』があって、それらは作者が意図した順番で視聴者にみせる事が出来ますが、小説の『書き始め』はいわゆる『静止画』の如く、作者が意図した通りに読者にイメージを上手く伝えなければなりません。その為に『切り口』、要は『書き出し』がとても重要になってきます。
ショートショート』は短い物語です。如何に上手く伝えたい物語の『切り口』を作るかで、作品の良し悪しは随分と変化するのです。

 

更に詳しい内容については次回、小説の『切り口』(後編)にてお話ししたいと思います。

 

 

 

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