ショートショート作家 R・ヒラサワの〜Novelist's brain〜

小説の書き方ブログ。ショートショート作家 R・ヒラサワが自身の作品を用いて詳しく解説。新作随時公開中!

(アクセスアップ)Twitterフォロワー1000人!(番外編)

Twitter

フォロワー1000人!

 

 

Twitterのフォロワーさんが、ついに1000人になりました!

さて、その理由とは?

 

【CONTENTS】

 

 

 

 前回記事時点のフォロワー数

 

(2020年1月10日)時点=698名

 


前回の記事以降も、大体同じペースでTwitterを続けていまして、その後気付けば、

 

フォロワーさん、1000人!

 

になってました。本日(2020年2月9日)の事です。

つまり、2019年11月始めの(90名)から

 

3カ月で11倍以上!

 

って事になりますね。

 

 

 

一体何をしたのか?

 

結局は、前回の記事と同様で『コメント付きリツイート』です。

『いいね』がつき、その『リツイート』がさらに『リツイート』されます。

『いいね』をしてくださった方は、やはりできるだけ『フォロー』させていただいていますので、その方から『フォロー』された結果、フォロワーさんが増えた訳です。

 

 


今回の記事を書いている時点でのフォロワーさんの数

 

f:id:RHirasawa:20200209210308j:image

1000人です。 

 

 

 

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ブログへの影響

 


今回もやはり、検索エンジンから来られている方はほとんどいません。

前回、Twitterからブログに来ていただいてる方が、ブログランキングから来られている方の割合を超えていたのですが、メインである『はてなブログ』の新着を見て来られている方、そして何故かブログランキングから来られている方の割合が増えました。理由は分かりません。

 

 


そして最後に


Twitterの拡散力は、改めてすごいなと感じました。

私はブログで、主に小説を書き始めた方を対象に『書くためのヒント』を提供出来るようにと、記事を書いています。私自身が『スランプから脱出』して小説を書き続けることが出来ているという状態を、これからも維持したいと考えています。 

 

 

 

ショートショートの書き方』を、作家の視点で詳しく『超解説』‼

 

 

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(解説から学ぶ小説書き方ブログ)今回の作品/鞄、コラム/小説はどのように完成するのか❷(前編)【構成編】

見るからにきゃしゃな男は、いつも黒い鞄を大事そうに抱え、繁華街をウロウロしたり、路地に消えたり。男は一体何者なのか……。

ショートショート『鞄』の全文はこちら↓↓↓

rhirasawanb.hatenablog.com


【CONTENTS】

 

 


テーマからの発想

 

今回のテーマは『鞄』です。鞄と言えば、我々男性の場合は『通勤鞄』あたりでしょうかね? よく使うと言えば。人によるとは思いますが、女性の様に普段鞄を持ち歩く割合が随分と低いと思います。

そうなると、仕事に関連した『鞄』、要は会社から持たされている様な物、と言う所に行き着きました。

 

 

 

発想からのキーワード選出

 

鞄、通勤、ポーチ、ウエスト、リュック

 

 

 

POINT1:タイトル

 

タイトルは『鞄』です。シンプルに付けています。例えばこれを『◯◯◯な鞄』と付けると具体性は増すのですが、これは読者の方に『先を読む材料』を提示する事にもなりかねません。


エンターテイメントは、楽しんでもらうのが一番の目的だと私は思っています。ですから『ネタバレ』を警戒するが為に隠し過ぎてもいけませんが、見せすぎも『読む楽しみ』を奪ってしまう場合もあります。

私は書き上げた最終原稿を、一週間程度寝かせてから読む様にしています。一旦頭の中をクリアしてから読むのです。そうする事によって、このタイトルで良いのかどうか判断もしやすくなると思います。

 

 

 

POINT2:書き出し

 

 街中で二人体制の警備員が、周囲の様子を神経質に確認しながら、黒い鞄を運んでいる。

その中身と言えば、大抵が現金等である。

 一方で、見るからに気が弱そうで、きゃしゃなその男が持っていたのも、同じ様な鞄であった。

 

時折、大きな駅や繁華街などで、警備の方が運んでいる姿を目にすると思うのですが、先ずは多くの人が知っているであろうイメージを描いてもらい、その後に対照的な主人公を持ってきています。

作中、これは一番大事なイメージで、頭の中に描き続けながら読んでもらう事で、今回のオチに対する効果が大きくなる訳です。

 

 

 

POINT3:ユーモア

 

 中には一体何が入っているのか? きっと大事な物に違いないとは誰もが思っていたが、それならば、どうしてあんなひ弱な男にそれを持たせているのか? 他に誰か頼りになりそうな、もっと体格のいい男は知り合いに居なかったのか? 男は全く謎だらけの人物だった。

 

他人の会社のセキュリティの度合いなど、周囲の人がとやかく言う事ではありません。

男はとにかく、周囲の人が何か言いたくなるぐらい頼りない雰囲気だったのです。これは勿論、オチに直結している訳ですが、その効果を最大限に引き出す為に、あえて書いているくだりです。

 

 

 

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シリーズ第二弾
シリーズ第三弾

 

 

POINT4:前半のストーリー

 

繁華街でよく目撃される、きゃしゃな男は、いつも黒くて大きな鞄を、周囲をうかがいながら大事そうに抱えていた。

 


男を知る人々は、一体彼が何者で何の目的で現れ、そしてあの鞄の中身が何なのか、いつも不思議に思っていた。

 


POINT5:展開〜オチ

 

ある日、男に狙いを定めた強盗が現れ、後を付けて路地へと向かう。

 

 

見かけよりも遙かに強かった男は、強盗を返り討ちしただけに留まらず、逆に金を奪い取る。実はこの男、強盗を専門に狙う強盗だった。

 

 


総合的なポイント


今回の物語は、いかに前半で『男』の周囲からのイメージを、読者の方に伝えるかがポイントになります。男が強盗に出会うまで、つまり前半部分は全て地の文での語りとなっているので、上手く飽きない文章に仕上げなければいけません。


『飽きない文章』のポイントとなるのは、やはり『文章のリズム』です。以前、リズムについての記事を書いていますので、こちらもご参考に。

『コラム/文章のリズム』はこちら↓↓↓

rhirasawanb.hatenablog.com

 

 

 

コラム/小説はどのように完成するのか❷(前編)【構成編】

 

❶の『アイデア編』では、テーマからアイデアを導き出す過程をご説明しました。この段階で、おおよそ物語はこう言う内容で、そこに必要なエピソードなどが何であるかが決まりました。


次は『構成』です。構成は小説を書き始めた方が、その進め方に苦労する作業の一つだと思います。

それぞれのエピソードが決まっていても、それを何処に、そしてどのタイミングで見せるかによって、物語の印象は大きく変わります。ショートショートなどでは、場合によって、伏線の効果がゼロに近い状態になってしまう事もあるのです。

小説を書く上で、特に重要な『構成』の更に詳しい内容については、次回コラム/小説はどのように完成するのか❷(後編)【構成編】にてお話ししたいと思います。

 

 

 

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(『味』がテーマの作品例) 新作ショートショート(4)/さじ加減

新作ショートショート(4)/テーマ(味)

 

 

 

さじ加減

 

 

「何よ、これ。塩っ辛い!」

 日曜日の昼の事だった。久々に私が作ったチャーハンを食べた妻は、塩が多いと言いだした。

「そうかな……」

「そうよ。だって、あなたインスタントコーヒー、ちゃんと作れないじゃない!」

「それは、そうだけど……」

 確かに妻の言う通りだった。私はインスタントコーヒーが上手く作れない。目分量をスプーンで入れるのだが、毎回納得のいく味にならないのだ。周囲の人達は疑うが、これは本当の話だった。

「あなたは他人と比べて『味覚』がおかしい『味覚障害』なんだから、このチャーハンの『塩』だって多過ぎるのよ」

 妻はそう言うが、これは『味覚障害』ではない筈だ。単に分量の測り方、要は『さじ加減』が苦手なだけで、むしろ微妙な味の違いは分かっている。

「そんな事ないと思うけど……」

「そうなのよ、絶対! あのねえ……。塩分の摂り過ぎは体に良くないんだから。それとも何? 私を『早死に』させたいわけ?」

 そんな気は毛頭無かった。しかし、執拗な口撃を受け続けると、そんな気持ちも湧いて来るかもしれない。

「分かったよ。それは俺が食べるから。新しいの作るよ」

「もういいわ、自分で作るから。これだから、男の『休日クッキング』って嫌なのよね。キッチンを汚す割に味はイマイチだし、そのくせフライパンだけは大げさに振りたがるの!」

 それも妻の言う通りだろう。たまの料理となると、男達はもちろん張りきるだろうし、一様にフライパンを振りたがる。きっと先祖から受け継いでいる、重要な遺伝子に違いない。

 結局、妻は新しいフライパンを用意して、自分用のチャーハンを作り始めた。フライパンの振り方は随分と地味になったが、間違いなく自分で作った方が旨いと言うに決まっている。

 妻は元々料理が得意だった。学生時代には料理もちゃんと習っていたようで、確かに手際はいいし、大抵のものは目分量で測り、それなりに味が整うそうだ。

 私のように何でもきっちり測るタイプには真似の出来ない事であった。

 そして妻は素早くチャーハンを作り上げた。その一方で、今朝残してあった味噌汁を同時に温め出す。

「チャーハンに味噌汁かい?」

「いいのよ、これで。いちいち何でもちゃんと組み合わせて作っていたら、食材がいくらあっても足りないわよ。私たち主婦はね、そういう材料の事とか色んな事いっぱい考えながら料理してんのよ!」

 妻は出来たばかりのチャーハンと、温め直した味噌汁を静かに食べ始めた。

「ヤダ、この味噌汁塩辛いわ」

「そうだったかな?」

「そうよ。あなた今朝飲んだのに気づかなかったの? そうだ、あなたは舌が鈍感だから、何事も無く飲めたのよ」

 私の味覚がどうのと言うより、治すべきは妻の性格の方だと思った。

 私には以前から少し気になる事があった。妻は大抵『塩辛い』と言う言葉を発する。塩分濃度を測定する機械は、その為に内緒で買ったものだ。私はそれをそっと味噌汁に差してみる。結果はやはり予想していたものだった。

 塩分濃度は適正値を少し下回った数値だった。これは一般人が食べた時、あまり塩辛いとは感じない数値だ。

 妻は日頃から、自分の非を認めようとしない性格だ。何かがおかしい時は、常に周囲に問題があると考える。

 そんな妻が自分の『味覚障害』を認めるかどうかは、それを指摘する私の言葉の『さじ加減』にかかっている様だが、それは私が最も苦手とする事だった。

 

 

【その他のショートショート作品はこちら↓↓↓】

時空モノガタリ投稿作品 カテゴリーの記事一覧 - R・ヒラサワの〜Novelist's brain〜

時空モノガタリ未発表作品 カテゴリーの記事一覧 - R・ヒラサワの〜Novelist's brain〜

新作ショートショート作品 カテゴリーの記事一覧 - R・ヒラサワの〜Novelist's brain〜

 

 

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(小説の書き方の基本を公開)コラム/小説はどのように完成するのか❶(後編)

小説はどのように完成するのか❶(後編)

 【アイデア編】(ショートショート/異音)

『小説が上手く書けない』と言う方で、『作曲』が上手く出来る人が居ました。私は作曲が上手く出来ません。

私自身『小説』は自然に書けている部分がある程度あり、これこそが双方の不得意分野の『理解出来ない部分』ではないかと思います。この部分を展開する事によって、少しでも『書くためのヒント』になればと思います。

 

ショートショート『異音』の全文はこちら↓↓↓

rhirasawanb.hatenablog.com

 

【CONTENTS】 

 

 

 

テーマを元にした設定作り


●テーマ/音

●キーワード/音楽、騒音、雑音、楽器、異音

  

今回は、アイデア編です。物語の骨子となるアイデアは、テーマとキーワードを元に全体像を作ってゆきます。

以下は、考えられる設定を羅列したものです。

 


❶テーマから連想されたキーワードは五つ。

❷通常キーワードの中で最も異端の物を選出するので、今回のキーワードは『異音』になる。

❸タイトルは、今回キーワードと同じにする予定なので、アイデアはその方向で練る。

❹『異音』はあまりいい意味で使われないので、聞きたくない、聞こえてはいけない『音』とは何かを考える。

❺『雑音』を考えた時、携帯電話の着信音も耳障りな場合があると思う。

❻他人の着信音は聞き慣れないので、場合によっては不快に感じる事もある。

❼目覚ましのアラーム音は、起床時以外に聞くと余計な緊張感を感じる。

❽緊張感のある音とは、危機感や恐怖感を感じさせるものではないかと思う。

❾恐怖感を感じる音の中でも『死』が迫る音が最も怖いのではないか。

 

 

 

(SAICAME)

 

 

 

設定の具体化と説明


次に、羅列した設定をさらに具体化して行きます。


❶〜❷

テーマに対して、大体キーワードは五つ程度出す様にしています。その中から最も異端と思われるものや、単純に面白いものを選出します。


タイトルの決定は、執筆前が一番多く、次に執筆途中。書き上がってからのタイトル決定と言うパターンは殆どありません。

タイトルの決定方法は、書き手の方によって随分と違うと思いますが、それが全体を表すものである以上、書く前にイメージするか、書いている途中でイメージが湧いてくるかなので、私の場合は前半に集中してタイトルを付けています。


❹〜❻

耳障りな音の候補として、他人の携帯電話の着信音が、まず浮かびました。

普段聞き慣れない音。しかもそれに、何かしらの疑惑が絡んでいたとしたら、なおさら気になる事になるのではないか、と思ったのです。

ここに来て、初めて夫婦の存在が候補として出てきます。それはもちろん仲の悪い夫婦です。夫婦間の揉め事と言えば、やはり浮気。妻が夫のそれを疑うのが妥当だと思いました。


❼〜❽

夫の浮気を疑っていた妻が、証拠となる事実を掴み疑惑が確信となる。そして妻は夫への攻撃を考える。その方法として、殺害を企てるのが一番インパクトがある。

しかし、単純に人は殺人を犯さない。ならば、何か巧妙な手口で完全犯罪を狙う方向となる。一般的な方法として事故に見せかけるパターンに決める。


『死が迫る音』とは何か? 『頭が割れる音』はどうか? 間近で聞こえて、最も恐怖感を感じるのではないか?

 

 

 

 

完成したアイデアの骨子

 ●夫の浮気を疑っていた妻が、その証拠を掴み、それを確信する。そこには『音』が関係しており、それには聞き慣れない携帯電話の着信音を使う。


●夫婦は以前から仲が悪い。


●妻が夫を誘い出し殺害を企てる。


●殺害は事故に見せかけた方法を考えるが、そこには『頭が割れる』と言う状態を盛り込む。

 

 

以上でアイデア編は終了となります。次はこれらを使って構成を考える流れとなります。(このコラムは【❷/構成編】へと続きます)

 

次回は、ショートショート『鞄』の創作プロセス公開です。

 

 

 

 

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(解説から学ぶ小説書き方ブログ)今回の作品/未来から来た男、コラム/小説はどのように完成するのか❶(前編)

未来から来た男

 

主人公が社会人となって直ぐに、女手一つで自分を育ててくれた母親は他界した。母と再婚する筈だった相手の男が残した借金を、母はずっと返し続けていた。母の始期を早めたげんいんであろう男に会うために、主人公は過去の世界へと向かうが……。

ショートショート『未来から来た男』の全文はこちら↓↓↓

rhirasawanb.hatenablog.com

 


【CONTENTS】

 

 


テーマからの発想


今回のテーマは『時空』です。

『時空』と言えば、やはり『時空を超える』などと言う意味で、何かしら未来や過去といったもの、要はタイムマシンのような事がすぐに浮かびました。

 
発想法を鍛えると言う意味では、これとは全くかけ離れたものを、書けるようにしなければならないのですが、そのあたりはもう少し、引き出しを増やさなければいけないな、と感じました。

 

 

 

発想からのキーワード選出


時空、未来、過去、ねじれ、タイムマシン

 

 

 

POINT1:タイトル

 

タイトルは『未来から来た男』です。

実にシンプルなタイトルだと思われるかもしれませんが、これもやはり最後のオチに深く関係しています。

このブログでよく書かせていただいているのですが、小説にとって『タイトル』は、とても重要です。それは、作品全体を表しているのが理想的なのですが、場合によって具体的に書きすぎない方が良いこともあります。物語の中の仕掛けを表現しつつも、すべてをバラしてしまわない。それが理想のタイトルではないかと私は思います。

 

 

 

POINT2:書き出し


 コウタが生まれる半年以上前に、両親は離婚した。その後に現れた男は、コウタの父親になる筈だった。しかし母が保証人になった多額の借金を残して姿を消した。

 その後の生活は苦しかった。しかし、母は逃げなかった。気丈に振る舞いコウタを守り続けた。

 

主人公とその母親、そして父親になる筈だった男。主要となる三人の人物の関係性が、ここまでで分かります。小説はその中にあるエピソードを、少しずつ明らかにしてゆき、少しずつ謎の部分をを解いていくと言う、そういうタイプの文章なのですが、状況設定などについては最初の段階である程度明らかにしておく必要があります。


書き手の方によっては、ネタバレ等を心配して、重要な事を、かなり後半で明らかにする方もいらっしゃるのですが、これはあまり良い方法だとは思えません。それは場合によって、唐突な感じを与えてしまったり、読者の方がなかなか物語も世界に入り込めていないと言う状況が生まれます。


ショートショートは、一般的な枚数であれば、五分程度で読めてしまう物語です。ですから、一刻も早く読者の方を物語の世界に案内しなければなりません。

そういった意味で、重要な状況については、出来る限り始めの内に明らかにしておく必要があるのです。

 

 

 

POINT3:ユーモア

今回はユーモア的な要素は加えていません。物語の内容に応じて、入れない場合もありますが、個人的には可能な範囲で入れた方がいいと思っています。

真面目な内容でも、こう言った部分がある事によって、物語を引き締める役割を持たせる事が可能だからです。

 

 

 

創作が上手く進まない……。そんな時、『もしも……』と、あてはめるだけ!

先ずは『試し読み』をどうぞ↓↓↓

 

 


POINT4:前半のストーリー

 

女手一つで自分を育ててくれた母親が他界し、主人公は生前の母を苦しめた男に、過去の世界で会って、復讐しようと考える。

 

 

 過去の世界では、未来に影響を及ぼす行為は禁止されている。しかし、主人公は覚悟を決めて行く事を決める。

 

POINT5:展開〜オチ

 

過去の世界で男に会って復讐しようとするが、男は『大変な事になる』と言って、それを阻止しようとするが、主人公に銃で撃たれる。

 


主人公が撃った男は、実は母の不倫相手で、主人公の父親だった。男の死によって、主人公も世の中から消えてしまう。

 

 

総合的なポイント

 

主要となる人物が三人出て来ますが、それぞれの関係性などを分かりやすく書く必要があります。

特に『過去の世界』を扱ったお話は、辻褄が合わなくなったり、設定上の問題が出たりと、注意すべき点が増えてしまいます。

厳密に言えば、『過去の世界』に誰かが行く事で、少なからずそれ以降の世界に影響は出る筈なのですが、そこは『物語の世界』と言う線引きで、設定上の辻褄を合わせる範囲で良いかと思います。

 

 


コラム/小説はどのように完成するのか❶(前編)

 

かつて知人に「物語を書きたいけど、どう書いたらいいか分からない」と言われた事があります。

知人はある分野においては、プロ顔負けの事が出来る人で、私は逆にその分野では全く何も出来ません。互いに得意分野では、あまり意識せず、基本的な事が出来る様です。これはきっと、他の方にもよくある事だと思います。


自分が普段意識せずやっている事を、他人にわかりやすく説明すると言う作業が、一体どこまで上手くいくか分かりませんが、今回より数回にわたり、どの様に物語を組み立てるのかを解説したいと思います。


具体的な方法については、次回『小説はどのように完成するのか❶(後編)』でお話したいと思います。

 

 

 

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(『野球』がテーマの作品例)新作ショートショート(3)/空振りバット

新作ショートショート(3)/テーマ(野球)

 

 

空振りバット

 

 

「じゃあ、明日の試合は九時開始だから、絶対に遅れるなよ!」

「ああ、わかってるよ!」

 世間の人が俺達の事を見たら、きっと仲の良い中年男二人に映るだろう。

 しかし、実際は違う。俺がアオキに抱いているのは『劣等感』の塊だった。さっき交わした約束にしても、何だかアオキに命令されている様で嫌な気分だった。

 高校の同級生だったアオキとは、こんな関係が既に二十年近く続いている。アオキは俺のそんな感情を全く知らない。それもその筈、アオキは常に俺の前を走っているが、必死について行こうとしている俺に気付いていないし、優越感も感じていないのだから。

 世の中には元々器用な人間が居る。そんな奴等に俺みたいな、常に劣等感を感じている人間の気持ちなど、きっと分かる筈がないのだ。

 俺がアオキと出会ったのは、高校の野球部だった。共に小学生から野球を始めていた。同じクラスの連中よりも、部活でのつながりの方が断然強く、気付けばアオキとは親友と呼べる様な仲になっていた。

 入部したての頃、ボールに触れられるのは、せいぜい球拾いの時ぐらいで、本当の練習は家に帰ってからの僅かな時間が勝負だった。真面目なアオキは、コツコツと練習を積んでいたようだ。

 俺は不器用な上に、バイトのお陰でアオキほどの練習量が積めず、二人の差は開く一方だった。

 二年生になる前に、アオキはレギュラーの座を射止めた。直ぐに活躍し始めて、他校にまでファンの女子が出来る程だった。俺は三年になってようやく試合に出れる事があったが、補欠と言うポジションに変わりはなかった。

 高校を卒業して共に進学した俺達だったが、勉強も出来たアオキは一流、俺は二流の大学だった。その後アオキは有名な商社、俺は無名の中小企業に就職し、すっかり会う事も無くなった。

 そんなある日、アオキと俺は街で偶然に出会う事になった。

「よう、タナカじゃないか!」

 俺を見つけて先に声をかけてきたのはアオキの方だ。

「いやあ、久しぶりだな」

 二人は互いに懐かしさに浸っていた。

「なあ、タナカ。今度会社の連中と草野球のチームを組む事になったんだけど、オマエも一緒にやらないか」

 一瞬、高校時代の劣等感が蘇った。

「俺たち、もういいオヤジだし」

 アオキは遊び程度の草野球だと言う。それなら気楽にプレー出来そうだったので、俺はチームに参加する事にした。

 チームを組んでから三ヵ月後、俺とアオキの関係は高校時代と全く変わらなくなっていた。

 草野球でも成績優秀で、年齢の割に爽やかなルックスのアオキは、ママさん世代の女性ファンがついていた。やはり周りから注目されていたのだ。俺の方は目立った活躍もない、ただの中年オヤジだ。もちろん女性ファンなど一人も出来なかった。

 アオキはホームランをよく打つ。注目されない訳がなかった。俺は思った。もう自力では無理だ。せめてアオキとの差を縮めたい。俺が伸びないのなら、アオキが落ちてくれればいいのだ。

 仕掛けは簡単だった。知人に野球のバットを製作してる人がいて、ちょっと細工をしてもらうのだ。

「罰ゲームで使うんだよ。そう、バットの芯の部分を細工して、当たってもちゃんと飛ばないようにして欲しいんだ」

 バットの出来は完璧だった。何度やっても上手く飛ばない。俺はこのバットをアオキの誕生日にプレゼントした。

「お前にもっと活躍してほしいんだ。ちゃんとオーダーで作ったんだぞ」

「あ、ありがとう。大事にするよ」

 アオキは心底喜んでいるようだった。おまけに『お前は本当の親友だ』とも言った。それを聞いた時はさすがに胸が痛んだ。しかし、それもこれも二人の関係を保つためだ。アオキが俺を引き離しさえしなければ、俺はずっとお前の親友でいられるのだ。

 バットの効果は抜群だった。何度やってもアオキは打てない。まるで別人の様だった。アオキの成績はみるみる落ちていった。

 しかしアオキは努力家だった。少しずつバットの特徴をつかみ、ホームランこそ出ないものの、少しずつヒットが打てるようになっていった。

 アオキはバットが悪いと言う事に、きっと気付いているだろう。しかし、それを口にはしない。俺からの大事なプレゼントだ。決して違うバットを使おうとはしなかった。

 アオキの打率は少し回復したものの、以前ほど注目されなくなった。その様子を見て少し安堵する反面、自分でもつくづくつまらない事をしたと思った。

 あのバットで、アオキはもうホームランを打てない。

 しかし、アオキは地道にヒットを重ねる。塁に出たアオキは瞬足を生かし、今は『盗塁王』として、再び注目を浴びようとしている。

 

 

【その他のショートショート作品はこちら↓↓↓】

時空モノガタリ投稿作品 カテゴリーの記事一覧 - R・ヒラサワの〜Novelist's brain〜

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(小説を推敲する本当の意味)コラム/ブラッシュアップの手順(後編)

ブラッシュアップの手順(後編)


小説に限らず、文章を書いた後は『推敲』が必要になります。それは誤字や脱字のチェックであったり、物語の辻褄の合わない部分を整えたり、全体の構成を見直したりと様々です。広い意味で物語をスマートに、スリムにする作業なのです。

 

【CONTENTS】

 

 


ショートショート『Recipe』の例

ショートショート『Recipe』の全文はこちら↓↓↓ 

rhirasawanb.hatenablog.com

 


タクミの一人目の彼女はモデルだった。つまり容姿のいい人である。二人目は有名な国立大学に通う頭のいい人で、三人目は声優をやってる声のいい人。四番目であるコトネは料理の腕がいい人で、新たに加わった五人目は運動神経がいい人のようだ。

 

❶タクミの一人目の彼女はモデルだった。つまり容姿のいい人である。

❷二人目は有名な国立大学に通う頭のいい人で

❸三人目は声優をやってる声のいい人

❹ 四番目であるコトネは料理の腕がいい人で

❺ 新たに加わった五人目は運動神経がいい人のようだ


登場人物全員に対する説明は、❶〜❸にかけて一旦短くなり、❹、❺と、再び長くなっているのがお分かりでしょうか? これは元々同じぐらいの長さだった文章を、調整したものです。

 

小説は同じような文章が続くと、退屈な流れになってしまいますので、それを避ける為の手法です。通常、読者の方が飽きてしまいそうな部分は短くし、興味を引きたい部分を少し長めに書くのです。


今回は五人について同じような説明を続ける為、三人目までは徐々に短くしてゆき

主人公は、あえて四番目に配置しています。これは『起承転結』の『転句』に相当します。つまり、この文章内で大きく変化をつける役割です。

更にその先の展開として、五人目に新たな人物を登場させている部分が、『結句』に相当し、一連の文章を落ち着かせている訳です。


これらの構成について、どの順番に主人公を持ってくるのかというのは、完成に至るまでに、ある程度順番を入れ替えてから決めています。

このパターンの物語では、主人公が常に四番目あたりに来るとは限らず、その物語の展開やオチとの関係を考えながら、決める事になります。

 

 

タクミが女性に求める条件は世間でよく聞くような内容だったのだが、実はモデルの彼女はテレビに出たり何処かの大会で優勝した訳でもなく、国立大学に通う彼女も成績がトップクラスという訳ではない。

 声優の彼女は最近になってやっとローカル局で流れるアニメの役をもらったが、脇役のため出番もかなり少なく、コトネの後に出来た彼女もスポーツ万能な様だが、過去にインターハイどころか、県大会にすら出た事が無いレベルだった。

 

自分があまり詳しくない職業やスポーツなどは、主にインターネットで調べるようにしています。一般的なレベルや考え方はどうなっているのか、自分が作ったネタは本当に正しいのかなど、どれだけ短い話の中でもリアリティは必要なので、極力間違いがないように調べることにしています。

読者の方の中には、その道のプロや、何かについて熟知した方も当然おられます。そういったプロの方たちが読んだ時にでも、違和感を感じず読めるような作品作りを心がけるようにしています。

ただし、インターネット上には情報が溢れている為、その信頼性を見極める必要があります。

 

 

 

ショートショート『新生物』の例

 ショートショート『新生物』の全文はこちら↓↓↓

rhirasawanb.hatenablog.com

 

 

所長の居る研究所は、食品会社が百パーセント出資している子会社で、主に原料となる植物の研究をしており、品種改良による理想の苗を開発するのが目的だった。

 

実際にありそうな会社や施設、そういったものを用意する必要があります。今回の件については、知人が勤めていた大手の会社の研究部門がモデルとなり、それを参考に書いています。


漠然とした施設などを書いてしまうと、やはりリアリティに欠け、話の本筋がぼやけてしまいます。それらのベースがしっかりとした上での展開と言うことになりますので、自分の持っている知識や知人の協力など、様々な方法を使って書く必要があると思います。

 


数名いる研究員の中で、一番若手のタチバナは、所長と親子ほど年齢が離れていて、その扱いに頭を悩ませていた。

 基本的に打たれ弱い。注意するにも気を使う。ネット世代の象徴か、知識だけは豊富に持っていて、常にプライドが高かった。


こちらはほとんど私の経験で、もちろん所長側の立場です。

特に新人研究員の性格や行動といったものが、実在した人物がモデルになっています。


❶基本的に打たれ弱い

❷注意するにも気を使う

❸ネット世代の象徴か、知識だけは豊富に持っていて、常にプライドが高かった


こちらは先ほどと逆のパターンになります。この文章は、新人研究員の特徴について述べている部分ですが、やはり特徴を羅列するタイプの文章です。この場合、できる限り限り歯切れが良くなるよう、短めに続けています。そして最後は、最初のニ項目を合わせた位、要は倍程度の長さにして、最も特徴的な部分を書いている訳です。

 

このような書き方をする事によって、この研究員の最も特徴的な、要は一番言いたい事を最後に持ってきています。そうする事によって、最初のニ項目について軽くインプットされた後、よりインパクトのある文章がやってくるので、強く印象が残りやすくなる訳です。これらの印象づけは、後にやってくる重要なオチにつながっています。ある意味これは伏線と言う事が言えます。

 

 


過去に同様の生物が居て、ハチノスツヅリガの幼虫は、百匹で普通のレジ袋を一カ月弱で消化する。しかし、新生物はそれをはるかに上回るとタチバナは言う。


この物語を書くよりもずっと以前の話ですが、私はこの記事を雑誌かあるいはインターネットで一度見た事があり、今回のアイデアの元になっています。

しかし物語を書く上でちゃんとした調査が必要だったので、複数の情報を調べた後に書いています。更に、物語に登場する『新生物』については少しアレンジを加えたものになります。

 

 

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そして最後に

 

以前にご紹介した事がありますが、私が小説を書いた時の、普段の誤字や脱字のチェック方法です。


❶最初の原稿は、テキストエディタ・アプリで『横書き』で執筆。

❷書き終えた原稿データをコピーして、別のアプリで『縦書き』の状態で読み返す。

❸更に別のアプリで『音声読み上げ』したものを聴いてチェックする。


❷は『横書き』→『縦書き』にする事によって、チェックの精度が上がる為です。更に、改行位置も変わるので、これも精度が上がる要因だと思います。

最近はスマートフォンがメインなのですが、以前はデスクトップPCにデータを転送していました。画面が大きくなる事で、一度に見える文章の範囲が広くなり、間違いに気付きやすい事に加え、前後の関係性も把握出来るので、構成を見直す場合は今でもこの方法にしています。


❸の『音声読み上げ』は、かなり精度が上がります。目で見るチェックは、複数回繰り返していると、慣れで見落としが出る場合があります。

音声として聴くと違和感がハッキリとして、かなりの確率で間違いを発見出来ます。

 

また、私が使っているアプリですが、読み上げ精度はかなりいいのですが、たまに『読み間違い』をします。例えば『年配の方(かた)が◯◯◯』などの場合、殆ど(ほう)と読み上げます。常に正解が続くよりも、たまに間違いがあった方が緊張感があり、慣れで聴き逃してしまうことも少なくなるように思いますので、私はこのアプリが気に入っています。


今後、出版を考えておられる方や、原稿依頼など受けておられる方は、文章が『印刷』になった場合『修正』が出来ませんので、特にチェック漏れが無い方法を考える必要があります。今回の記事を参考に、是非、ご自身に合ったチェック方法を見つけて下さい。

 

 


次回は、ショートショート『未来から来た男』の創作プロセス公開です。

 

 

 

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