ショートショート作家 R・ヒラサワの〜Novelist's brain〜

小説の書き方ブログ。ショートショート作家 R・ヒラサワが自身の作品を用いて詳しく解説。新作随時公開中!

(小説・ショートショートの書き方)創作の動機/あなろぐ

創作の動機/あなろぐ


ショートショートの創作プロセスを、その『動機』に絞って公開するものです。深くそれを知ることで、ご自身の創作時のヒントにして頂きたいと思います。
今回の作品は『あなろぐ』です。

【CONTENTS】

 

過去の出来事

 

日々感じるストレスを小説のネタにして、そこから作品を生み出すと言う『ストレスシート』。私のブログの中でとても人気のある記事です。

『ストレスシート』に関する記事はこちら↓↓↓

rhirasawanb.hatenablog.com

 

随分と昔に作家の方が、『私は人を殺します。このペンで』と言うニュアンスのお話を聞いた事があって、要するに、現実世界で自分が嫌いだと思う相手を、作中にアレンジを加えた人物として登場させ、物語の中で殺してしまうと言うものです。このお話『なるほど』と思いつつも、『なにも殺さなくっても……』と言う思いもあって、これを言った人の中にダークな部分を感じずにはいられません。
 これを私なりにアレンジしてみたところ、嫌いな人には『死んでもらう』ではなく『ネタになってもらう』事にして、『ストレスを笑いに変える』となりました。
例えば作中に笑いが用意できなかった場合、結果的には平和なお話にする事にしています。私、あまりダークなのは得意ではありませんので……。
 今回の舞台となる企業は、私が経験した幾つかの会社を組み合わせたものを用意しました。色々訳あって、私も複数の会社に勤めた経験がありますので、まあ、色々ありますよね。大企業は大企業なりの、中小・零細企業は、やはりそれなりの問題がそこにあって、全てに共通して言えるのは、『問題のない企業など存在しない』と言う事です。

 

創作が上手く進まない……。そんな時、『もしも……』と、あてはめるだけ!

先ずは『試し読み』をどうぞ↓↓↓


抽出されたネタ

 

『企業内の問題』『協調性』『孤立』『二代目社長』『思い込み』

 

舞台は、とある零細企業です。主人公の女性は本来営業の担当なのですが、そこは零細企業。様々な業務が待ち受けています。一人の担当者が複数の作業をこなし、日々の仕事はどうにか回っていますが、そこにトラブルが発生すると、一気にパニック状態に陥る場合だって珍しくはありません。
社内にルールを作ってみても、実行出来ない場合も多いのですが、慢性的な人手不足で『クビに出来ない』『注意も出来ない』なんて事は当たり前だったりするんですよ。

 

創作の開始地点

 

零細企業に勤める一人の女性社員。担当は営業だが、商品を作る為の材料発注や協力会社との納期調整、加えて事務作業云々と、様々な仕事に追われる毎日。
二代目社長は穏やかなのはいいけれど、何処か頼りなく、社内のルールも周囲にうるさく言われ、仕方なく作る様なタイプ。だから皆も守らない。『正直者は馬鹿を見る』とは、正に自分の事だと主人公は常々思う。
ぶっきらぼうなベテラン社員に、いい加減な先輩社員。そして、一番の問題児は横着で偉そうな後輩社員だ!
『自分の身は自分で守る』は当たり前。更に『自分で管理』し『自分でフォロー』、最後に『自分で慰める』。嗚呼、もうこんな会社は嫌だ!
こんな会社に究極のトラブル発生! 主人公の運命やいかに!

ショートショート『あなろぐ』の全文はこちら↓↓↓

rhirasawanb.hatenablog.com

 

 

『作家脳シリーズ』の Vol.1~Vol.3 のショートショート作品と新作4編の計35編の作品集です。『作家脳』をまだご覧になられていない、或いはショートショート作品のみを楽しみたい読者の方におススメの一冊です。

 

 

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(小説・ショートショートの書き方)創作の動機/ANSWER

創作の動機/ANSWER

 

ショートショートの創作プロセスを、その『動機』に絞って公開するものです。深くそれを知ることで、ご自身の創作時のヒントにして頂きたいと思います。
今回の作品は『ANSWER』です。

 

【CONTENTS】

 

過去の出来事

 

私が子供の頃、母親に連れられて行った場所で最も多かったのは『スーパーマーケット』です。実際にその時期と言えば幼稚園に行く前ぐらいの話で、特に印象深い事など無く、今では記憶も定かではないのですが、頻度で言えばやはり一番だったでしょう。
その後、高校生の時にアルバイトをした経験もあって、私にとってスーパーマーケットという場所は、とても落ち着く場所だったのです。今でも『揚げ物』をする『フライヤー』の匂いは懐かしく、何処か優しさを感じるのです。
だから、この場所が物語の舞台になった時、私の中では『優しい場所』であって欲しい願望が、きっと心の何処かに存在するのだと思います。

 

 

抽出されたネタ

 

『スーパーマーケット』『ショッピングセンター』『優しさ』

『伏字』『クイズ』『間違い』

 

この物語は他の作品同様、書くきっかけになっているのは当時応募していた『小説投稿サイト』から出された『テーマ』なのですが、この時のテーマが『伏字』なのです。
『伏字』って……。私がテーマを前に深く悩んだ事は数える程度しかないのですが、このテーマがその一つでした。最初の印象は、すごく『限定的』だな、と言った感じ。
唯一浮かんだのは『伏字でクイズ』を出すと、後は『パスワード』です。パソコンやスマホで入力する時の『パスワード』の事で、例えば妻が夫のスマホを勝手に見ようとした時、適当に入れたパスワードが偶然に合っている。しかし、そのパスワードはある人に関する数字やアルファベットで、それを夫が知っている事が『新たな疑惑に結び付く』と言ったもの。最初はそちらの方で書き進める予定でした。

その後、もうひとひねりした案が生まれた時、別のストーリーが出来たのです。この手のテーマは発想の段階で悩む反面、ある程度アイデアが揃うと一気に創作が進む可能性も秘めており、同じような場面に遭遇した時は『チャンス』かもしれません。

 

 

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創作の開始地点

 

昔から馴染みのあるショッピングセンターでの買い物。ちょっとした衣類や雑貨と食料品は、ここに来ればある程度揃う。近所のスーパーでは衣料が足りないし、大型ショッピングモールは商品は豊富だが、広すぎて疲れてしまう。だからここは適当な場所なのだ。

自宅から少し距離があり、近所の人にも会わずに済んでいる。日常のストレス解消の為のウィンドウショッピング。誰かに出会って長時間の世間話に巻き込まれたのでは意味が無い。

夫とは既に離婚して身軽になったものの、先々への不安が無いと言えば噓になる。料理とその他の家事は誰にも気を遣う必要がなくなった。何をするにも誰にも文句は言われない。色々あって、離婚後に喫煙の習慣ができた。

買い物の締めくくりは、センター内にあるスーパーマーケット。重い食料品は最後だが、その前にベンチで少し休憩をとる。

小学生の男の子が隣に座る。手には画用紙に書かれた文字。『クイズ』だ。『伏字』になっている部分に入る言葉が何かと聞いてくる。さて、この男の子との関係はどこへ進んでゆくのか……。

ショートショート『ANSWER』の全文はこちら↓↓↓

rhirasawanb.hatenablog.com

 

 

ショートショートの書き方』を、作家の視点で詳しく『超解説』‼

 

 

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(小説・ショートショートの書き方)創作の動機/あとがき

創作の動機/あとがき

 

 

ショートショートの創作プロセスを、その『動機』に絞って公開するものです。深くそれを知ることで、ご自身の創作時のヒントにして頂きたいと思います。
今回の作品は『あとがき』です。
【注意!:以下、ネタバレあります】

 

【CONTENTS】

 

 

過去の出来事


小説を読む時、『はじめに』や『あとがき』は、私自身ちゃんと読む方です。家電製品の『取扱説明書』も、結構しっかりと読むタイプなんです。しかし、肝心な私の著書には今のところ『あとがき』って書いてないんですけどね……。
話が逸れましたが、この『あとがき』について、私が常々考えてしまうのが『あとがきを先に書いたらたどうなる?』なんて事です。普通の事を逆にしてみたり、少しひねくれた捉え方をしてみたり……。これはもう『職業病』でしょうかね? 普段からあまり物事を普通に考えない習慣がついている気がします。でも、これがあるから『物書き』を続けていられるのかもしれません。

 

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抽出されたネタ


【あとがき】【先に書いてみる】【それを実行する理由】

 

今回は単純に『あとがき』を先に書いてみると言うネタですね。ですが、それを書くには問題があります。本来後にするべき事を、先にするにはそれなりに理由が必要で、それを単純に『やってみたかった』で済ませる筈もありません。勿論そこには『正当な理由』がなければいけないのです。
例えば何かの『トラブル』です。いつもの様に著書を書き終え、そしてあとがきを書く。書いた後で、何かしら本文側に大きな変更などが生じ、結果後先が逆になってしまう。こんなパターンもありでしょう。しかし、あまり良いネタが浮かびません。ショートショートのネタとしては、もう少し別のパターンの方が面白そうですよね。
そんな考えから、今回のネタは生まれたのです。

 


創作の開始地点


単純に『あとがき』を先に書く、と言う事ですね。通常、『あとがき』は何らかの著書の様なものを書いていて、その最後に書くものです。例えばそれが小説であった場合、テーマとなった事柄に対してどんな思いがあったとか、執筆中はこんな部分にこだわったとか、この辺りは苦労したとか。そんなこんなを綺麗にまとめる。そういう感じがベストではないでしょうか? しかし、今回はそうではない。何故なら後先が逆だから。
ある作家が居る。新人ではなくベテランの作家。しかし売れていない。だけど売れっ子作家の様に態度だけ大きい。おまけに異常な程にプライドが高い。だから読者に寄り添った作品作りなど全く出来ず、その結果本が全く売れないのだけれど、本人は全く気付かないし、仮に気付いたところで直す様な性格ではない。
でも売れたい。その思いは人一倍強い。だから何かしら本が売れる方法を模索する。
あまり人には聞きたくない。でも、こんな人にだって友達の一人ぐらいは居る。でも、同じ様な系統の人。そんな人から出てくる方法はろくでもない訳だけど、その作家はそれを実行する。
ベテラン作家はどんな事を書き、そして何を願うのか……。

 

ショートショート『あとがき』の全文はこちら↓↓↓

rhirasawanb.hatenablog.com

 

 

こちらは私の著書である『作家脳シリーズ』です。既にご好評いただいている
Vol.1は、常にAmazonランキング(文学理論カテゴリー)に登場する人気の書籍です。
シリーズ第二弾と第三弾であるVol.2、Vol.3は、Vol.1で作り上げた『作家脳』を更に『鍛え』、その作家脳を『持続させる』為の方法です。
様々なテクニックと、サンプルショートショートによる実践的な解説です。是非Vol.1と合わせてお読みいただければ、きっと貴方の『創作』の良き『パートナー』となるでしょう。
 
シリーズ第二弾
シリーズ第三弾

 

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(小説・ショートショートの書き方)創作の動機/サクラ

創作の動機/サクラ

 

ショートショートの創作プロセスを、その『動機』に絞って公開するものです。深くそれを知ることで、ご自身の創作時のヒントにして頂きたいと思います。
今回の作品は『サクラ』です。

 

【CONTENTS】

 

 

 

過去の出来事


『サクラ』と言う言葉の持つ意味が、客寄せの為に関係者がお客さんのフリをする、あの『サクラ』である事を知ったのは、私が小学生の頃でした。
当時、手品が好きだった私は本気で『教室』に通う事まで考えていた程で、貯まった小遣いを持って百貨店に行き、専門店で高価な道具を少しずつ買い揃えていました。
その日も新しい道具を買いに百貨店に向かっていると、路上でパフォーマンスをする男性が一人。男性の手招きに合わせ、紙で出来た人形が動いている! 手品好きの私が興味を示さない訳がありません。
周囲には大勢の人だかり。皆、不思議そうに見ています。このパフォーマンスの目的は、この手品のセットの販売です。おそらく価格は千円ぐらいだったと思います。次々と買う人が現れて、その波がすうっと引くとパフォーマンスは終了です。
興味があった私はその場に残り、次のパフォーマンス開始まで待ちました。その最中、詳細は言えませんが、私はある仕掛けに気付きました。それを家で話すと、「ああ、そう言うの『サクラ』って言うんだよ」と教えられたのです。
『サクラ』自身のイメージはあまり良くないかもしれません。しかし、これはある意味で『協力者』とも考えられる訳で、使い方によってはある程度『いい事』にも使えるのではと常々考えていたのです。ショートショートのネタとしては、やはり前者の方が適しているのでしょうね。まあ、お話次第ですけど。

 


抽出されたネタ

 

【さくらとサクラ】【協力者】【善意の客寄せ】

 

前述の出来事のイメージがあまりに強かったせいか、私は『サクラ』と聞くと、花の『サクラ』と客寄せの『サクラ』の二つのイメージが同時に浮かびます。
今回、作品を送った小説投稿サイトのテーマが『さくら』だったので、ネタの抽出以前にイメージは決まっていました。あの『サクラ』でいこう。しかし、あくまでその利用方法は『良い事』に使うという前提です。誰かを助ける為に、良い意味で『欺く』と言う訳です。

 

 

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創作の開始地点

 

売れない『女優』が居ました。いろんなオーディションを受けるも、なかなか良い役がもらえない。事務所の社長はその女優の才能を認めていたのですが、肝心の本人が自信を持つ事が出来ないのです。そして、周囲の人々が自信を持たせるよう声をかけても、なかなか効果が出ませんでした。

実体験として、本人が自ら自信をつける方法。それは自分の演技でお客さんが感動したりする様な、目に見えて手ごたえのある効果だと社長は考えたのです。その仕事こそが、あの『サクラ』です。

美味しいのに商品が売れないと言う店主から依頼された『サクラ』。大型ショッピングモールでのイベント会場で、この店のブースに上手くお客を集める為の『サクラ』を、果たして女優は上手く演じる事が出来たでしょうか。

 

ショートショート『サクラ』の全文はこちら↓↓↓

rhirasawanb.hatenablog.com

 

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(小説・ショートショートの書き方)創作の動機/ハロウィンの夜

創作の動機/ハロウィンの夜

 

ショートショートの創作プロセスを、その『動機』に絞って公開するものです。深くそれを知ることで、ご自身の創作時のヒントにして頂きたいと思います。

今回の作品は『ハロウィンの夜』です。

 

 

 

【CONTENTS】

 

 

 

過去の出来事

 

私は殆ど毎日電車を利用するのですが、ある日の夕方、同じ車両に大学生と思しきグループが居ました。最初は全く気付かなかったのですが、よく見ると中央に立っている男性の頭が『チョンマゲ』だったのです。勿論、時代劇で見るようなリアルなものではありません。何処かの雑貨店で手に入れた様な、一見して『パーティグッズ』に見えるものでした。
この日はハロウィンとは全く無関係の時期で、大学で何かのイベントでもあったのでしょうか、きっとその『ノリ』のまま電車に乗り込んだのでしょう。もしかすると、こんな格好で乗ったら周囲の人々はどんな反応をするか、見たかったのかもしれません。彼らは私と同じ駅で降りたのですが、その後どうなったかは定かではありません。

今度は別の日でした。これは後で分かったのですが、その日はちょうど『ハロウィン』だった様です。
『仮装』と思しき女性を見ました。今度は繁華街ですが、腕に包帯を巻いた状態で顔には『血糊』のメイク。この『血糊』が一見して本物でないと分かったので、『ああ、アレか』とおもいました。私はハロウィンに全く興味がなく、身近にこの様なイベントに参加する人が居なかったので、時期にも内容にもまるで無関心だったのです。ただ、その頃から参加する人が増え、夜の問題行動などがニュースで報道される事があったので、何となく知っていた程度です。

前述のお話が二つ重なった事で、私の頭の中には強いイメージが残り、それは数年経って『物語』となりました。それが『ハロウィンの夜』です。
これらを単純に『仮装をした人を見た』と言うのは一般の方々の思考でしょう。何も問題はありません。しかし、作家は常に創作のヒントを探し続ける必要があります。何かを見た時、これを直ぐに活用しなくてもいいのですが、できる限り頭の隅に強いイメージとして残す、或いはヒントになり得るネタと感じたのであれば、『ネタ帳』などに書き留めるという習慣をつけるのが良いでしょう。手帳を持ち歩かない人は、おそらく多くの人が携帯電話を所持している筈ですので、『メモ』の様な機能を使って『記録』するのです。そして、これらのアプリは直ぐに使える様、セッティングだけはちゃんとやっておきましょう。

 


抽出されたネタ

 

【ハロウィン】【仮装と一般人】【リアルなメイク】

 

舞台は『ハロウィン』です。そして、仮装した人が一般人の集団に紛れているのも滑稽でした。パーティー中はいいかもしれないけど、一般人に紛れた時、きっと気まずいんだろうと思いますし、それが『一人』だったら尚更でしょう。
【これが『逆』だったら?】
一気に物語の予感がしますね。何かの発想を得ようとした時、オーソドックスですが『逆』は有効です。思考の途中で何度も寄り道する価値があるのが『逆の発想』。上下左右は勿論の事、立場や構造に色や形状。いくらでもアイデアは尽きません。
そしてリアルなメイク。こちらも『逆』で、本来メイクである筈のものが、『リアル』だったらどうなるのか?

 


創作の開始地点

 
現実世界で見た光景は、一般の人々に『仮装した人』が混じる事によって生まれる『違和感』。物語の中でそれらは『逆』になり、『仮装した人々』の中に『現実世界の一般人』が混じる。しかも、メイクではない『リアル』で。
ハロウィンの仮想パーティの会場の中に、ナイフで刺された『本物の怪我人』。周囲は気付かない。何故なら此処は『ハロウィンパーティの夜』だから……。
とってもリアルな『血糊のメイク』。リアルな筈だよね、だって本物なんだから。冷や汗までかいてる感じ。表情もすっごく『リアル』。だって本物だもん!
誰も気づかない、気付かない……。あっ、でも救急車がやって来た! 誰かが気付いて呼んでくれたんだ! ストレッチャーに乗せられ、これできっと助かる!
でもね、救急隊も仮装だったんだよね……。さて、この後どうなるんだろう……。
 
 ショートショート『ハロウィンの夜』の全文はこちら↓↓↓

rhirasawanb.hatenablog.com

 

 

 

ショートショートの書き方』を、作家の視点で詳しく『超解説』‼

 

 

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(Amazonで売れる本のタイトル)気になるタイトル(5)

気になるタイトル(5)



小説のタイトルがとても大事な事は、いつも申し上げている事なのですが、今回も私が書店で気になったタイトルの本をご紹介します。

『数字』は具体的に色々な事をイメージしやすく、タイトルの付け方によって説得力も加わります。今回は数字の入ったものと、そうでないもの一冊です。

 

【CONTENTS】

 


ひとつむぎの手

 
こちらは医療界をリアルに描いた感動作です。人として大切なものを考えさせられる一冊。やはりタイトルにも『深み』があります。



 

52ヘルツのクジラたち

52ヘルツと言う高い周波数は、『届かない声』を表現した見事なタイトルです。人生を家族に搾取されてきた女性と、母に虐待られていた少年の出会いを描いた物語。
 



 

月まで三キロ

表題作は人生に疲れた男性と、タクシー運転手のお話。どれも優しい感動に包まれる六つの物語で構成された短編集です。やっぱこのタイトル、気になりますよね。



 

九十歳。何がめでたい

大正十二年生まれの超ベテラン作家さんのエッセイ集です。とにかく楽しそうな本ってタイトルですよね。これを読むと、やっぱり『おめでたい』んですよ。



 

交通誘導員ヨレヨレ日記

警備会社に勤める著者が、実体験を持って『その職業』ならではの世界を面白おかしく伝える一冊。小説などでも、その職業の深く入り込んだ世界は、読者の方の興味を誘う魅力的な内容ですが、それをタイトルいかに端的で魅力的に使えるかと言う点で、とても勉強になりますね。
 



R・ヒラサワの本 

 

 

 

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シリーズ第二弾と第三弾であるVol.2、Vol.3は、Vol.1で作り上げた『作家脳』を更に『鍛え』、その作家脳を『持続させる』為の方法です。
様々なテクニックと、サンプルショートショートによる実践的な解説です。是非Vol.1と合わせてお読みいただければ、きっと貴方の『創作』の良き『パートナー』となるでしょう。
 
シリーズ第二弾

シリーズ第三弾

 

 

 

 

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(売れる小説を書くためのヒント)コラム/人称の問題(後編)

コラム/人称の問題


今回比較する作品ですが、『習慣』は『一人称』で『ごくありふれた殺人』は『三人称』です。そして、後者は三人称でも『単一視点』である為、違いが少し分かりにくいかもしれませんが、順番に解説したいと思います。

 

【CONTENTS】

 

ショートショート『ごくありふれた殺人』の全文はこちら↓↓↓

rhirasawanb.hatenablog.com

 

ショートショート『習慣』の全文はこちら↓↓↓

rhirasawanb.hatenablog.com

 

それぞれの『文』と特徴

 

【一人称】
 モリタは以前のものより頑丈そうになった車のドアを開け、『マエダさん、どうぞ』と、私を迎え入れた。

主人公:私(マエダ)
一人称なので主人公は、私(僕など)になります。基本的に『私』が見聞きした事しか書けない訳ですが、この場合の内面描写は読書の方に最も近く、主人公の心境に共感を得やすい書き方です。


【三人称】(単一視点)
 スマートフォンの検索サイトを開くと、自動的に流れるネットニュース。ワタナベが何気なく読んでいた記事を、会社の同僚であるコジマが横からすうっと覗き込んで来た。

主人公(ワタナベ)
三人称ですが、単一視点である為、『ワタナベ』が見聞きした事しか書けません。
また、視点を置いている主人公『ワタナベ』は、自分の事を『私』や『僕』と書けないのですが、立ち位置の表現は必要です。それは何かの動作等で可能になります。

 

会社の同僚であるコジマが横からすうっと覗き込んで来た。

『ワタナベ』からの視点では『コジマ』の動作に対して『受け身』な表現になる為、前述の様な描写になるのです。

 

『覗き込んで来た』→『覗き込んだ』

この様に書くと、視点の置かれている位置が曖昧になります。

 

それぞれの『視点』

 

【一人称】
モリタは考え事をしていた私の様子を伺いながら、タイミングを見計らって話して来たようだ。

 

『私』(主人公)の視点から、『考え事をしていた』は判断が出来る内容です。
しかし、『タイミングを見計らって話して来た』は推測なので、最後に『ようだ』となる訳です。
表現としては前者の方が強く、後者の方が弱くなります。例えば物語の中で、作者が強く訴えたい内容に触れる部分がこの位置あり、視点を置いた人物のセリフや行動によってそれらを表現したいのであれば、他の部分を調整してでも『一人称』を優先させるべきでしょう。

 

【三人称】(単一視点)
コジマは電車の中で、例の話題に触れてこなかった。言葉数が急に少なくなった。もしかしたらワタナベの態度に、少し気を悪くしたのかもしれない。

 

『ワタナベ』(主人公)の視点から、コジマの『言葉数が急に少なくなった』は確認出来る内容です。しかし、『少し気を悪くした』は推測なので、『かもしれない』が後に続く訳ですね。前述の内容と同じく、表現としては『弱い』ものになります。
後で触れますが、この作品ではこれらの問題以上に『オチ』に重点を置いた為、三人称で書くことに決めたのです。

 

私の著書であるショートショート作品集。全20作品で、様々なタイプのショートショートを収録。『意外な結末』を実作品で是非ご覧ください。

 

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メリットとデメリット

 

メリット
【一人称】
視点を置いた人物が読者に近い為、リアリティや感情移入と言った面の効果が出やすい。

 

私はもう一度、後部座席側のドアを開けて上着を取り、モリタに礼を言ってから別れた。その時、少し急いでいる旨を伝える事を忘れなかった。そして車を離れ、直ぐに早足で歩き出す。モリタが内ポケットに財布を入れたまま上着を脱ぐのは、以前からの私が知る『習慣』だった。

ここは『オチ』に関する重要な部分なのですが、主人公のとった行動等が、この視点からしか描けない事と、ここに至るまでの二人の関係性を、この視点から伝える事で、『オチの効果』を狙っているのです。

 

【三人称】
視点の移動が可能。主人公以外の人物から内面を描く事が出来るので、その方面の制約が少ない。

 

ほどなくして、二人が降りる駅に着いた。ここの改札を抜けると、コジマとは駅で別れて、互いに反対の方向に向かうのだ。いつも通りワタナベが南に向かうと、コジマも後に続いた。

この作品に視点移動はありませんが、三人称で描く事によって『引きの画』と言うイメージが作れます。『オチ』は『フェードアウト』や『エンドロール』の様な印象になるイメージで描いています。これも『三人称』であるからこそで、一人称でも書けた作品を三人称にした大きな理由なのです。


デメリット
【一人称】
視点を置いた人物以外の内面描写が出来ない為、他の人物の内面はあくまで『推測』としての書き方になる。その為、リアリティに欠ける場面も出てくる。

 

モリタの表情が一瞬曇った。同じ職場にいた頃、少なくともモリタは自分が周囲の誰よりも優秀だと思っていた様だし、他人が自分より上に来るのを極端に嫌う傾向があった。
 それからしばらくの間、会話が途切れた。しかし、モリタが再び話し始めた。こちらが気持ちを察するのを警戒したに違いない。

モリタは主人公のマエダが独立したのだと思い、それに嫉妬心を抱きます。少なくとも彼は自分の方が周囲の誰よりも優秀であると思っているからです。このような感情を描く場合、本来であれば嫉妬心を抱いている本人の内側からふつふつと湧き上がる状態がリアルで良いのだと思います。しかし、この物語は一人称で書かれている為、それが出来ないのです。その結果、視点を置いている主人公から見た相手の表情や態度から受ける印象に対する『推測』となってしまうのです。『推測』である以上、実はそれが間違いである可能性もあると言う事です。


【三人称】
視点移動による描写によって、複数の人物の内面を描く事が可能だが、書き方を工夫しなければ、読者の混乱を招く。また、視点が単一の場合は一人称に比べ、読者との距離が遠く感じる為、感情移入しやすい書き方の工夫が必要。

 

「そうだよなあ。君はさあ、もし自分の大事な人が殺されたとしたら、どんな気持ちになる?」
 コジマが話題を掘り下げてくる。この手の話が苦手なワタナベは、何とか流れを変えようと考える。

この物語は主人公の『ワタナベ』の視点で書かれていますが、この様なやり取りの場合、読者の方は混乱しかねない流れです。あくまで視点が『ワタナベ』にある事を示す工夫としては、以下のような書き方をしています。

 

コジマが話題を掘り下げてくる

この部分の『掘り下げてくる』は受け身です。つまり、コジマのセリフを受けている相手に視点がある事になります。

 

この手の話が苦手なワタナベは、何とか流れを変えようと考える

『◯◯と考える』の様な書き方は、本人の『意思決定』です。つまり、この部分も『ワタナベの意思決定』なので、やはり視点は主人公である『ワタナベ』にあると言う書き方になるのです。

 

 

そして最後に

 

人称の問題は、単に書きやすさだけで選ぶものではなく、その物語の『構成』や『意図』を十分考慮して決めるのが良いでしょう。作者として、読者に伝えたい・訴えたい事が何であるのかを考えた時、おのずとその方向性が決まってくる筈です。

それらを考慮したうえで、最も適していると思う『人称』を選んで書き進めるのが最も良い方法であると思います。


次回は、ショートショート『習慣』の創作プロセス公開です。

 

 

 

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